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広島市産業振興センターNEWS
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   第4回『中小企業におけるTQMの進め方』

 技術振興部長の國司(くにし)です。明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。今回は『中小企業におけるTQMの進め方』と題しまして、紙面を汚させていただきます。

 TQM(Total Quality Management=総合的品質経営または総合的品質管理)は、業務改善のための一手法で、一般財団法人日本科学技術連盟では、「企業・組織における経営の"質"向上に貢献する管理技術、経営手法」と定義しています。従来のQC活動が現場の管理に重点を置いていたところを、経営層主導・顧客重視の活動へと発想の転換を図った品質管理活動で、顧客満足向上のために次の6つの要素を、PDCAサイクルを回すことで継続的に向上させることを目的としています。

 1. Q(Quality)品質向上

 2. C(Cost)原価低減

 3. D(Delivery)最適納期

 4. S(Safety)安全確保

 5. M(Morale)士気高揚

 6. E(Environmental)環境保全

 経営資源の乏しい中小企業において、TQMの導入にあたっては、マンパワーの確保など高いハードルが待ち構えています。そして、その定着には導入より更に高いハードルが待ち構えていますが、その概念は、企業経営の手法として優れたものであることは誰もが認めるところであります。ただ、TQMは、あらゆる企業・組織に画一的に適用されるものではなく、企業・組織に応じてカスタマイズやコンパクト化するものだという認識を持って取り組むことが不可欠です。中小企業が大企業と同じような取り組み方をしても、負担ばかりが増え、一向に成果が上がらないという事態に陥りかねません。

 中小企業の経営においても、ISO9000は必須条件となっており、TQM導入の土壌は、ある程度できているものと思われますが、大企業のように一気にTQMを開始するのではなく、既存の経営資源を活用しながら比較的短期間で成果が期待できる5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)活動や3ム(ムリ・ムラ・ムダ)の排除から始め、次第にTQMへ移行していくという段階的な導入が現実的であると考えます。こういったTQM導入へのアプローチは、従業員が少ない職場(50人規模)において特に有効であると考えます。

 以上のようなアプローチを経てTQMの導入が現実的なものとなった場合は、経営層は、TQMを業務命令として強制的に推進するのではなく、経営層が全社の課題を掌握し、根拠の明確な重点課題を見極め、予防か改善かを、または必要な部署とそうでない部署を区別することで、画一的に展開しないことが肝要です。そして、情報の公開(ディスクローズ)と情報の共有(ナレッジ・マネジメント)を両輪として、自分たちが実行しやすい、実践できる仕組みを作り、活動を地道に進めていくことが何より大事であり、マンネリ化の防止にも繋がるものと思います。

 以上、つたない話となりましたが、技術振興部の材料・加工技術室では、"TQM研究会" という研究会を通じて、中小企業の方々に、以上のようなアプローチを踏まえたTQMの考え方を基本とした業務改善の仕組みの習得を支援しております。本研究会への参加に関する相談を随時受け付けておりますので、お気軽にご連絡下さい。



◆問い合わせ先  技術振興部(広島市工業技術センター内)
  TEL 082-242-4170(代表)   E-mail  kougi@itc.city.hiroshima.jp

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