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広島市産業振興センターNEWS

技術情報の提供(材料技術室)

「ものづくりのための成分分析」


 

 日本の製造業において、高いものづくり技術を支える品質管理は大変重要な要素です。しかし、昨今の大手メーカーの品質管理に関わる不正が問題となり、企業の信頼が揺らいでいる現状から、品質管理がますます厳格となる様相を呈しています。このような社会的情勢から、製品納入の際に材料成分の提示を求められたり、ミルシート(鋼材の材質を証明する添付書類のこと)は添付されているが改めて成分の分析をしてほしいなどの声をしばしば耳にするようになっており、当センターでも材料や部品の成分分析の依頼件数が増加傾向にあります。

 

 成分分析と一言で言っても、材料の種類や分析したい元素によりJISで規格されたものをはじめ、多様な分析方法があります。今回は、無機材料における2つの方法(比較表は以下に示す)を説明します。このうち、簡易な元素分析方法として、製品を破壊せず短時間で分析することのできる蛍光X線分析法があります。また、精度の高い元素分析方法としては、固体の試料を溶解した後測定する、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法があります。

 
 最近話題の「サイレントチェンジ」と呼ばれる事象(部品の素材等の仕様が許可なく変更され、納品されてしまう事象)を予防するため、海外のサプライヤーからの納品物の定期的なモニタリング検査をする場合には、装置内に入る製品であれば非破壊でそのまま分析することが可能な、蛍光X線分析法が有用です。他にも、製品がひどく錆びるといった相談を受けた際、蛍光X線分析法で成分分析を行ったところ、指定された規格のステンレスではなく一般鋼であった事例は、短時間で解決に至りました。

 

 また、製品納入時やロット変更時の確認、トラブル発生時などでミルシートに記載の数値と同程度の精度が求められる場合や、さらに高精度な成分分析が必要となる場合には、ICP発光分光分析法で分析します。
  

 厳格な品質管理のために分析精度が求められる現状で、我々公設試験研究機関は、分析精度と技術力の向上のため、産業技術連携推進会議の知的基盤部会分析分科会において分析技術共同研究に取り組んでいます。当センターも毎年参加し、信頼性のある分析値を提供できるよう努めています。

 
 成分分析について、今回紹介した方法以外にも対応可能な場合もありますので、材料の成分でお困りの際はお気軽に御相談ください。
 
表 成分分析方法の比較

方法
蛍光X線分析法
誘導結合プラズマ発光分光分析法
(ICP発光分光分析法)
装置
EDX-720
株式会社島津製作所
EDX-720 株式会社島津製作所
ICPS-7500
株式会社島津製作所
ICPS-7500 株式会社島津製作所
仕様
エネルギー分散型 シーケンシャル型
原理
 X線管から放射された一次X線を試料に照射し、励起・放出された特性X線(蛍光X線)を検出器で計数し、元素ごとに異なるエネルギーの違いを処理し、分析する。  高周波誘導結合法により得られたアルゴンプラズマ中に液体試料を噴霧し、高温の熱エネルギーによって励起された原子が基底状態に戻る際に発光する原子発光スペクトルの波長及び強度を測定し、分析する。
利点
・試料非破壊で簡便に分析可能 ・多様な分析に対応可能
注意点
・FP法による半定量分析(絶対値ではない)
・測定範囲がナトリウム~ウランまで
・試料表面の分析となる
・前処理が煩雑なため時間を要する
試験
手数料
1試料につき
 3,300円
1成分につき
 2,820円(鉄鋼材料)
 3,010円(非鉄金属材料)
 3,240円(特殊材料)

 

■問い合わせ先

  工業技術センター 材料技術室

  TEL 082-242-4170(代表)  E-mail kougi@itc.city.hiroshima.jp

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技術情報の提供(材料技術室)

「ものづくりのための成分分析」


 

 日本の製造業において、高いものづくり技術を支える品質管理は大変重要な要素です。しかし、昨今の大手メーカーの品質管理に関わる不正が問題となり、企業の信頼が揺らいでいる現状から、品質管理がますます厳格となる様相を呈しています。このような社会的情勢から、製品納入の際に材料成分の提示を求められたり、ミルシート(鋼材の材質を証明する添付書類のこと)は添付されているが改めて成分の分析をしてほしいなどの声をしばしば耳にするようになっており、当センターでも材料や部品の成分分析の依頼件数が増加傾向にあります。

 

 成分分析と一言で言っても、材料の種類や分析したい元素によりJISで規格されたものをはじめ、多様な分析方法があります。今回は、無機材料における2つの方法(比較表は以下に示す)を説明します。このうち、簡易な元素分析方法として、製品を破壊せず短時間で分析することのできる蛍光X線分析法があります。また、精度の高い元素分析方法としては、固体の試料を溶解した後測定する、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法があります。

 
 最近話題の「サイレントチェンジ」と呼ばれる事象(部品の素材等の仕様が許可なく変更され、納品されてしまう事象)を予防するため、海外のサプライヤーからの納品物の定期的なモニタリング検査をする場合には、装置内に入る製品であれば非破壊でそのまま分析することが可能な、蛍光X線分析法が有用です。他にも、製品がひどく錆びるといった相談を受けた際、蛍光X線分析法で成分分析を行ったところ、指定された規格のステンレスではなく一般鋼であった事例は、短時間で解決に至りました。

 

 また、製品納入時やロット変更時の確認、トラブル発生時などでミルシートに記載の数値と同程度の精度が求められる場合や、さらに高精度な成分分析が必要となる場合には、ICP発光分光分析法で分析します。
  

 厳格な品質管理のために分析精度が求められる現状で、我々公設試験研究機関は、分析精度と技術力の向上のため、産業技術連携推進会議の知的基盤部会分析分科会において分析技術共同研究に取り組んでいます。当センターも毎年参加し、信頼性のある分析値を提供できるよう努めています。

 
 成分分析について、今回紹介した方法以外にも対応可能な場合もありますので、材料の成分でお困りの際はお気軽に御相談ください。
 
表 成分分析方法の比較

方法
蛍光X線分析法
誘導結合プラズマ発光分光分析法
(ICP発光分光分析法)
装置
EDX-720
株式会社島津製作所
EDX-720 株式会社島津製作所
ICPS-7500
株式会社島津製作所
ICPS-7500 株式会社島津製作所
仕様
エネルギー分散型 シーケンシャル型
原理
 X線管から放射された一次X線を試料に照射し、励起・放出された特性X線(蛍光X線)を検出器で計数し、元素ごとに異なるエネルギーの違いを処理し、分析する。  高周波誘導結合法により得られたアルゴンプラズマ中に液体試料を噴霧し、高温の熱エネルギーによって励起された原子が基底状態に戻る際に発光する原子発光スペクトルの波長及び強度を測定し、分析する。
利点
・試料非破壊で簡便に分析可能 ・多様な分析に対応可能
注意点
・FP法による半定量分析(絶対値ではない)
・測定範囲がナトリウム~ウランまで
・試料表面の分析となる
・前処理が煩雑なため時間を要する
試験
手数料
1試料につき
 3,300円
1成分につき
 2,820円(鉄鋼材料)
 3,010円(非鉄金属材料)
 3,240円(特殊材料)

 

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  TEL 082-242-4170(代表)  E-mail kougi@itc.city.hiroshima.jp

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