お電話でお問い合わせ
082-278-8032
メールでお問い合わせ
第26号 臨時増刊号 平成20年(2008年)3月31日(月)発行 広島の企業の皆様に役立つ情報をいち早くお届けします! こちらのページから登録できますので、ぜひお知り合いの方にご紹介ください。 |
||||||||||||
このメールマガジンは、当財団のセミナー・研修会や事業を利用された方、関係者や配信を希望された方へ、当財団が実施する事業のご案内を目的にお送りさせていただいております。 今回は読者の方により有益な情報をお届けするため、専門家による執筆記事を中心とした臨時増刊号をお届けいたします(通常号:毎月15日頃発行予定 臨時増刊号:6・9・12・3月末頃発行予定)。 ※メールマガジンの配信がご不要な方は、お手数をおかけしますが、こちらから登録解除をお願いします。 |
||||||||||||
今月号の目次 | ||||||||||||
■「売れない時代の「販売」とは」(4) 経営考房 山根 敏宏 さん (逆風が吹く厳しい時代の販売を様々な角度から考察します) ■「売上げに直結するWebツールの活用方法」 (4) (最新Web2.0をビジネスに活用する方法を解説します) ■がんばる商店街 (3) 中区 「並木通り商店街」 (知恵を出し合い行動をおこして多様な振興策を展開している商店街を紹介します) ■創業の現場から (4) 財団法人 ひろしまベンチャー育成基金 (創業の現場で今何が起こっているのか? インキュベーション施設・支援団体の担当者が語ります) ■マネージャーが行く! 広島の企業 「企業と支援機関の連携プレー」 (業績を伸ばす企業の秘訣や業界のトレンドを専門的視点で分析します) ■中小企業のための産学連携 (中小企業との連携に積極的な地元広島の大学等をご紹介します) ■広島市産業振興センターからのお知らせ(研修会・各種事業のご案内) ・オススメ 建築・原油高関連中小企業への支援を実施します! ・オススメ 経営革新パックをご利用してみませんか? ・NEW 4月の窓口相談のご案内 ・オススメ 毎月第2土曜日 ビジネス相談会の開催 ・その他各種支援事業のご案内 ■その他のお知らせ(他の団体・機関の主催事業) ・オススメ 知的財産権入門講座・特許基礎講座を開催します! ■広島市産業振興センター関連サイト ■次号のお知らせ |
||||||||||||
|
||||||||||||
少子高齢化社会の急激な到来、産業の空洞化、需要の多様化など事業の推進には厳しい環境が続くことが予想されます。このような逆風下の事業環境の中、どんな時代でも経営の基本となる「販売」について4回シリーズで様々な角度から考察していきます。
山根 敏宏さん 売れない時代にも売れている商品がある。私は「新潮日本語漢字辞典」という一冊の本を半年前に注文して、昨日ようやく手に入れることができた。これまでの漢和辞典が古代中国の漢文を読むためのものだったのに対し、日本語の文章を読み書きするために作られた初めての辞典とされ、帯紙には"「事件」になった辞書。各種メディア、こぞって絶賛"と書かれ、クチコミ情報では"日本で数少ない高齢の紙職人の手による"とも囁かれている。私はこの本は売れる商品というよりも、買いたいことに気付かされた商品と考える。 この辞書で「販売」をひいてみると、「もと安く買って高く売ること」の意味とあった。長期のデフレ経済から脱却し切れないまま、昨今のコストプッシュ要因から値上げをしたくても簡単には通りづらい世の中、それが出来れば苦労しないとのご批判もあろう。しかしながら、敢えてこれが真理と認識いただきたい。 日経流通新聞が毎年発表するヒット商品番付の昨年のキーワードはPRICE(注)であった。顧客に買いたい気付きを与え、高いプライスで売れるヒット商品が生み出されているという面もこの時代の事実である。 【小が大に打ち勝つ逸品商品で差別化】 小売市場での郊外型大型店優位の趨勢は歯止めがきかない状況にあり、今年に入って、広島市内でも2月にイズミ(皆実)、9月にイオン(祇園)の巨艦店が新設オープンする。前回までに人口減少、高齢化、多様化という環境変化のなかで中小店の生き残る秘訣として、自店のコンセプトの明確化、生活者ニーズへの密着による超差別化した販売を志向すべきことを提言してきた。