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広島市中小企業支援センター > メールマガジン > 2020年度 > (104)中小企業が行う失敗しない「働き方改革」(第1回)

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経営者のお役立ち情報「メルマガ誌上セミナー」(104

中小企業が行う失敗しない「働き方改革」(第1回)


 中小企業の経営者が抱える経営課題について、専門家の方にわかりやすく解説していただいています。

 なお、このセミナーのバックナンバーは「Webセミナー」で公開しています。

上田 義博 氏

働き方改革関連法のポイント

 

 

うえだ社労士・行政書士事務所 代表

上田 義博(うえだ よしひろ)

 

 世間では、コロナウィルス感染症の影響により経済活動もままならず、多くの事業主の方々が苦しまれているこの時期に「働き方改革関連法」のポイント??と考える方も多くいるかと思いますが、非常に重要な法改正であり、放置すれば経営にとっての大きなリスクになりかねない改正ですので、できるだけ判り易くシンプルにご説明します。

 

 「働き方改革関連法」とは労働基準法・労働安全衛生法など8種の法律の改正を行うための法律の通称です。8種の改正がある中、①「時間外労働の上限規制の導入(労働基準法)」②「年次有給休暇の確実な取得(労働基準法)③「同一労働・同一賃金の導入」について、日々の業務を通じて事業主等の方々の関心が高くご質問が多いと私が感じている改正事項です。(ちなみに①と②には罰則規定が有り、③には訴訟リスクがあります。)

 

 まずは「時間外労働の上限規制の導入」です。大企業は昨年4月より適用されていましたが、中小企業も本年4月1日より適用対象になりました。(一部適用猶予業種、適用除外業務などがあります。)

 この改正の要旨は、時間外労働(休日労働は含まず。)の上限が原則として月45時間・年360時間となり、いわゆる36協定の特別条項を結ばない限りこれを超えることは出来ません。特別条項を締結しても①時間外労働は年720時間以内。②時間外労働+休日労働は月80時間未満。③月45時間を超えることが出来るのは年6回まで。④年6回の45時間を超えた月の2~6ヶ月の平均が月80時間以内であることとなります。

 イメージは下図の通りです。

 

20200515-1-1.jpg

   出典:厚生労働省ホームページ「時間外労働の上限規制わかりやすい解説 4頁」より抜粋

https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf

 

 なお、法違反は「法定労働時間」の超過を問われます。よく、自社の「所定内労働時間」と勘違いされている方がいますのでご注意下さい。

 

 続いて「年次有給休暇の確実な取得」です。この件につきましては、何が何でも、使用者側が年5日の有給休暇の時季指定をしなければならないと誤解されている方が多いようです。しかし、10日以上の有給休暇を付与された方が、付与された日から1年間に結果的に5日以上の有給休暇を消化されていれば合法ですのでこの点をご理解下さい。ただし、一名でも5日以下の方がいれば違法状態となりますので、有給休暇管理簿による各従業員の有給休暇の管理は必須です。

 最後に「同一労働・同一賃金の導入」についてです。これは非正規労働者(パートタイマー・有期雇用労働者・派遣労働者)といわゆる正社員との間の不合理な待遇差の解消をめざすための法改正で、新労働者派遣法は本年4月1日から大企業、中小企業を問わず適用になります。パートタイム・労働法は大企業が本年4月1日、中小企業が令和3年4月1日からの適用になります。

 

 ここでの大きなポイントは「均等待遇」と「均衡待遇」という二つの概念です。何が何やらという感じもしますが、均等待遇とは全く同様な扱いをしなければならない賃金、例えば通勤手当等が該当します。均衡待遇とはごく簡略に言えば、正規社員と非正規社員との間の待遇差を職務の内容等で説明できるようにしなければならないということです。逆に言えば論理的かつ合理的に説明が出来れば待遇に差があっても可ということになります。なお、均等・均衡であるかの目安は厚労省のガイドラインがあり行政指導もなされますけれども、最終的な判断は司法に委ねられます。

 

 

■<講師プロフィール>

 

うえだ社労士・行政書士事務所 代表

上田 義博(うえだ よしひろ)

 

大手製造業を退職後、2016年に行政書士登録。うえだ社労士・行政書士事務所を開業。

広島市中小企業支援センターの登録専門家及び窓口相談員をはじめ、広島働き方改革推進支援センターアドバイザーなどを務めている。

大手製造業で培った経験を活かした、機械工業、金属加工業、建設業などの労務管理全般から、外国人雇用管理全般(特に建設業、機械工業に関する雇用、入国手続きから労務管理まで)を得意としている。

