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中央図書館からのおすすめ本(29) (「群れのルール 群衆の叡智を賢く活用する方法」) |
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毎月、中央図書館が推薦するビジネス支援情報の図書をご紹介しています。
なお、これまでに紹介した本については、当財団のホームページに「中央図書館からのおすすめビジネス図書」として公開しておりますので、いつでも見ることができます。 『群れのルール 群衆の叡智を賢く活用する方法』 ピーター・ミラー/著 (東洋経済新報社 2010年7月17日発行) 「これは生物学の本にあらず。」 このような注意書きが必要と思われるほど、この本では群れをなす生物の行動や生態について詳細に説明されています。しかし、実はビジネスについて書かれた本なのです。 私達の身の回りには複雑で簡単に解決できないビジネス上の問題がたくさんあります。 「うまく機能しないプロジェクトを抱えている。」 「コストダウンを図りたいが、複雑な変動要因が重なっていて困難だ。」 このような様々な問題を、群れで生活する生物が持つ集団のルールや情報伝達の方法を利用して解決しようというのがこの本のねらいでもあります。 たとえば、サウスウエスト航空の伝統である自由座席制を存続するか否かの判断材料として、また、多種類のガスを多様な顧客に販売しているガス会社の日常業務の最適化システムのプログラムとして、アリのコロニーでの活動が活用されています。アリは、個々の動きを通して、周囲の環境変化に対応した人員配置を容易に行っています。先のふたつの事柄はどちらも利益を上げるために必要な難しい判断でしたが、このアリの生態を巧みに利用して解決に至っています。 その他、本書には最適な選択を短時間で行うハチの群れなど、虫や鳥が群衆で成し遂げる叡智がいくつか紹介されています。 状況が目まぐるしく変化し、複雑多様化する現在、現状を見極めて適切な判断を下すことはとても難しいものです。そんな時、それぞれの生物が生存のために長年築き上げてきた知恵は、私達の生活においても大いに参考になるのではないでしょうか。 賢い判断をするために、群れの中で個々がどのように機能しているかについても考えさせられる1冊です。 ■問い合わせ先 広島市立中央図書館 事業課 TEL 082-222-5542 これまでに紹介した本 「中央図書館からのおすすめビジネス図書」 |