この最終回では差別化商品としての一店逸品の必要性について付言しておきたい。 上述のヒット商品は言うまでもなく日本全国のトレンドである。これらを真似て仕入れて販売するという行動も否定はしないが、私が言いたいのは個店の自助努力としてのマーチャンダイジング革新行動である。 これからの時代のキーワードを拾い出してみると、総合より専門、全国より地域、量より質、効率よりゆとりなど、大型店より中小店が有利な状況が到来していることに気付く。なぜなら、大型店は大量均質なニーズへの対応を得意とし、今日のような多品種少量時代における個性的ニーズをカバーし切れないのである。ヒット商品で指摘した逆転の発想を援用するなら、中小店がその店独自のこだわりや個性、専門性を象徴するような秀逸な商品・サービスである逸品を継続的に打ち出すことが出来れば、小が大を制することも夢ではないのである。 【多彩な繁盛店が闊歩する時代の到来】 最後に、商品面以外で大型店と比べ中小店が優れている点を整理しておくと、先ずは、身軽で小回りが利く、創意工夫が活かされるといった柔軟性が指摘できる。次に、顧客との会話や対話、誠意のあるきめ細かい対応など人間関係性も強みと言える。ランチェスター経営で言う劣勢企業の戦略では、時には陽動作戦も駆使しながら接近戦や一騎打ち戦で一点集中型の商売スタイルにより競争を有利に進めることができるとある。中小店が逸品を武器に、柔軟性と人間関係性を前面に押し出した商売を展開していけば、大型店競争の間隙をぬって高い顧客満足を得る中小繁盛店が闊歩するような面白い百花繚乱の時代が到来するのではなかろうか。 (注)PRICE:P(プレミアム)ちょっと高め、R(リバイバル)復活もの、I(アイデア)逆転の発想、C(コンビニエント)もっと快適、E(エコロジー)環境意識。 ■筆者紹介 地元広島の金融機関系シンクタンク勤務の後、中小企業診断士として独立開業し、PAPICON山根経営を設立(現:経営考房)。現在、当支援センター登録専門家をはじめ、(独)中小企業基盤整備機構アドバイザー、広島県中小企業・ベンチャー総合支援センターの専門アドバイザーなど多方面で活躍中。 |
||||||||||||
|
||||||||||||
目覚しく進歩するIT技術。Web2.0と総称される新しいWebツールが次々と開発され、これをいち早くビジネスに取り入れて大きく業績を伸ばしている企業も多数あります。最新Webツールをビジネスに活用する方法を4回シリーズで解説します。
竹内 幸次さん 「ブログ(blog)」とはウェブ(web)とログ(log)とを合わせた造語です。webは「インターネット」、ログは「記録」のことです。つまり、「インターネット上の記録」のことです。 【増加するCGM】 ブログを作る人や企業は毎年増えており、2007年時点で日本人の20%がブログを書いています。まさに国民的なメディアになりました。ブログやその発展型であるSNS(Social Networking Service)等は一般にCGM(Consumer Generated Media)、つまり消費者参加型メディアと呼ばれます。 【ブログの魅力は中小企業でも簡単に作れること】 大企業のようにITを生かした経営は中小企業では難しいものです。最大のネックは人です。パソコンを操作する人の余裕はなく、また、使いこなせる人材も少ないものです。でも、ブログなら、ホームページ作成ソフトも不要です。ブログを毎日書き続ける中小企業が増えている理由は、この"簡単さ"にあります。 【ホームページとブログの違い】 数年前にホームページを外注先に作ってもらったけど、更新もせずにホッタラカシという中小企業も多いものです。ホームページとブログを比べると、「ページ更新のしやすさ」でブログは勝っていますし、書いた情報がすぐにYahoo等のブログ検索の対象になるというメリットがあるのです。さらにコメントやトラックバックというブログ特有の機能を上手く使えば他のブログを運営する企業とも交流することが可能になります。 【ブログで新規顧客との接点を生みだす】 "検索されやすい"ということは、ブログは新規顧客との接点を作り出してくれるということになります。