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広島市中小企業支援センター > メールマガジン > 2015年度 > 技術支援アラカルト

広島市産業振興センターNEWS 第176号(2015.11.16)

広島市産業振興センターNEWS
技術支援アラカルト

デザインマネジメント人材育成事業(広島県緊急雇用対策基金事業)開催レポート(第8回)
~デザインを経営資源として戦略的に活用するための人材育成プログラム~


 技術振興部では、中小企業のデザイン開発力の向上を積極的に支援しています。その一環として、去る2月26日に開講しました「デザインマネジメント人材育成事業」について、本事業の企業支援担当コーディネータを務めていただいている中国地方総合研究センターの江種様よりその様子を連載でレポートしていただきます。
 今回は、3回にわたって実施しましたワークショップの最終回となる第3回目の内容についてレポートをお届けします。これで、全8回の講義は全て終了し、後は、本事業の総仕上げともいうべきフォーラム・成果発表会を残すのみとなりました。

◆第3回ワークショップ

 今回は、田子 學(たご まなぶ)先生に講師をお務め頂くワークショップの最終回(全3回)であり、2月から始まったこの人材育成研修の最終講義でもあります。研修を締めくくるにふさわしい、有意義なワークショップとなりました。

 前回から3つのグループに分かれ、各グループでテーマを設定してディスカッションを行い、プレゼンテーションに向けて提案をまとめる作業を行っていますが、いずれのグループも少し煮詰まっている印象がありました。そこで、議論のヒントになればと、田子先生が過去に手掛けられた高級食器の老舗メーカーである鳴海製陶(株)(NARUMI)の"OSORO(オソロ)"の事例をご紹介頂きました。
 高級食器の国内市場の縮小が続く中、同社も売上が右肩下がりになっており、"鳴海は何かを変えていかなくてはならない"という雰囲気が社内に広がっていたようです。そうした時期に田子先生が依頼を受け、「一つの器を見つめることから始めよう」と、創業から長年培ってきた陶磁器に関する豊富な知見やノウハウなどの資産のリフレーム(再構築)を始めました。器を使うプロセスを洗い出すと、加熱(電子レンジなど)、盛付け、取り分け、冷蔵庫での保存など、様々な場面に分割され、それぞれで異なる器を使っていることに改めて気が付きます。異なる器を使うと、洗いものが増え、洗浄水や洗剤、時間も余分に費やすことになります。冷蔵庫にプラスチック容器で保存していた料理をレンジで温めて、別の器に盛り付けるのが分かりやすい例ですね。これらのすべてを、一つの器でやってしまうのが"OSORO"のイノベーションです。

 "OSORO"の器は、見た目の美しさはもちろんのこと、縁の角度を55度に統一することで隙間なく積み上げられ、シリコンカバーによる密閉を採用することで、保存やレンジで加熱する際にラップさえも不要になりました。こうして書くと簡単ですが、これらを実現するためには様々な課題を解決しなければなりません。例えば、陶磁器は窯で焼く段階でどうしても伸縮が起きます。この伸縮の問題を解消するため、器の材料となる粘土を改良するところから始め、イノベーションを実現しました。「リフレーム」とは、まさにこうした原点への回帰なのだと思います。また、幅広い温度帯に耐えられるように設計し、レンジでも問題なく使えるようになったことで、ガスや電気の節約にも効果を挙げました。"OSORO"を用いた場合、試算によると、67%の省スペース化、61%の節水、50%の省エネ、42%の時短が可能になったということです。結果として、この"OSORO"は国内外のデザイン賞を総ナメにしました。しかも、グッドデザイン・ベスト100やドイツの「iF PRODUCT DESIGN AWARD 2013」金賞といった高レベルのデザイン賞ばかりです。

OSOROの商品例 (資料)鳴海製陶株式会社


 しかし、役員会でこの企画を発表した時には、最初は理解が十分得られなかったそうです。そうした中で、田子先生は、社内の分かり合える人と価値観を共有し、その他の人を「説得」するのではなく、「共感を得られる雰囲気づくり」を進めたことで、イノベーションを加速して、事業を成功に導きました。そのプロセスでは、2フロアーに分かれていたオフィスを1フロアーにして、中央に皆が集まるラウンドスペースを設けるなど、社内のコミュニケーションを円滑にするための改革も行われたようです。

