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広島市産業振興センターNEWS
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    第6回 「3次元プリンターとイノベーション」

3次元プリンター
造形物(カッターナイフ)
上:3次元プリンター
下:造形物(カッターナイフ)
 技術振興部長の國司(くにし)です。今回は「3次元プリンターとイノベーション」と題して、切削加工等の代替技術や付加価値向上技術として、ものづくりにイノベーションをもたらすものとして最近、世界で注目されている3次元プリンター(3Dプリンター)について紹介したいと思います。

 3Dプリンター(3次元造形装置)は、デジタル技術を活用したコンピューター支援による立体造形のツールとして、既に四半世紀余りの歴史がありますが、最近では、その活用法が従来の試作品の作製(RP:Rapid Prototyping)から製品の製造(AM:Additive Manufacturing)へ移ってきていることが、話題の中心になっています。
 例えば、6月の話になりますが、"パナソニック、家電量産に3Dプリンター活用"という記事が新聞に掲載されました。その内容は、樹脂や金属の立体物を容易に作れる3Dプリンターを家電製品の大量生産に活用し、樹脂部品の生産に必要な金型を3Dプリンターで作り、生産コストを3割程度削減するというもので、同手法は今後、自動車産業などでも広がる可能性があるというものでした。

 3Dプリンターは、3D CADデータや3Dスキャナデータ(STL)を元に、樹脂や金属を一層ずつ細かく積層させていくことで、切削加工が困難な複雑形状の立体物を容易にかつ一体的に造形する装置で、その用途には、デザイン検証、形状確認、営業用サンプル、機能確認、真空注型のマスターモデル、実部品等があり、また、造形方式によって以下のように分類されます。広島市工業技術センターでも平成13年に米Stratasys社の熱溶解積層方式の装置を導入しております。

3Dプリンターの造形方式とその特徴

 上記の表からもわかりますように、造形方式によって一長一短がありますが,用途に応じて使い分けが進んでおり、以下の効果を期待することができます。

 ・ 開発期間の短縮
 ・ 源流での不具合対策
 ・ 外注費等のコストの削減
 ・ 切削加工では困難な複雑形状部品の加工
 ・ リバースエンジニアリングによる技術情報の取得

 数年前まで3Dプリンターは非常に高価で、1台数百万円から数千万円という価格が当たり前で、航空宇宙産業や自動車産業などの一部の分野で主に試作品を作る際に利用されていましたが、最近では低価格化が進み、20万円程度の小型の普及機も登場しています。また、ハイエンド化も進み、エンジニアリングプラスチックを使い寸法精度10μm(1μmは1/1000㎜)の造形が可能で、自動車部品の試作にも使える高精度な機種や車のドアパネルを一度に造形可能な大型な機種もあります。こういった状況の中、政府も地域のものづくり支援に3Dプリンターの活用を来年度の科学技術予算に関する行動計画に盛り込むことにしており、その活用の領域は急速に拡大していくものと思われます。

 以上、雑駁な説明となりましたが、3Dプリンターの活用や切削加工の技術・付加価値の向上のきっかけとなれば幸いです。


◆問い合わせ先  技術振興部(広島市工業技術センター内)
   TEL 082-242-4170(代表)   E-mail  kougi@itc.city.hiroshima.jp

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