技術振興部では、企業等の技術者の技術水準の向上を図るため、様々な技術課題をテーマにした研究会やセミナーを実施しています。このコラムでは、こうした研究会等の活動状況等を報告します。
今回は福祉用具開発研究会について紹介します。
- 1 活動内容
本研究会では、様々な業種の企業が会員となって、福祉関連分野の新製品開発に取り組んでいます。
研究会には、全体会議と分科会があります。全体会議では会員からのアイディアに対して意見交換を行い、開発テーマを決定します。
分科会は、開発テーマごとに賛同する会員を募集して立ち上げるものです。分科会会員は、開発経費の分担のほか、自らが保有する製造技術やノウハウ、取引先に関する情報等を出し合って、市場調査、材料調達、自社での試作、加工外注先の紹介などで協力し、製品開発と事業化に取り組んでいきます。
- 2 活動状況
今回は、前回ご紹介した内容(平成28年9月号)以後の活動について紹介します。
- (1) 車いす用空気圧インジケータ
本製品は、車いすの安全性を高めることを目的とした製品で、タイヤの空気圧を監視する表示器です。一般的な英式バルブタイヤに取り付け、圧力が下がるとインジケータの色が変化して利用者に警告します。平成28年度は補助金を活用し、製造コスト削減を目的に形状や素材の改良に取り組みました。今年度は商品化を目指す予定です。
改良前
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改良後
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車いすに取り付けたところ
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図1 車いす用空気圧インジケータ
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- (2) マンションドアのリフォーム 「開扉君(かいとくん)」
マンションの玄関ドアは、ノブを回して手前に引くものが一般的で、車いす利用者にとっては、大変不便です。そこで、玄関ドアを、横方向に引く電動ドアにリフォームするサービスの事業化に取り組んでいます。平成28年度は補助金を活用して試作品の改良に取り組みました。
図2 「開扉君(かいとくん)」の概要
■問い合わせ先
技術振興部 システム技術室(広島市工業技術センター内)
TEL 082-242-4170(代表) E-mail kougi@itc.city.hiroshima.jp