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思いつくまま書いてみました(リレートーク) |
当財団の課長及び室長以上の職員によるフリートークです。季節の話題、担当業務の紹介などを行います。
囲碁の世界でAlphaGoがイ・セドル棋士に勝利してから、AI(Artificial Intelligence)や人工知能というキーワードがよく耳目に触れるようになりました。今回は3回目のブームだそうですが、私も20年以上前のブームの時、ニューラルネットワークを用いた刻印文字の画像認識に取り組んだことがあります。当時は、まだまだ実用レベルの応用例は少なかったようですが千葉県にある製鉄所では連続鋳造したスラブにマーキングした管理番号(英数字)をニューラルネットワークで認識させる技術を実用化されており、見学させていただいたことを思い出します。
今回のAIブームの鍵となったのはニューラルネットワークにおけるディープラーニング(深層学習法)によるものだそうです。ディープラーニングでは学習するために大量のデータが必要ですが、インターネットの普及によりビッグデータの収集、利用が容易になったことに加え、CPU性能などそれらを処理する計算機環境が大きく進化したことが成果をあげている要因です。その実用例の一つに音声認識があります。WindowsのCortana、AppleのSiri、Googleの音声検索機能など実際に使われた方はその能力に驚かれたのではないでしょうか。その他にも外貨預金を扱う銀行が為替レート予測をAIで行い、期待上昇確率をスマホで提供するとか、自動運転の研究に使われたりしていますが、他にも様々な分野での研究開発が世界中で行われていることでしょう。
現在、実用化されているのは特化型人工知能とも呼ばれていますが特定の領域でのみ使えるものです。今後、人間に近づくためには多様で複雑な問題を自律して解く汎用人工知能である必要がありますが、そのための研究課題は山積のようです。しかし、Googleをはじめ、それを目指して研究開発に取り組んでいる企業、大学等も少なからずあると思われますので、いつの日か突然、実用化されたものが世の中に現れ、私たちを驚かせるかもしれません。
システム技術室では2月23日に、ディープラーニングに関する講習会を開催します。第1部ではディープラーニングの基礎を座学で解説し、第2部ではパソコンで実際に体験していただく内容になっています。詳細は当センターのサイトに掲載してありますのでご覧ください。皆様のお越しをお待ちしています。
(公財)広島市産業振興センター 技術振興部 システム技術室長 尾崎 清