 こうした事例からヒントを得ながら、今回のワークショップを進めました。今回は、前回の議論のエッセンスを引き継ぎながら、「雨具の改良」などのテーマに取り組みました。各グループが、45分のブレストを経てアイデアをまとめます。考えをビジュアル化するため、プロトタイプ(試作品)も作製しました。
 そのプロセスの中で、おもしろい仕掛けがありました。前回と同じメンバーでグループ討論をしていたところを、突然、グループメンバーの一人が入れ替わるという内容です。実際のビジネスでも起こり得る転職という出来事ですが、「プランナー」担当者がグループを替わりました。受講者からは「後で元に戻るのですよね?」と質問が上がり、田子先生が「戻りません!」と答えると、「エーッ!!」と大きな反響がありました。場の雰囲気を活性化させることにも有効でした。
 最後のまとめでは、デザインプレゼンテーションの重要な要素として、(1)分かりやすいコンセプト、(2)Wow!のある物語、(3)美しいビジュアルとモデル、(4)惹きつけるユーモア、(5)共感と感動、(6)熱い想いの6つを挙げて、(1)(2)がLOGIC、(3)(4)がSENSE、(5)(6)がLOVEであり、このLOGICとSENSE、LOVEのバランスの上に成り立つのがデザインであることを強調されました。誰も見たことのない、物議を醸すものでありながらも、実現可能なデザインの「イノベーション」を起こすには、この三要素は欠かせません。

 田子先生の3回のワークショップは、広い視野からの事例や経験談の紹介、ブレストからプレゼンテーションまでの実践など、広島では滅多にない貴重な機会であると感じました。事務局と受講者を代表して、先生に改めて御礼申し上げます。そして、このデザイン研修も、次回のフォーラムと成果発表会を残すのみとなりました。受講者の皆さんには、研修で学んだ成果を最大限に活かしたプレゼンテーションを期待しています。



ワークショップの演習風景(ブレスト)


ワークショップの演習風景(ブレスト)


ワークショップの演習風景(プロトタイピング)

 ワークショップの演習風景(プロトタイピング)


ワークショップの演習風景(プレゼン)

ワークショップの演習風景(プレゼン)

「デザインマネジメント人材育成事業」コーディネーター 江種浩文

■問い合わせ先
 技術振興部(広島市工業技術センター内)

 TEL 082-242-4170(代表)  E-mail:kougi@itc.city.hiroshima.jp

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 今回は、3回にわたって実施しましたワークショップの最終回となる第3回目の内容についてレポートをお届けします。これで、全8回の講義は全て終了し、後は、本事業の総仕上げともいうべきフォーラム・成果発表会を残すのみとなりました。

◆第3回ワークショップ

 今回は、田子 學(たご まなぶ)先生に講師をお務め頂くワークショップの最終回(全3回)であり、2月から始まったこの人材育成研修の最終講義でもあります。研修を締めくくるにふさわしい、有意義なワークショップとなりました。

 前回から3つのグループに分かれ、各グループでテーマを設定してディスカッションを行い、プレゼンテーションに向けて提案をまとめる作業を行っていますが、いずれのグループも少し煮詰まっている印象がありました。そこで、議論のヒントになればと、田子先生が過去に手掛けられた高級食器の老舗メーカーである鳴海製陶(株)(NARUMI)の"OSORO(オソロ)"の事例をご紹介頂きました。
 高級食器の国内市場の縮小が続く中、同社も売上が右肩下がりになっており、"鳴海は何かを変えていかなくてはならない"という雰囲気が社内に広がっていたようです。そうした時期に田子先生が依頼を受け、「一つの器を見つめることから始めよう」と、創業から長年培ってきた陶磁器に関する豊富な知見やノウハウなどの資産のリフレーム(再構築)を始めました。器を使うプロセスを洗い出すと、加熱(電子レンジなど)、盛付け、取り分け、冷蔵庫での保存など、様々な場面に分割され、それぞれで異なる器を使っていることに改めて気が付きます。異なる器を使うと、洗いものが増え、洗浄水や洗剤、時間も余分に費やすことになります。冷蔵庫にプラスチック容器で保存していた料理をレンジで温めて、別の器に盛り付けるのが分かりやすい例ですね。これらのすべてを、一つの器でやってしまうのが"OSORO"のイノベーションです。

