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中央図書館からのおすすめ本(131)

広島市産業振興センターNEWS

中央図書館からのおすすめ本(131

『月を見てパンを焼く 丹波の山奥に5年先まで予約の取れないパン屋が生まれた理由』

 毎月、中央図書館が推薦するビジネス支援情報の図書をご紹介しています。
 なお、これまでに紹介した本については、当財団のホームページに「中央図書館からのおすすめビジネス図書」として公開しておりますので、いつでも見ることができます。


『月を見てパンを焼く 丹波の山奥に5年先まで予約の取れないパン屋が生まれた理由』

塚本 久美/著

カンゼン 2018年

 

月を見てパンを焼く 書影

雲海の美しさで知られる、兵庫県丹波市氷上町。ここに通信販売専門の"旅する"パン屋「ヒヨリブロート」の厨房があります。
このパン屋を一人で経営する塚本久美さんは、大学卒業後、一般企業に勤めていましたが、パン職人の道を目指し退職、東京都世田谷区の「シニフィアン シニフィエ」で7年間修業生活を送ります。様々な人との出会いから、それまで縁もゆかりもなかった丹波市にひきよせられ、店舗を持たないパン屋をオープンさせます。

 

「ヒヨリブロート」の大きな特徴のひとつに、月の満ち欠けによってパンづくりのスケジュールを決めるというものがあります。パン作りを学んだドイツで出合ったもので、ドイツには月齢で農作物を育てる方法があり、パンづくりにおいても発酵の速度の変化などの影響があるとのこと。
月齢に合わせて20日間パンを焼き、10日間はパン作りを休み、食材の生産者を巡ることができるこのスタイルは、ユニークであるとともに、パン職人として働きながらも、食材探しの旅にも出かけたいという願いも叶えるものでした。

 

こだわりを持ちつつ、会社員時代の経験をいかし、ビジネスとして成立させるために、塚本さんはコスト意識も大切にしており、コストに対する利益率を考え、ふさわしい価格で売るために工夫を重ねています。また、パンを作らない時期には、パンを直接販売するイベントや異業種とのコラボも行っています。
26歳でパン職人として遅いスタートを切り、遠回りをしたのではと悔やんだこともあったそうですが、今は何一つ無駄ではなかったと実感しています。

 

この本には、「ヒヨリブロート」で大切にしているパンづくりの考え方、食材の生産者とのつながり、働くという意味など、パン職人・塚田久美さんの働き方、生き方がつまっています。
同じパン職人の伴侶とも出会い、「パン職人夫婦」としての新しい試みも始めているとのこと、これからの「ヒヨリブロート」がますます楽しみです。

 

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