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中央図書館からのおすすめ本(123)『知的戦闘力を高める 独学の技法』 |
毎月、中央図書館が推薦するビジネス支援情報の図書をご紹介しています。
なお、これまでに紹介した本については、当財団のホームページに「中央図書館からのおすすめビジネス図書」として公開しておりますので、いつでも見ることができます。
山口 周/著
ダイヤモンド社
2017年
仕事や活動など多忙な中、何かを学びたいとき、自分のペースでできる「独学」を選択する人は多いと思います。本書では、独学で外資系コンサルタントになった著者が、自身が構築した知的戦闘力を向上させることができる「独学の技術」を、詳細にわかりやすく伝えてくれます。
まず大切なのは、独学を「システム」として捉えることで、そのシステムは大きく①戦略、②インプット、③抽象化・構造化、④ストックという4つの要素で構成されます。
限りある時間の中で、何をインプットするのか、何をインプットしないのかを決める「戦略」を立て、本やネットに限らず様々なソースから、自分の五感を通じて「インプット」する。さらにインプットした情報について、細かい要素は捨て本質的なメカニズムだけを抽出する「抽象化」、他のものと組み合わせたりして独自の視点を持たせる「構造化」を経て、「ストック」した上で、ストックした知識を引き出せるシステムを作るところまでを、具体的な事例や先達たちの言葉も織り込みながら、くわしく説明しています。
身の丈に合ったインプットを心がけること、自分らしい「問い」を持つことの大切さなどにも触れていて、例えば「問い」を持つことで人間や世界に対する理解や関心が深まり、ビジネスに関連するものの見方にも新しい刺激を与えてくれるとも述べています。
最終章となる第5章「なぜ『知の武器』になるのか?」では、教養を高める有用なジャンルとして、"リベラルアーツ"と呼ばれる歴史、心理学、音楽、文学など11ジャンルを挙げ、それぞれお薦めの書籍も紹介されています。
「独学の技術」を磨くことは、よりよい仕事につながるとともに、しなやかな知性を育み、それが本当の意味で豊かな人生につながることを気づかせてくれる本です。