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中央図書館からのおすすめ本(74)

広島市産業振興センターNEWS 第144号(2014.6.16)

広島市産業振興センターNEWS
中央図書館からのおすすめ本(74)
    「伝える極意」
 毎月、中央図書館が推薦するビジネス支援情報の図書をご紹介しています。
 なお、これまでに紹介した本については、当財団のホームページに「中央図書館からのおすすめビジネス図書」として公開しておりますので、いつでも見ることができます。
伝える極意

 

 

『伝える極意』

 

 長井 鞠子(まりこ)/著

 


(集英社新書 2014年2月19日発行)

 この本の著者は通訳者です。

 ご存じのように、通訳という仕事は、異なる言語を話す人たちの間に立って、会話を翻訳して相手に伝えることです。著者は、日本における会議通訳者の草分け的存在であり、先進国首脳会議をはじめとする数々の国際会議やシンポジウムの同時通訳をされてきました。

 この本は、彼女が通訳者としてのさまざまな現場に立ち会う中で考えてきた「言葉によるコミュニケーションとは何か」、「発言すると伝えるとの違いは何か」などについて具体例を挙げて書かれたものです。
 2020年の東京五輪開催に向けての素晴らしいスピーチで記憶に新しい太田雄貴選手ですが、今回、彼の言葉が多くの人の胸を打ったのは太田選手の英語力だけではなく、「自分の意見を聞いている相手に理解させ、賛同してもらうという『伝える力』だった」と紹介しています。

 著者によると、この「伝える力」とは、「『誰かに伝えたい』と思う内容(コンテンツ)を持っているか」、「それを伝える熱意があるか」、「話を相手にわかりやすくするための論理性・構成力があるか」の3点だということです。

 プロの通訳者として、海外の国家元首や日本の総理大臣、またはサッカーのデビット・ベッカムやホーキング博士等の通訳を行った時のエピソードも交えながらの文章はとても読みやすく、単に言ったことをそのまま伝えるだけではなく、通訳を通して聞く人たちに「語られている世界の情景が拡がるぐらい豊かな言葉」に翻訳して伝えたいという著者の思いが真摯に伝わってきます。

 今日ではメールやSNSなどの普及によって、直接相手と対峙してコミュニケーションするときの「伝える力」が衰えていると言われていますが、ビジネスにおいても、きちんと相手に思いを伝えることから、仕事が始まるのではないかと思います。「どう話せば相手に伝わるか」という時に、是非参考にしていただきたい1冊です。

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