広島市産業振興センターNEWS 第152号(2014.11.17)
|
技術情報の提供 (技術振興部 システム技術室)
「非接触式三次元測定機のご紹介」
|
機械部品等に対する3次元形状測定技術は、接触式と非接触式に大別されます。
接触式は、3次元座標軸にしたがって移動するプローブを対象物に当て、寸法や幾何形状を測定します。非接触式は、レーザー光や縞模様のパターン光を測定対象物に照射して画像を取込み、表面形状を点群座標データとして出力します。 当センターには、接触式((株)東京精密 SVA fusion 9/10/6)と非接触式の両方がありますが、このたびは、非接触式三次元測定機についてご紹介します。 非接触式三次元測定機は、接触式と比較して測定精度は劣りますが、広範囲の点群データを短時間で取得できるので、自由曲面や部品全体の測定などに適しています。当センターは平成24年度に導入しましたが、これまで樹脂成形品の測定に多く使われています。
|
|
<主な仕様>
〇本体:Steinbichler(スタインベクラー社) COMET L3D 5M 〇製品検査システムソフト: (株)アルモニコス spGauge 〇プロジェクタ部:青色LED 〇カメラ部:500万画素CCD 〇レンズ
レンズ型式 |
測定範囲(1ショット) ※1 |
測定精度(1ショット) ※2 |
COMET L3D-100 |
120 × 100 × 60 mm |
0.01mm |
COMET L3D-500 |
480 × 400 × 250 mm |
0.04mm |
※1: |
1ショットでの測定以外に、付属回転テーブル(直径460mm、耐荷重30kg)を使って指定角度の位置で複数回撮影して測定データを重ねあわせることで裏面も含めた全体形状を測定することができます。
|
※2: |
ドイツVDI規格に準拠。複数撮影した画像を重ねあわせると誤差が大きくなります。また、周辺環境(温度・湿度)も精度に影響を及ぼします。 |
|
|
<利用例>
〇 |
部品の形状検査 |
|
本測定機による測定データと部品のCADデータをコンピュータ上で照合し、各部の寸法誤差をカラーマップで表示することにより、測定した部品が設計通りに作られているかを視覚的に確認できます。CADデータは、IGES形式とSTEP形式に対応しています。 |
〇 |
リバースエンジニアリング |
|
(現物を測定して得られた形状データから設計データを作成する技術) クレイモデルや既存部品などを測定し、得られた点群データからCADモデルを作成できます。CADモデルになれば、デザインの変更や拡大縮小も容易にできます。 |
<設備使用料など> ○設備使用料:260円(1時間あたり) ○試験手数料:3,360円(1試料あたり) 接触式と比較して特別なスキルを必要としないため、簡単な操作方法の説明のみで、多くの方に設備使用としてご利用いただいています。 鏡面やエッジ部など対象物によっては測定が難しく、前処理が必要な場合や、レンズ交換などの段取りが必要な場合もあるため、ご利用いただく際は事前にご相談ください。
|
|
■問い合わせ先 技術振興部 システム技術室 (広島市工業技術センター内) TEL 082-242-4170(代表) |
|