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広島市中小企業支援センター > メールマガジン > 2014年度 > 中央図書館からのおすすめ本(79)

広島市産業振興センターNEWS 第152号(2014.11.17)


広島市産業振興センターNEWS
中央図書館からのおすすめ本(79)
  「紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場」
 毎月、中央図書館が推薦するビジネス支援情報の図書をご紹介しています。
 なお、これまでに紹介した本については、当財団のホームページに「中央図書館からのおすすめビジネス図書」として公開しておりますので、いつでも見ることができます。

紙つなげ!彼らが本の紙を造っている  再生・日本製紙石巻工場

 

 

『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている

 再生・日本製紙石巻工場』

 

 佐々 涼子(ささ りょうこ)/著

  

 


(早川書房 2014年6月25日発行
)

 タイトルに引き寄せられて手に取った本で、表紙の写真も作業着姿の人々が並び、その後ろにまるで巨大船のような機械が見えていて印象的です。この本は、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた日本製紙(にっぽんせいし)石巻工場の、奇跡の復興を記録した物語です。

 日本製紙は、日本の出版用紙の約4割を担い、世界屈指の規模を誇る石巻工場はその主力工場として震災前には一年に約100万トンを生産していました。ところがあの日、従業員までもが「工場は死んだ」「きっと日本製紙は石巻を見捨てる」と思うほど工場は絶望的な状態となりました。しかしながら、奇跡的にも、当日出勤していた1306名の従業員は全員生存が確認でき、工場も火災から免れることができました。この奇跡から彼らの復興に向けての戦いが始まったのです。

 避難場所での生活、工場内の瓦礫の撤去、工場から流出して使い物にならなくなった巨大ロール「巻取(まきとり)」の回収など、従業員は工場存続の不安を抱えつつも復旧の作業を進めました。しかし先の見えない作業が長期化するにつれ、不安や疲労でモチベーションも下がり始めます。そんな従業員に会社は、なんと半年後の機械稼動を宣言します。まずは1台。それでも誰もが無理だと思いましたが、石巻のため、出版社のため、そして本を待っている読者のため彼らは一致団結し、2012年には生産量を約85万トンまで戻しました。


 この工場で作られた紙が使われている本は、村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』、文庫本では百田尚樹の『永遠の0(ゼロ)』、東野圭吾の『カッコウの卵は誰のもの』、そしてコミックスでは『ONE PIECE』『NARUTO-ナルト-』など馴染みのある作品ばかりです。もちろん、辞書、単行本、雑誌などに使われる紙にも石巻工場の技術が結集されています。

 表紙の巨大機械「8号抄紙機(しょうしき)」のオペレーターである佐藤憲昭(さとう のりあき)氏は言っています。「いつも部下たちにはこう言って聞かせるんですよ。『お前ら、書店さんにワンコインを握りしめてコロコロコミックを買いにくるお子さんのことを思い浮かべて作れ』と。小さくて柔らかい手でページをめくっても、手が切れたりしないでしょう?あれはすごい技術なんですよ。」

 タイトルの「紙つなぎ」とは、抄紙機に原料のパルプが吹き付けられたあと、様々な工程を経て最後のリールに巻きつくまでを言い、熟練のオペレーターが操作しても一度に通ることはなかなか難しいのだそうです。職人の、決して妥協を許さないものづくりの話でもあります。

 工場でできた紙は、出版社で本となって私たちの手元に届きます。が、何気なく読んでいる本の向こうには、石巻工場で働く人たちにつながっているように感じられます。そしてこの本からは、まるで石巻工場の人たちの声が聞こえてくるようです。ぜひ、この本を手に取って、紙の感触を確かめながら読んでみてください。

 

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広島市産業振興センターNEWS 第152号(2014.11.17)


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中央図書館からのおすすめ本(79)
  「紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場」
 毎月、中央図書館が推薦するビジネス支援情報の図書をご紹介しています。
 なお、これまでに紹介した本については、当財団のホームページに「中央図書館からのおすすめビジネス図書」として公開しておりますので、いつでも見ることができます。

紙つなげ!彼らが本の紙を造っている  再生・日本製紙石巻工場

 

 

『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている

 再生・日本製紙石巻工場』

 

 佐々 涼子(ささ りょうこ)/著

  

 


(早川書房 2014年6月25日発行
)

 タイトルに引き寄せられて手に取った本で、表紙の写真も作業着姿の人々が並び、その後ろにまるで巨大船のような機械が見えていて印象的です。この本は、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた日本製紙(にっぽんせいし)石巻工場の、奇跡の復興を記録した物語です。

 日本製紙は、日本の出版用紙の約4割を担い、世界屈指の規模を誇る石巻工場はその主力工場として震災前には一年に約100万トンを生産していました。ところがあの日、従業員までもが「工場は死んだ」「きっと日本製紙は石巻を見捨てる」と思うほど工場は絶望的な状態となりました。しかしながら、奇跡的にも、当日出勤していた1306名の従業員は全員生存が確認でき、工場も火災から免れることができました。この奇跡から彼らの復興に向けての戦いが始まったのです。

 避難場所での生活、工場内の瓦礫の撤去、工場から流出して使い物にならなくなった巨大ロール「巻取(まきとり)」の回収など、従業員は工場存続の不安を抱えつつも復旧の作業を進めました。しかし先の見えない作業が長期化するにつれ、不安や疲労でモチベーションも下がり始めます。そんな従業員に会社は、なんと半年後の機械稼動を宣言します。まずは1台。それでも誰もが無理だと思いましたが、石巻のため、出版社のため、そして本を待っている読者のため彼らは一致団結し、2012年には生産量を約85万トンまで戻しました。


 この工場で作られた紙が使われている本は、村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』、文庫本では百田尚樹の『永遠の0(ゼロ)』、東野圭吾の『カッコウの卵は誰のもの』、そしてコミックスでは『ONE PIECE』『NARUTO-ナルト-』など馴染みのある作品ばかりです。もちろん、辞書、単行本、雑誌などに使われる紙にも石巻工場の技術が結集されています。

 表紙の巨大機械「8号抄紙機(しょうしき)」のオペレーターである佐藤憲昭(さとう のりあき)氏は言っています。「いつも部下たちにはこう言って聞かせるんですよ。『お前ら、書店さんにワンコインを握りしめてコロコロコミックを買いにくるお子さんのことを思い浮かべて作れ』と。小さくて柔らかい手でページをめくっても、手が切れたりしないでしょう?あれはすごい技術なんですよ。」

 タイトルの「紙つなぎ」とは、抄紙機に原料のパルプが吹き付けられたあと、様々な工程を経て最後のリールに巻きつくまでを言い、熟練のオペレーターが操作しても一度に通ることはなかなか難しいのだそうです。職人の、決して妥協を許さないものづくりの話でもあります。

 工場でできた紙は、出版社で本となって私たちの手元に届きます。が、何気なく読んでいる本の向こうには、石巻工場で働く人たちにつながっているように感じられます。そしてこの本からは、まるで石巻工場の人たちの声が聞こえてくるようです。ぜひ、この本を手に取って、紙の感触を確かめながら読んでみてください。

 

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