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技術情報の提供 (技術振興部 材料・加工技術室) 『炭素硫黄分析装置のご紹介』 |
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私たちの身の回りにある、電車のレールや縫い針や釘などは、日常的には「鉄」製と呼ばれることが多いと思います。もちろん、そのほとんどの成分は鉄ですが、鉄に含まれている炭素の量によって、0.02%以下のものが「鉄(純鉄)」、0.02~2.1%のものが「鋼」、2.1~6.7%のものが「鋳鉄」といったように、大きく3つに区分されます。この中で、日常生活で一番多く使われているのが鋼であり、鋼の中に含まれる数%の炭素が鋼の強さや性質を決定することに非常に大きな役割を果たしています。 鋼中の炭素量は、鋼の強さに大きく影響します。炭素量が0.1%の鋼の引張り強さが約300MPa、それが炭素量が0.2%に増えると約400MPaになり、炭素が0.1%増えただけで、引張強さが100MPa程も大きくなります。 日本で流通している鋼のほとんどは、JIS(日本工業規格)に従って製造されており、JIS規格では、炭素鋼S××Cという記号で分類されている鋼があります。Sは「鋼:Steel」、Cは「炭素:Carbon」の頭文字になり、XXには、S45Cといったように数字が入り、これは約0.45%の炭素が含まれる鋼という意味になります。JISでは炭素鋼を、含有する炭素量によって23種類にも細かく分類しており、必要とする強度や硬さによって鋼種を選択します。機械部品などでは、必要とされる強度を厳密に計算して、鋼種を選択しており、異なる鋼種を使用していれば、その機械部品は使用に耐えられなくなり、破損します。 表に、代表的な鋼種記号と炭素量の規格値の一例を示します。 |
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表のように、炭素鋼中の炭素量は小数点以下第2位の値まで規格化されています。しかし、炭素鋼中の炭素量は、見た目では判断することはできませんので、これを正確に知るためには、炭素硫黄分析装置(図1)などで測定を行う必要があります。 |
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図1 炭素硫黄分析装置 この装置は、鉄の試料をスズなどの助燃剤と共に酸素雰囲気下で高温に加熱して燃焼させ、炭素を二酸化炭素と一酸化炭素に酸化し、その赤外線吸収量を測定することにより、炭素の含有量を測定することができます。(図2) また、この装置では鉄の試料に含まれる硫黄の含有量を同時に測定することができます。 図2 鋼(炭素(C):0.30% 硫黄(S):0.04%)の測定チャート 装置の概要は以下のとおりです。 【型式】 (株)堀場製作所製 EMIA-820 【仕様】 ○測定方法 酸素気流中燃焼―赤外吸収法 ○燃焼炉 高周波燃焼炉 ○測定範囲 炭素0~6% 硫黄0~1% 【試験手数料】 定量分析科学試験 2,750円(1成分につき) *試験のご依頼方法など、詳しくは下記までお問い合わせください。 |
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■問い合わせ先 技術振興部 材料・加工技術室 (広島市工業技術センター内) TEL 082-242-4170(代表) |
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