例えば広島市の竹内パン屋の場合、「広島 パン屋」等と検索するとブログが検索されることになります。このように新規の顧客との接点を作り出すことは、中小企業にはとても重要なことです。 未知の新規顧客を得るという観点でビジネスブログを書く場合は以下の観点チェックするようにしましょう。 【ブログ執筆チェックリスト】 (1)ニュース的な記事の場合、6W2Hが明確か? いつ、どこで、誰が、誰に、何を、何故、いくらで、どのように (2)SEO的な記事タイトルになっているか? ・業界キーワード ・地域キーワード ・特徴キーワード (3)3~4行につき1行の空行があるか? (4)写真とキャプションがあるか (5)誤字・脱字がないか/MSワードの文字校正をしたか (6)"日記"ではなく、文章の主旨が"顧客へのメッセージ"や"自社のアピール"になっているか (7)前向きな、信頼感ある雰囲気があるか (8)トラックバック先を考慮したか (9)最新コメントにレス(返信)したか 【中小企業のブログ活用事例】 アイデアを凝らしてブログネタを枯渇させない事例があります。 ・漢方薬局が実店舗前の黒板メッセージをブログに写真掲載する例 http://blog.goo.ne.jp/0448111871 ・自店以外の飲食店も紹介した中華料理店の例 http://blog.goo.ne.jp/syoryuweb 【ブログの始め方】 ブログをはじめるには、まずはgooとかYahooとかの無料のブログサービスを活用するとよいでしょう。 ・gooブログ http://blog.goo.ne.jp/ ・Yahooブログ http://blogs.yahoo.co.jp/ 私、竹内も毎朝ブログを書いています。中小企業の皆さん、ぜひ、簡単で効果が高いブログを作って、経営を伸ばしていきましょう。 ■筆者紹介 具体的で現実的な経営コンサルティングを得意とし、情報通信インフラや顧客コミュニケーションを革新することで企業に新しいマネジメントを提供しています。ビジネスプラン、第二創業、経営革新、IT利活用、Web・ブログ活用、SEO(検索エンジン最適化)、街づくり、マーケティング戦略、デザイン戦略等をテーマとする講演に定評があります。 |
||||||||||||
|
||||||||||||
郊外へのSCの進出や消費の多様化などで商店街の苦戦が伝えられている中、知恵を出し合い行動をおこして多様な振興策を展開している商店街があります。ここでは、そうした広島市内のがんばる商店街を紹介します。
今回は、広島を代表する商店街の一つとして、その地位を不動のものとされている並木通り商店街をご紹介します。振興組合の副理事長 梶村 美知子さんに、その歴史と活動内容を語っていただきました。 梶村 美智子 さん もともと並木通りは、旅館や割烹、問屋等の合間に僅かばかりの小売店があるほかは一般住宅がある寒々とした裏通りに過ぎませんでした。「何とかしなければ街は滅びてしまう」という危機感から、昭和51年に通りにあった旅館や歯科医、商店主が集まり、本通りや金座街に接しているという恵まれた立地を活かして客の流れを呼び込むため「自然と人間優先、若者に愛される街づくり」を進めていくことを申し合わせました。これが並木通り商店街の始まりです。 以後、通りの掃除から始まり、「一店・一テーマ」を基本とした特色あるモデル的店舗の誘致・業種変更など地道な努力を繰り返し、だんだんと並木通りらしさを創っていきました。そうしているうちに行政側から声がかかり、電線の地中化などの道路整備事業を受けることができました。 【人が住んでいる商店街】 当初からの方針として人が住んでいる商店街を目指しました。建物の建替え時には1~3階部分を店舗とし、その上階部分を住居とするよう説得しました。人が住んでいるからこそ、自分たちの街として環境について真剣になれます。暴走族や自転車の駐輪問題などに対して住民全体でいち早く対応できたのも、そこに人が住んでいたからだと思います。 【合言葉は「シャンゼリゼ通り」】 いつの頃からか、当初集まったメンバーは未だ誰も実際に行ってみたこともない「シャンゼリゼ通りのような商店街にしよう」と言っていました。共通点は広島でもまだ珍しかった道路に植栽された並木だけでしたから、他の人が聴いたら荒唐無稽な夢だと笑われたことでしょうが私達は本気でした。