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広島市産業振興センターNEWS 第182号(2016.2.15)
中央図書館からのおすすめ本(94) | |
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毎月、中央図書館が推薦するビジネス支援情報の図書をご紹介しています。 なお、これまでに紹介した本については、当財団のホームページに「中央図書館からのおすすめビジネス図書」として公開しておりますので、いつでも見ることができます。 |
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(岡山ビジネスライブラリィ(1))
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生きたハエがくっついて動けなくなる茶色い粘着質のテープ「ハイトリ紙」を知っていますか。これを作っているのが1923年(大正12年)創業の岡山県倉敷市に本社を置くカモ井加工紙株式会社です。 この本は、2010年(平成22年)に創業87周年を迎えた会社の歩みとモノづくりについて書かれています。History、People、PR&Adds、Technology、Challenge、Futureの6つのパートに分かれていて、写真も多く掲載されわかりやすく、興味がわいたところから読むことができます。 パート1History「すべてはハイトリ紙から始まった」では、1930年(昭和5年)の爆発的なヒット商品となった「カモ井のリボンハイトリ」の発売、戦時中の海外市場における日本商品ボイコット、戦後混乱期の危機からの脱出、製造拠点の海外移設によるコストダウン、建築や塗装の工業用マスキングテープの発売など、ハイトリ紙をめぐる会社の変遷を詳しく知ることができます。また、パート5Challenge 「マスキングテープの新たな挑戦」では2007年(平成19年)に誕生したマスキングテープ『mt』について書かれており、特に、東京のギャラリーカフェ店主からの一通のメールが、職人のマスキングテープから新たな雑貨のマスキングテープへと大きな転換のきっかけとなったという興味深いエピソードも紹介されています。 パート3PR&Adds「資料室から見えてくる遊び心の遺伝子」では、テレビCMや宣伝ポスターなどが会社の資料室に保管されており、その貴重な資料を見ることができます。パッケージやノベルティーグッズのデザインには「遊び心」が満載で、商品に対する意気込みが感じられます。 「粘着」の技術にこだわり続けるぶれない姿勢を貫きながら、常に「現場の声に耳を傾け、職人の細かな要望に応える」ことで苦境を乗り越えてきたカモ井加工紙。この本には、時代のニーズに柔軟に対応することで生き続ける中小企業の経営のヒントが多く込められています。
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