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中央図書館からのおすすめ本(122)

広島市産業振興センターNEWS

中央図書館からのおすすめ本(122

『本のエンドロール』

 毎月、中央図書館が推薦するビジネス支援情報の図書をご紹介しています。
 なお、これまでに紹介した本については、当財団のホームページに「中央図書館からのおすすめビジネス図書」として公開しておりますので、いつでも見ることができます。


『本のエンドロール』

安藤 祐介/著 
講談社 (2018年3月発行)



本のエンドロール

この本は、本造りに携わる印刷会社の営業、工場作業員、DTオペレーター、デザイナー等を取り上げた小説です。著者は、2015年5月から約3年、実際に多くの印刷会社の人々に取材して、それぞれの仕事の工程や背景を丁寧に聞いて描いています。ペーパーバックや電子書籍と印刷会社の関わり等、業界の展望にも触れています。


主人公の豊澄印刷株式会社営業部の浦本学は、顧客である出版社と打ち合わせし、印刷所の状況等をみながら、全体を調整する役割を果たしています。その彼が会社説明会で就活生に将来の夢について聞かれた時に、「印刷がものづくりとして認められる日が来ること」と答えます。本はまず作家が原稿を書き、編集者が出版の企画を立て、デザイナーと相談して本の仕様が決まるが、印刷会社や製本会社は本を刷るのではない。本を造る「メーカー(ものづくり)」であり、夢と責任のある仕事だとも話します。浦本がこの言葉の持つ意味を自問自答していくことからこの物語は始まります。それに対峙して、同じ営業部の仲井戸光二は、夢は「目の前の仕事を手違いなく終わらせること」「印刷機の稼働率を上げること」と答えます。浦本は考え方の違いから仲井戸に反発しながらもよき先輩として一目置いています。このふたりが仕事の様々な困難な場面で真剣にぶつかりながらも、次第にお互いを認め合うようになっていくところは圧巻です。


本造りの現場がわかると、多くの人の思いの詰まったものとして、「本」をより身近に感じられるようになります。

「どう仕事をするかは、どう生きるかに等しい」と、好きな本造りに挑む主人公は語っています。仕事にかける熱い思いを感じながら楽しめる一冊です。



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