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技術情報の提供

広島市産業振興センターNEWS

技術情報の提供(材料・加工技術室)

「新設機器の紹介-イオンミリング装置」


 技術振興部(広島市工業技術センター内)では、広島市の中小企業の新製品開発を支援するため、各種機器の整備を行っています。今回は、平成27年度に広島市が整備したイオンミリング装置について、ご紹介いたします。

    • [機器名]イオンミリング装置

    • [型式]EM TIC 3X(ライカマイクロシステムズ株式会社製)
      イオンミリング装置
      イオンミリング装置
    • [用途] 従来の、顕微鏡や電子顕微鏡による観察試料、もしくは硬さ試験用の断面試料を削る加工方法としては、研磨紙や研磨材を用いる方法が挙げられ、これは機械研磨法と呼ばれます。この場合、試料と研磨材等の間には物理的な接触が有り、また、力を加えて動かすことで試料を削っていきますので、試料の最表面では変形が生じるため、元々あった穴がつぶれてしまったり、逆に脆い材料などでは、割れが生じたりすることがありました。
       イオンミリング装置では、アルゴンイオンビームを試料に照射して、試料表面の原子、分子を弾き飛ばして、試料を削ります。この方法では、試料に物理的な力を加えることがないため、元々の試料の形状を維持した非常に清浄な試験面を作製することができます。実用例として、以下のようなものがあります。
       図1は、銅板に施したすずメッキの断面の観察結果です。従来の機械研磨法では、メッキ自体が脆いこともあり、研磨による割れや剥離が生じ、メッキ層を観察することができませんでした。しかし、イオンミリング装置で試料を作製することで、観察が可能になり、メッキと素材の間には微細な穴(ボイドが)多数存在していることが分かりました。

    • 図1 すずメッキ断面の電子顕微鏡観察結果
       図1 すずメッキ断面の電子顕微鏡観察結果

  •  図2は、鍛造品に発生したクラックを断面観察した例になります。左側の写真は機械研磨で、また、右側の写真はイオンミリング装置で作製した試料の観察結果になります。このように、機械研磨法で作製した試料では見えにくかったクラックが、イオンミリングを行うことによってはっきりと見えるようになり、内部まで割れが進行していたことを確認することができました。

    機械研磨によって作製した試料

    イオンミリングした試料

    機械研磨によって作製した試料

    イオンミリングした試料

    図2 クラックが発生した鍛造品の断面観察結果



  • 【試験手数料】
    試験用試料の作成 1件につき4,980円

    【設備使用料】
    1時間につき、1,930円 ~3,080円(使用条件により異なりますので、お問い合わせください)


■問い合わせ先 技術振興部 材料・加工技術室(広島市工業技術センター内)

  TEL 082-242-4170(代表)  E-mail kougi@itc.city.hiroshima.jp

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