 "OSORO"の器は、見た目の美しさはもちろんのこと、縁の角度を55度に統一することで隙間なく積み上げられ、シリコンカバーによる密閉を採用することで、保存やレンジで加熱する際にラップさえも不要になりました。こうして書くと簡単ですが、これらを実現するためには様々な課題を解決しなければなりません。例えば、陶磁器は窯で焼く段階でどうしても伸縮が起きます。この伸縮の問題を解消するため、器の材料となる粘土を改良するところから始め、イノベーションを実現しました。「リフレーム」とは、まさにこうした原点への回帰なのだと思います。また、幅広い温度帯に耐えられるように設計し、レンジでも問題なく使えるようになったことで、ガスや電気の節約にも効果を挙げました。"OSORO"を用いた場合、試算によると、67%の省スペース化、61%の節水、50%の省エネ、42%の時短が可能になったということです。結果として、この"OSORO"は国内外のデザイン賞を総ナメにしました。しかも、グッドデザイン・ベスト100やドイツの「iF PRODUCT DESIGN AWARD 2013」金賞といった高レベルのデザイン賞ばかりです。

OSOROの商品例 (資料)鳴海製陶株式会社


 しかし、役員会でこの企画を発表した時には、最初は理解が十分得られなかったそうです。そうした中で、田子先生は、社内の分かり合える人と価値観を共有し、その他の人を「説得」するのではなく、「共感を得られる雰囲気づくり」を進めたことで、イノベーションを加速して、事業を成功に導きました。そのプロセスでは、2フロアーに分かれていたオフィスを1フロアーにして、中央に皆が集まるラウンドスペースを設けるなど、社内のコミュニケーションを円滑にするための改革も行われたようです。

 こうした事例からヒントを得ながら、今回のワークショップを進めました。今回は、前回の議論のエッセンスを引き継ぎながら、「雨具の改良」などのテーマに取り組みました。各グループが、45分のブレストを経てアイデアをまとめます。考えをビジュアル化するため、プロトタイプ(試作品)も作製しました。
 そのプロセスの中で、おもしろい仕掛けがありました。前回と同じメンバーでグループ討論をしていたところを、突然、グループメンバーの一人が入れ替わるという内容です。実際のビジネスでも起こり得る転職という出来事ですが、「プランナー」担当者がグループを替わりました。受講者からは「後で元に戻るのですよね?」と質問が上がり、田子先生が「戻りません!」と答えると、「エーッ!!」と大きな反響がありました。場の雰囲気を活性化させることにも有効でした。
 最後のまとめでは、デザインプレゼンテーションの重要な要素として、(1)分かりやすいコンセプト、(2)Wow!のある物語、(3)美しいビジュアルとモデル、(4)惹きつけるユーモア、(5)共感と感動、(6)熱い想いの6つを挙げて、(1)(2)がLOGIC、(3)(4)がSENSE、(5)(6)がLOVEであり、このLOGICとSENSE、LOVEのバランスの上に成り立つのがデザインであることを強調されました。誰も見たことのない、物議を醸すものでありながらも、実現可能なデザインの「イノベーション」を起こすには、この三要素は欠かせません。

 田子先生の3回のワークショップは、広い視野からの事例や経験談の紹介、ブレストからプレゼンテーションまでの実践など、広島では滅多にない貴重な機会であると感じました。事務局と受講者を代表して、先生に改めて御礼申し上げます。そして、このデザイン研修も、次回のフォーラムと成果発表会を残すのみとなりました。受講者の皆さんには、研修で学んだ成果を最大限に活かしたプレゼンテーションを期待しています。



ワークショップの演習風景(ブレスト)


ワークショップの演習風景(ブレスト)


ワークショップの演習風景(プロトタイピング)

 ワークショップの演習風景(プロトタイピング)


ワークショップの演習風景(プレゼン)

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