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思いつくまま書いてみました(リレートーク) |
当財団の課長及び室長以上の職員によるフリートークです。季節の話題、担当業務の紹介などを行います。
日本での「コンビニ」の歴史は、1970年代の前半が始まりとされています。コンビニは、総務省の日本標準産業分類によると「主として飲食料品を中心とした各種最寄品をセルフサービス方式で小売する事業所で、店舗規模が小さく、終日または長時間営業を行う事業所」と定義されています。
一方で日本には古くから「よろず屋」と言われる業態の店が存在していました。よろず屋は、酒、たばこを柱として、飲食料品(惣菜、加工食品、菓子等)から、軽易な衣料品や文房具まで、現在のコンビニと同様な品揃えを行い、営業時間も比較的長く、地域のコミュニケーションの中心的な役割も果たしていました。
いまでは、こうしたよろず屋がほとんどコンビニに置き換わっているのが現状ですが、何故同じような機能を有する店舗が一方は急成長して、一方は衰退してしまったのでしょう。そこには細かい理由は様々ありますが、大きなものとしては「属人化」と「システム化」という2つのキーワードがあるように思います。
よろず屋は、食品問屋による商品提供・品揃えと商品知識・接客が極めて優れた特定の店員(家族など)により支えられていたものと推察できます。それは、まさに属人的、特定の個人に頼るものでした。
これに対して、コンビニはシステム化を極めた業態です。システム化とは、「誰がやっても同じ成果を出せる手法や体制を総合的に表現したもの」であり、食品問屋に替わってチェーン本部が、品揃え、接客、清掃などあらゆる業務をマニュアル化することで、素人がやっても同じ結果を出せる仕組みを構築できたことが急成長の主要因ではないでしょうか。
現在全国でコンビニは5万店以上あると言われています。今後は、コンビニ同士の競争がより激化することは容易に想像できます。その中で生き残れるのは、より消費者の心を掴むシステムと優れた立地を有する店舗ではないでしょうか。
(公財)広島市産業振興センター
中小企業支援センター所長 土佐 計