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広島市中小企業支援センター > メールマガジン > 2014年度 > 技術情報の提供

広島市産業振興センターNEWS 第140号(2014.4.15)

広島市産業振興センターNEWS
技術情報の提供 (技術振興部 材料・加工技術室)
   「破面解析(フラクトグラフィ)」

 機械部品等は、データや経験に基づいて設計、製造されています。しかし、実際に使用される際には、様々の要因によって、不幸にも破壊に至る場合があります。破壊が起こった場合には、その後の再発防止対策や安全対策のために、破壊原因を明らかにすることが重要であり、不可欠になります。その破壊原因を調査する方法の一つに、破壊した破面の「破面解析(フラクトグラフィ)」があります。これは、破壊事故に関する直接的な証拠を秘めた唯一の情報源である破面を観察し、破面に残された痕跡から破損過程を推測するものです。「破面解析(フラクトグラフィ)」に関する歴史は古く、技術的書籍や事例集なども数多く出版されています。
 破壊の形態には、「延性破壊」、「脆性破壊」、「疲労破壊」などがあります。図1に丸棒にPの引張力を負荷し続けたときに、破壊に至る場合の「延性破壊」と「脆性破壊」の破壊形態のイメージ図を示します。
 
イメージ図 (上)延性破壊 (下)脆性破壊
図1 破壊形態のイメージ図

 「延性破壊」は、材料に大きな負荷力が負荷され続けた場合に、大きな変形を伴って破壊する破壊形態のことを言います。また、「脆性破壊」は、ほとんど変形を伴わない形の破壊形態のことを言います。「疲労破壊」とは、金属疲労などとも呼ばれ、新聞等で耳にするものです。一回では破壊に至らないような小さな負荷でも、負荷を繰り返し行うことで破壊に至ることがあります。
 図2に丸棒を片振り曲げ、両振り曲げ、回転曲げの形で「疲労破壊」させた場合に、応力の大小や、切り欠きの存在などによってどのような破面模様になるかを示します。
(丸棒の片方の端面を固定して、1方向に曲げようとする力を加えることを片振り曲げと言い、行ったり来たりの2方向の曲げようとする力を加えることを両振り曲げと言います。また、片振り曲げの状態で、さらにねじりを加えることを回転曲げと言います。)
 
丸棒の疲労破面における破面模様
図2 丸棒の疲労破面における破面模様
(吉田 亨:金属破面の見方、日刊工業新聞社より)

 破面の観察は、まず目視や低倍率での実体顕微鏡観察から行ないます。この観察は「マクロフラクトグラフィ」とも呼ばれ、いわゆるマクロ観察になります。このとき観察される破面模様によって、破壊の起点や、進行方向などおおよその破壊の進行過程が推測されます。
 実際に片振りの繰り返し曲げによって疲労破壊した平板の破面のマクロ観察結果を図3に示します。図の破面上には白丸の部分から波紋状に広がる貝殻状模様(縞模様)が確認され、白丸部近傍を起点として、青矢印の方向に疲労破壊が進行したことが伺われます。平板と丸棒ということでは異なりますが、図2で、「応力小」で「片振り曲げ」のときの破面模様を見てみると、これが参考になります。

 
片振り曲げによって疲労破壊した平板の破面
図3 片振り曲げによって疲労破壊した平板の破面

 「マクロフラクトグラフィ」では、大まかな破壊の形態を判断するのには適していますが、詳細な破壊形態を明らかにできない場合があるため、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて微小な領域の破面観察を行います。これを「ミクロフラクトグラフィ」と言います。
 図4に、「延性破面」、「脆性破面」、「疲労破面」のSEM観察結果を示します。
(左)延性破面 (中)脆性破面 (右)疲労破面
図4 破面のSEM観察結果

 図4において、「延性破面」はディンプル破面、または単にディンプルとも呼ばれ、また、「疲労破面」はストライエーションとも呼ばれます。上図の疲労破面(ストライエーション)は、白矢印方向に繰り返し負荷があった破面であり、その横縞模様の間隔を測定することで、応力負荷の程度を推測することができます。
 非常に小さな動き(負荷)によって破壊した場合など、「マクロフラクトグラフィ」で破面模様が確認できない場合があり、このような時にはSEM観察を行うことによって、その破壊形態を明らかにすることができる場合があります。破面上のどこでこれらのような破壊形態(破面)が観察されるかによって、これらを矛盾なく組み合わせることのできるパターンを見つけ出し、その破壊の開始から破断に至るまでの過程を予測していきます。

 今回ご紹介した破面は、基本的には力学的な要素で破壊したものの一例になります。実際の破壊の原因としては、腐食による場合や材料が設計通りに使用されていない場合や単純な設計のミスによる場合など、そして、様々な原因が混在するような場合もあります。
 実際に破壊原因の調査を行っていく場合には、破壊した部品が使用されている機械等の全体の構成要素や力学的な側面、使用環境等を考慮して、実際の破壊した破面の「マクロフラクトグラフィ」を実施し、必要に応じて化学分析、硬さ試験、強度試験、機器分析、「ミクロフラクトグラフィ」などの試験を実施して、その試験結果から最終的に破壊原因を明らかにしていきます。

 当センターでは、今回ご紹介した破面解析など、破壊原因の調査に係る様々の試験を実施しておりますので、御社の製品などで破損が起こった場合には、お気軽にご相談ください。

■問い合わせ先
  技術振興部 材料・加工技術室 (広島市工業技術センター内) 
  TEL 082-242-4170(代表)

