技術振興部では、企業等の技術者の技術水準の向上を図るため、様々な技術課題をテーマにした研究会やセミナーを実施しています。このコラムでは、こうした研究会等の活動状況等を報告します。
今回は福祉用具開発研究会について紹介します。
- 1事業の目的
- 高齢者、障害者の社会生活の向上を支援する福祉用具の開発に取り組むとともに、企業の新分野進出を推進することを目的としています。
- 2活動内容
- 様々な業種の企業が会員となって、福祉関連分野の新製品開発に取り組んでいます。
- 研究会は全体会議と分科会で構成されています。
- 全体会議では、会員から出された新製品のアイディアに対して市場のニーズや技術課題などを協議し、分科会の開発テーマを決定します。分科会では、決定した開発テーマに対して参加を希望する会員企業を募り、具体的な製品開発に取り組みます。
- 3最近の活動
- 最近、研究会で商品化に取り組んだ製品を紹介します。
- 図1は、卓上型のパーティションです。自閉症など発達障害のある方を対象とした商品で、学習や食事の際に卓上に設置し、不要な視覚的刺激を遮って集中を助けるものです。平成25年秋に販売を開始し、これまで個人の方をはじめ、特別支援学校、療育センターなどに販売実績があります。
- 図2は、ほうきを持つときの自助具で、平成28年3月に販売を開始しました。ほうきの柄に取り付けるもので、穴に指を差し込むことで楽にほうきを持つことができます。障害者の清掃業界への就労が増加しているなか、清掃業務の訓練ツール等としての需要も見込んでいます。
- 図3は、車いす用の空気圧インジケータです。車いすの駐車ブレーキは、タイヤの反力を利用しているため、タイヤの空気圧は安全性に大きく影響します。本製品は、一般的な英式バルブタイヤ内の空気圧を正確に評価し、圧力が下がるとインジケータの色が変化して利用者に警告するというものです。平成28年度は補助金を活用して量産化のための改良に取り組み、事業化を目指しています。
図1 卓上型パーティション
いつでもパーティション「あんしんくん」
http://www.anshinkun.com/
■問い合わせ先
技術振興部 システム技術室(広島市工業技術センター内)
TEL 082-242-4170(代表) E-mail kougi@itc.city.hiroshima.jp