そして今、広すぎる道路を持つシャンゼリゼ通りより、素敵な街になったのではないかと思っています。 【加盟店の減少】 店舗の数そのものは変わっていませんが、組合の加盟店は減少傾向が続いています。新規開業される若い店舗経営者の多くは、今の並木通りの環境と高い知名度を当然のことのように思われているようです。そのため、こうした環境がこれまでの長い組合活動の成果であり、これを維持・発展させていくためには、今後とも組合活動が必要不可欠であることをご理解いただけるよう粘り強く説明を行い、組合への加入促進を図りたいと考えています。 【課題は後継者づくり】 郊外のみならず旧市内へのSC進出や若者人口の急速な減少など、商店街を取り巻く環境は厳しさを増していますが、私達は他の商業施設や商店街の動向をあまり気にしていません。これまでどおり、並木通り商店街を少しでも魅力あるものにしていくよう地道な努力を続けるだけだと考えています。 ただ、当初のメンバーも高齢化が進み世代交代の時期を迎えますが、引き継いでくれる後継者が不足しているのは事実です。親の反対を押し切って新たに自分の店を創業させたメンバーが大半ですから、自分の子供というより、元気のある商店経営者がどんどん進出してくれて商店街の後継者として育ってくれることを期待しています。 並木通り春まつり(昨年) 組合としては、イベントはあくまで商店街で買い物をするお客様の邪魔にならないサブ的なものだと考えています。並木通りらしい文化的で質の高い雰囲気を醸し出し、来ていただいたお客様に楽しく心地よく買い物をしていただけるためのものであって、イベントだけが目的となっては本末転倒だと思っているからです。 今年の春まつりは、街角でのミニコンサートや、芸術関係の学生による似顔絵・絵画の展示コーナーなどを設ける予定です。一人でも多くの方に、春の一日を並木通りでゆっくり楽しんでいただきたいと願っています。 ■組合概要 名称:並木通り商店街振興組合 事務所:広島市中区三川町3-12 電話:082-245-1448 ホームページ:http://namikistreet-hiroshima.jimdo.com/ |
||||||||||||
|
||||||||||||
今広島ではどのうような企業が生まれ、そして、どのような企業が育っていっているのでしょうか。インキュベーション施設・支援団体のの担当者が見た創業の現場を語っていただきます。
今回は、「財団法人 ひろしまベンチャー育成基金」事務局 尾崎 成幸さんに、支援の現状を語っていただきました。 【「ひろしまベンチャー助成金」と「財団法人ひろしまベンチャー育成基金」】 「ひろしまベンチャー助成金」とは、財団法人ひろしまベンチャー育成基金が、公募し、審査のうえ助成を行っている事業です。 財団法人ひろしまベンチャー育成基金は、広島県内の新規性・独創性のある技術・アイデア・ビジネスプランを持つ将来有望な個人・法人に対し、地元の民間 企業や自治体・支援機関などが共同で支援活動を行うことで、地元ベンチャー企業の発掘や育成を図り、地域経済の発展に貢献しようという目的で、平成15年 4月に設立されました。 基金や運営資金は、広島県、広島市をはじめとする広島県内の全市町、広島県内の全商工会議所・全商工会、および地元の民間企業や金融機関からの協賛金により賄われております。 【募集の時期と対象者】 この助成事業は、6月~7月と11月~12月の年2回公募し、審査のうえ、10月と3月に助成金を贈呈しております。 助成対象は、広島県内に主たる事業所を置くか、県内在住の新規性・独創性のある技術やビジネスプラン等を持つ法人または個人の方です。 また、年1回11月~12月時には学生のアイデアを対象にした助成も行っております。 【助成内容】 助成内容は、「ひろしまベンチャー大賞」として1先に300万円、法人の方を対象に「奨励賞」として4先程度に100~200万円、個人の方を対象に 「育成賞」として3先程度に50~100万円、学生を対象にヤングベンチャー賞として、7先程度に5~10万円となっております 助成金には、返済義務はございませんので、事業化のために有効に活用していただけます。助成を受けられた方からも、『使い道が自由で、すぐに受け取れるので大変助かる』とのお声を頂いております。 