広島市産業振興センターNEWS 第170号(2015.8.17)
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技術情報の提供 (材料・加工技術室)
「「鉄」中に含まれる元素分析について」
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日常的に目にする「鉄」は多くの元素を含んでいます。
一般的に、鉄中の炭素量は、鉄の強さに大きく影響します。 炭素量が多いと、鉄は強く硬くなり、また炭素量が少ないと、柔らかい鉄となります。 また、鉄中に硫黄や酸素、窒素が不純物として多く存在する場合は、伸びや衝撃値を減少させ、割れなどの原因となります。 そのため、鉄中の炭素の濃度を調整することや不純物を取り除くことによって、必要とされる強度や硬さ、伸びなどを持つ鉄を作ることができます。 ところが炭素や硫黄、酸素、窒素の量は見た目では判断できないので、これを正確に知るためには、炭素・硫黄分析装置などで測定する必要があります。 炭素・硫黄分析装置は、鉄などの金属試料を助燃材と共に酸素雰囲気下で高温に加熱して燃焼させ、炭素(C)を二酸化炭素(CO2)と一酸化炭素(CO)に、また、同時に硫黄(S)は二酸化硫黄(SO2)に酸化し、その赤外線吸収量を測定することにより炭素、硫黄の含有量を測定することができます。 また、酸素・窒素分析装置は、黒鉛るつぼに入れた試料を、ヘリウム雰囲気中で加熱融解させ、黒鉛るつぼと反応した酸素が一酸化炭素(CO)を発生し、さらに一酸化炭素を二酸化炭素(CO2)まで酸化させたものを赤外線検出器で測定します。窒素(N)は熱伝導度検出器で測定します。 当センターでは、下図の「炭素・硫黄分析装置」、「酸素・窒素分析装置」を保有しており、企業の皆さんからの依頼で定量分析を行っています。 お気軽にご相談ください。
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炭素・硫黄分析装置 |
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酸素・窒素分析装置 |
[型式] (株)堀場製作所製 EMIA-820 [主な仕様] ・測定方法 酸素気流中燃焼-赤外線吸収法 ・測定範囲 炭素:0~6質量% 硫黄:0~1質量%
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[型式] (株)堀場製作所製 EMGA-820H [主な仕様] |
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・測定方法 |
酸素: |
不活性ガス融解-非分散型赤外線吸収法 |
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窒素: |
不活性ガス融解-熱伝導度法
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・測定範囲 |
酸素: |
0~5質量% 窒素:0~3質量%
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■問い合わせ先 技術振興部 材料・加工技術室 (広島市工業技術センター内) TEL 082-242-4170(代表) E-mail:kougi@itc.city.hiroshima.jp
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