 

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 中小企業の経営者が抱える経営課題について、専門家の方にわかりやすく解説していただいています。

 なお、このセミナーのバックナンバーは「Webセミナー」で公開しています。

上田 義博 氏

働き方改革関連法のポイント

 

 

うえだ社労士・行政書士事務所 代表

上田 義博(うえだ よしひろ)

 

 世間では、コロナウィルス感染症の影響により経済活動もままならず、多くの事業主の方々が苦しまれているこの時期に「働き方改革関連法」のポイント??と考える方も多くいるかと思いますが、非常に重要な法改正であり、放置すれば経営にとっての大きなリスクになりかねない改正ですので、できるだけ判り易くシンプルにご説明します。

 

 「働き方改革関連法」とは労働基準法・労働安全衛生法など8種の法律の改正を行うための法律の通称です。8種の改正がある中、①「時間外労働の上限規制の導入(労働基準法)」②「年次有給休暇の確実な取得(労働基準法)③「同一労働・同一賃金の導入」について、日々の業務を通じて事業主等の方々の関心が高くご質問が多いと私が感じている改正事項です。(ちなみに①と②には罰則規定が有り、③には訴訟リスクがあります。)

 

 まずは「時間外労働の上限規制の導入」です。大企業は昨年4月より適用されていましたが、中小企業も本年4月1日より適用対象になりました。(一部適用猶予業種、適用除外業務などがあります。)

 この改正の要旨は、時間外労働(休日労働は含まず。)の上限が原則として月45時間・年360時間となり、いわゆる36協定の特別条項を結ばない限りこれを超えることは出来ません。特別条項を締結しても①時間外労働は年720時間以内。②時間外労働+休日労働は月80時間未満。③月45時間を超えることが出来るのは年6回まで。④年6回の45時間を超えた月の2~6ヶ月の平均が月80時間以内であることとなります。

 イメージは下図の通りです。

 

20200515-1-1.jpg

   出典:厚生労働省ホームページ「時間外労働の上限規制わかりやすい解説 4頁」より抜粋

https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf

 

 なお、法違反は「法定労働時間」の超過を問われます。よく、自社の「所定内労働時間」と勘違いされている方がいますのでご注意下さい。

 

 続いて「年次有給休暇の確実な取得」です。この件につきましては、何が何でも、使用者側が年5日の有給休暇の時季指定をしなければならないと誤解されている方が多いようです。しかし、10日以上の有給休暇を付与された方が、付与された日から1年間に結果的に5日以上の有給休暇を消化されていれば合法ですのでこの点をご理解下さい。ただし、一名でも5日以下の方がいれば違法状態となりますので、有給休暇管理簿による各従業員の有給休暇の管理は必須です。

 最後に「同一労働・同一賃金の導入」についてです。これは非正規労働者(パートタイマー・有期雇用労働者・派遣労働者)といわゆる正社員との間の不合理な待遇差の解消をめざすための法改正で、新労働者派遣法は本年4月1日から大企業、中小企業を問わず適用になります。パートタイム・労働法は大企業が本年4月1日、中小企業が令和3年4月1日からの適用になります。

 

 ここでの大きなポイントは「均等待遇」と「均衡待遇」という二つの概念です。何が何やらという感じもしますが、均等待遇とは全く同様な扱いをしなければならない賃金、例えば通勤手当等が該当します。均衡待遇とはごく簡略に言えば、正規社員と非正規社員との間の待遇差を職務の内容等で説明できるようにしなければならないということです。逆に言えば論理的かつ合理的に説明が出来れば待遇に差があっても可ということになります。なお、均等・均衡であるかの目安は厚労省のガイドラインがあり行政指導もなされますけれども、最終的な判断は司法に委ねられます。

 

 

■<講師プロフィール>

 

うえだ社労士・行政書士事務所 代表

上田 義博(うえだ よしひろ)

 

大手製造業を退職後、2016年に行政書士登録。うえだ社労士・行政書士事務所を開業。

広島市中小企業支援センターの登録専門家及び窓口相談員をはじめ、広島働き方改革推進支援センターアドバイザーなどを務めている。

大手製造業で培った経験を活かした、機械工業、金属加工業、建設業などの労務管理全般から、外国人雇用管理全般(特に建設業、機械工業に関する雇用、入国手続きから労務管理まで)を得意としている。

 

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