広島市産業振興センターNEWS 第165号(2015.5.15)
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技術アラカルト デザインマネジメント人材育成事業(広島県緊急雇用対策基金事業)開催レポート(第2回) |
技術振興部では、中小企業のデザイン開発力の向上を積極的に支援しています。その一環として、去る2月26日に開講しました「デザインマネジメント人材育成事業」について、本事業の企業支援担当コーディネータを務めていただいている中国地方総合研究センターの江種様よりその様子を連載でレポートしていただきます。 今回は2回目の講座についてのレポートをお届けします。 |
◆ ブランディングデザイン概論とケーススタディ 西澤先生の講義は、ご自身が開発した「フォーカスRPCD®」というリサーチからプランニングまで含めた一貫性のあるデザイン開発手法を用いてブランド化に成功した事例を通じて、ブランディングデザインのポイントやノウハウを分かりやすく伝える内容でした。お客様と一緒になって作り上げた店舗や商品の写真を何枚もご紹介頂いたことで、苦労しながらも楽しんでブランドを構築していくプロセスが伝わってきました。ご自身が直接担当され、想いがたくさん詰まった案件ですので、話すうちに熱が入っていき、受講者の皆さんも引き付けられたように感じました。 西澤先生は、ブランディングとは「伝言ゲーム」であると説明されました。伝言ゲームとは、ある商品を買った人が「A社の商品は○○○がとてもいいよ」と、別の人に紹介することです。シンプルですが、この伝言ゲームが確実にできれば、ブランドはできたも同然です。紹介された人は、また別の人に「A社は○○○」の部分を伝えてくれ、それがいくつもつながっていくのです。上手くいけば、マスコミも「A社は○○○」を伝えてくれます。こうなると、自社が宣伝しなくても、第三者や媒体が効果的に宣伝してくれます。ブランドの効果は大きいですね。 私にとって、事例の中でもっとも印象に残ったのは、「COEDO」ビールです。何年も前から全日空国内線の機内で取り扱われていたのですが、当初は「小江戸(埼玉県川越市の別名)」と連想できず、「ドイツ語かな?」と思っていました。その後、埼玉県川越市の地ビールと知り、現地に立ち寄った機会に飲んでみたところ、美味しさはもちろん、格調高い街の雰囲気を取り込んだ良い商品だと感じました。単なる地ビールから高級クラフトビールへの転換を図ることで、プレミアムビールとしてのブランド地位を獲得した背景に、西澤先生のブランディングが深く関わっていることは、今回の講義ではじめて知りました。 最後に、西澤先生は著書を何冊か書かれていますが、そこには「ブランドデザインをブラックボックスにしてはいけない」という考えがあるということです。ブランドはあくまで「伝言ゲーム」ですから、どのようなコンセプトで、何を目指しているかということを的確に伝える必要がある、という意味だと理解しました。私も、今回の講義を聴いて西澤さんの著書を読んでみようと思います。
「デザインマネジメント人材育成事業」企業支援担当コーディネータ 江種浩文 |
■問い合わせ先 TEL 082-242-4170(代表) E-mail:kougi@itc.city.hiroshima.jp |
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広島市産業振興センターNEWS 第165号(2015.5.15)
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技術アラカルト デザインマネジメント人材育成事業(広島県緊急雇用対策基金事業)開催レポート(第2回) |
技術振興部では、中小企業のデザイン開発力の向上を積極的に支援しています。その一環として、去る2月26日に開講しました「デザインマネジメント人材育成事業」について、本事業の企業支援担当コーディネータを務めていただいている中国地方総合研究センターの江種様よりその様子を連載でレポートしていただきます。 今回は2回目の講座についてのレポートをお届けします。 |
◆ ブランディングデザイン概論とケーススタディ 西澤先生の講義は、ご自身が開発した「フォーカスRPCD®」というリサーチからプランニングまで含めた一貫性のあるデザイン開発手法を用いてブランド化に成功した事例を通じて、ブランディングデザインのポイントやノウハウを分かりやすく伝える内容でした。お客様と一緒になって作り上げた店舗や商品の写真を何枚もご紹介頂いたことで、苦労しながらも楽しんでブランドを構築していくプロセスが伝わってきました。ご自身が直接担当され、想いがたくさん詰まった案件ですので、話すうちに熱が入っていき、受講者の皆さんも引き付けられたように感じました。 西澤先生は、ブランディングとは「伝言ゲーム」であると説明されました。伝言ゲームとは、ある商品を買った人が「A社の商品は○○○がとてもいいよ」と、別の人に紹介することです。シンプルですが、この伝言ゲームが確実にできれば、ブランドはできたも同然です。紹介された人は、また別の人に「A社は○○○」の部分を伝えてくれ、それがいくつもつながっていくのです。上手くいけば、マスコミも「A社は○○○」を伝えてくれます。こうなると、自社が宣伝しなくても、第三者や媒体が効果的に宣伝してくれます。ブランドの効果は大きいですね。 私にとって、事例の中でもっとも印象に残ったのは、「COEDO」ビールです。何年も前から全日空国内線の機内で取り扱われていたのですが、当初は「小江戸(埼玉県川越市の別名)」と連想できず、「ドイツ語かな?」と思っていました。その後、埼玉県川越市の地ビールと知り、現地に立ち寄った機会に飲んでみたところ、美味しさはもちろん、格調高い街の雰囲気を取り込んだ良い商品だと感じました。単なる地ビールから高級クラフトビールへの転換を図ることで、プレミアムビールとしてのブランド地位を獲得した背景に、西澤先生のブランディングが深く関わっていることは、今回の講義ではじめて知りました。 最後に、西澤先生は著書を何冊か書かれていますが、そこには「ブランドデザインをブラックボックスにしてはいけない」という考えがあるということです。ブランドはあくまで「伝言ゲーム」ですから、どのようなコンセプトで、何を目指しているかということを的確に伝える必要がある、という意味だと理解しました。私も、今回の講義を聴いて西澤さんの著書を読んでみようと思います。
「デザインマネジメント人材育成事業」企業支援担当コーディネータ 江種浩文 |
■問い合わせ先 TEL 082-242-4170(代表) E-mail:kougi@itc.city.hiroshima.jp |
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