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〒733-0834 広島市西区草津新町1-21-35
(広島ミクシス・ビル内)
TEL:082-278-8032
E-Mail:assist@ipc.city.hiroshima.jp

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広島市産業振興センターNEWS 第140号(2014.4.15)

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   「破面解析(フラクトグラフィ)」

 機械部品等は、データや経験に基づいて設計、製造されています。しかし、実際に使用される際には、様々の要因によって、不幸にも破壊に至る場合があります。破壊が起こった場合には、その後の再発防止対策や安全対策のために、破壊原因を明らかにすることが重要であり、不可欠になります。その破壊原因を調査する方法の一つに、破壊した破面の「破面解析(フラクトグラフィ)」があります。これは、破壊事故に関する直接的な証拠を秘めた唯一の情報源である破面を観察し、破面に残された痕跡から破損過程を推測するものです。「破面解析(フラクトグラフィ)」に関する歴史は古く、技術的書籍や事例集なども数多く出版されています。
 破壊の形態には、「延性破壊」、「脆性破壊」、「疲労破壊」などがあります。図1に丸棒にPの引張力を負荷し続けたときに、破壊に至る場合の「延性破壊」と「脆性破壊」の破壊形態のイメージ図を示します。
 
イメージ図 (上)延性破壊 (下)脆性破壊
図1 破壊形態のイメージ図

 「延性破壊」は、材料に大きな負荷力が負荷され続けた場合に、大きな変形を伴って破壊する破壊形態のことを言います。また、「脆性破壊」は、ほとんど変形を伴わない形の破壊形態のことを言います。「疲労破壊」とは、金属疲労などとも呼ばれ、新聞等で耳にするものです。一回では破壊に至らないような小さな負荷でも、負荷を繰り返し行うことで破壊に至ることがあります。
 図2に丸棒を片振り曲げ、両振り曲げ、回転曲げの形で「疲労破壊」させた場合に、応力の大小や、切り欠きの存在などによってどのような破面模様になるかを示します。
(丸棒の片方の端面を固定して、1方向に曲げようとする力を加えることを片振り曲げと言い、行ったり来たりの2方向の曲げようとする力を加えることを両振り曲げと言います。また、片振り曲げの状態で、さらにねじりを加えることを回転曲げと言います。)
 
丸棒の疲労破面における破面模様
図2 丸棒の疲労破面における破面模様
(吉田 亨:金属破面の見方、日刊工業新聞社より)

 破面の観察は、まず目視や低倍率での実体顕微鏡観察から行ないます。この観察は「マクロフラクトグラフィ」とも呼ばれ、いわゆるマクロ観察になります。このとき観察される破面模様によって、破壊の起点や、進行方向などおおよその破壊の進行過程が推測されます。
 実際に片振りの繰り返し曲げによって疲労破壊した平板の破面のマクロ観察結果を図3に示します。図の破面上には白丸の部分から波紋状に広がる貝殻状模様(縞模様)が確認され、白丸部近傍を起点として、青矢印の方向に疲労破壊が進行したことが伺われます。平板と丸棒ということでは異なりますが、図2で、「応力小」で「片振り曲げ」のときの破面模様を見てみると、これが参考になります。

 
片振り曲げによって疲労破壊した平板の破面
図3 片振り曲げによって疲労破壊した平板の破面

 「マクロフラクトグラフィ」では、大まかな破壊の形態を判断するのには適していますが、詳細な破壊形態を明らかにできない場合があるため、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて微小な領域の破面観察を行います。これを「ミクロフラクトグラフィ」と言います。
 図4に、「延性破面」、「脆性破面」、「疲労破面」のSEM観察結果を示します。
(左)延性破面 (中)脆性破面 (右)疲労破面
図4 破面のSEM観察結果

 図4において、「延性破面」はディンプル破面、または単にディンプルとも呼ばれ、また、「疲労破面」はストライエーションとも呼ばれます。上図の疲労破面(ストライエーション)は、白矢印方向に繰り返し負荷があった破面であり、その横縞模様の間隔を測定することで、応力負荷の程度を推測することができます。
 非常に小さな動き(負荷)によって破壊した場合など、「マクロフラクトグラフィ」で破面模様が確認できない場合があり、このような時にはSEM観察を行うことによって、その破壊形態を明らかにすることができる場合があります。破面上のどこでこれらのような破壊形態(破面)が観察されるかによって、これらを矛盾なく組み合わせることのできるパターンを見つけ出し、その破壊の開始から破断に至るまでの過程を予測していきます。

 今回ご紹介した破面は、基本的には力学的な要素で破壊したものの一例になります。実際の破壊の原因としては、腐食による場合や材料が設計通りに使用されていない場合や単純な設計のミスによる場合など、そして、様々な原因が混在するような場合もあります。
 実際に破壊原因の調査を行っていく場合には、破壊した部品が使用されている機械等の全体の構成要素や力学的な側面、使用環境等を考慮して、実際の破壊した破面の「マクロフラクトグラフィ」を実施し、必要に応じて化学分析、硬さ試験、強度試験、機器分析、「ミクロフラクトグラフィ」などの試験を実施して、その試験結果から最終的に破壊原因を明らかにしていきます。

 当センターでは、今回ご紹介した破面解析など、破壊原因の調査に係る様々の試験を実施しておりますので、御社の製品などで破損が起こった場合には、お気軽にご相談ください。

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  TEL 082-242-4170(代表)

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