平成15年度から平成19年度までの5年間に延べ670先余りが応募され、ご利用いただいた事業者は、77先で、8,650万円の助成金を受領されてい ます。(学生はこれまで、3回で23名が160万円を受領されています。) このうち、昨年11~12月に募集しました第10回の募集では、県内各地から 一般が43件、学生が57件のご応募があり、一般5先650万円、学生9先60万円を贈呈しております。 内容としては、一般では環境改善や食の安全に関するテーマが多く、学生では地元の特産品などを使った地域活性化の提案が多かったのが特徴的でした。 【助成金以外でも積極的に支援】 助成先には、支援機関をご紹介して、事業化するまで継続的な指導や支援をお願いするとともに、金融機関などを通じて、資金面や販路面を含むあらゆる相談 への対応もさせていただきます。また、年1回の成果報告会・交流会を開催し、助成先や支援者の皆さんが一同に会して事業の進捗状況を報告し合いながら、今 後の事業に役立てていただいております。 これまで、助成した8割以上の先が事業化を実現されておられます。 【次回募集について】 平成20年度も6月1日から第11回募集を行います。応募については、広島市産業振興センターをはじめ中小企業支援センターや市役所、広島銀行、もみじ 銀行、広島信用金庫、広島市信用組合などの金融機関が窓口となっています。(申請書は直接広島銀行内事務局までご郵送下さい。) また、「ひろしまベン チャー育成基金」のホームページからもダウンロードすることができます。 多くの方のご応募をお待ちしております。よろしくお願いします。 ■問い合わせ先 財団法人 ひろしまベンチャー育成基金 TEL 082-504-3861 |
||||||||||||
|
||||||||||||
広島ではどのような企業が、どの ような方法で業績を伸ばしているのでしょうか。そして、業界全体としてはどのようなトレンドとなっているのでしょうか。個々の経営者はなかなか知ることの できない他の企業の実態と業界のトレンドについて、広島市中小企業支援センターのマネージャーが専門的視点で分析します。
景山 正嗣 私は昨年7月に着任し9ヶ月、まだまだ支援センターのマネージャー業務を勉強中の身ですので、今回は前任者が深く係わってきた企業さんを紹介させていただきます。 【新製品解析を広島市工業技術センターへ依頼したことから連携がスタート!】 広島市西区に、(株)エコワールドという建築資材製造販売会社があります。代表者の右田博章氏は、大手重機メーカーを経て、1993年に当社を設立され、 自社で研究開発した製品をメーカーに製造委託するいわゆるファブレス方式で、様々な独創的アイデア製品を生み出してこられましたが、マーケットへのアプ ローチが十分とはいえない状況が続いていました。 2002年、緩み防止効果のあるナット及びボルトの開発に取り組む中で、従来の2個のナットを締めるダブルナット方式ではなく、座面を斜めに加工しス リットを入れることで、1個のナットで緩み防止に高い効果のある「ハイパーロックナット」を考案されました。その後、試作・研究を重ねたうえで、かねてか ら縁のあった広島市工業技術センター(技術振興部)に、緩み防止メカニズム解明の依頼がありました。 【中国経済産業局「中小企業・ベンチャー挑戦事業」に採択】 広島市工業技術センターでは、緩み防止構造の理論的解明と性能検査手段確立のため、広島市中小企業支援センターと共同で、中国経済産業局の「中小企業・ベンチャー挑戦事業のうち実用化研究開発事業」への申請を支援することとし、2005年採択されました。 【中小企業基盤整備機構「販路開拓コーディネート事業」へ推薦】 画期的な新製品の開発、ユーザーを説得できる実証試験データ取得とステップが進み、残された課題は販路の開拓となりました。 中小企業支援センターでは、「ハイパーロックナット」のユーザー業界が大企業分野であることから、中小企業基盤整備機構の「販路開拓コーディネート事 業」が最適と考え、2006年11月推薦を行いました。中小企業基盤整備機構(近畿支部)は、大手企業OBのコーディネーターのネットワークを活用し、大 手鉄鋼メーカー、大手鉄道関連会社、大手電力会社とのマッチングを紹介いただき、口座開設、社内承認獲得、テスト採用などの実績に結びつきました。 (株)エコーワールド「ハイパーロックナット」 新製品開発の面でも、「ハイパーロックナット」に加え、ねじ山を斜めに切った小径用の「トルクメイト」を開発済みで、2008年1月18日付けの中国新聞に採り上げられました。 また防錆効果と抗菌性があり水周りや食品関連にも使用できる樹脂製ナットの開発にも挑戦されているとのことです。 【企業と支援機関の連携プレー成果の好事例!】 (株)エコーワールドの優れた製品開発力に、広島市工業技術センター、広島市中企業支援センター、そして中小企業基盤整備機構三者の連係プレーが加わり、実を結んだ好事例であり、(株)エコーワールドのますますの発展を期待してやみません。 ■執筆サブマネージャーの紹介 東京大学法学部公法学科卒。(株)広島銀行に入 行、営業企画部営業統括課長、竹屋町支店長、ニューヨーク支店長、法人営業部副部長、国際部部長、(財)ひろぎん経済研究所常務理事を歴任。調査・企画業 務の経験及び企業経営者・経済団体・大学等とのネットワークが豊富で、多面的な支援・指導が自慢です。 |
||||||||||||
|
||||||||||||
大学等の研究機関の持つ優れた技術と企業が連携し、新たな商品開発や事業展開を図ろうとする産学連携は、技術立国を目指す国家プロジェクトとして今、大きな注目を集めています。大規模な研究開発施設を持たない中小企業こそ、そのメリットは大きいと言えるはずです。
今回は、広島大学の産学連携に対する取組をご紹介いただきます。 三枝 省三 さん 広島大学・産学連携センター 新産業創出・教育部門(VBLオフィス)は、その名の通り新産業(ベンチャー)創出と学生・地域の方々へ実務教育(MOT:技術経営)を提供するなかで、地域への貢献をミッションとしております。 ここでは、ます産学連携全体の活動を説明し、当部門についてはMOT教育を重点的に紹介します。 【社会連携推進機構と産学連携センターの活動】 広島大学では長期ビジョンで「世界トップレベルの特色ある総合研究大学」の実現を目標に掲げています。この目標を実現するための基本戦略として「教 育」・「研究」に加え「社会貢献」を重要な柱として捉えています。この第3の柱を推進する「社会連携推進機構」は「地域連携センター」・「産学連携セン ター」・「医療社会連携センター」・「社会連携部」から構成されています。 【産学連携センターの構成とミッション(H20年4月1日より)】 産学連携センターは、以下の3部門から構成され、産学連携を広く組織的、戦略的に活動を推進しています。 ① 「国際・産学連携部門」: 企業と大学を結ぶ"リエゾン活動"や産学官を対象としたプロジェクト活動を推進する"組織的産学官連携活動"があります。保有しているシーズはWebで公開しています。さらに、グローバル化時代のなか、国際的に一層の連携促進のために国際・産学連携と名前を変えました。 VBLオフィス 知的財産を創出し、積極的に社会活用を推進すると共に、教育研究活動を通じて知的財産重視型社会の形成に貢献することを役割としています。(なお、これ までの広大知的財産部門の機能と広島TLOとの機能を融合し、"ひろしま技術移転センター"がH20年4月1日にスタートします。当部門と共同して知財創 出に努力します。) ③ 「新産業創出・教育部門」: 大学発のベンチャービジネスなどの新産業創出を推進することと技術の経営に関する教育活動を提供しています。 当部門の詳細を以下に記します。 【大学発ベンチャーの創出と技術経営(MOT)教育の推進】 積極的産学連携である広島大発ベンチャーは、H19年度累計で36社になり,全国で10位前後と予想されます。売上げが6億近く、株式公開も現実味を帯びてきた会社もあります。これらの活動を通じて地域社会に知的財産の積極的な還元を行っています。 ベンチャー起業論の受講風景 学内向けは、ベンチャービジネス論、技術移転論、技術戦略論、知財論などMOTに関する基礎的な知識を習得する場として毎年延べ800名の学生に実務教育をしています。これらの知識を持った学生は必ずや皆様の職場で活躍することになりましょう。 一方、市民向けには、起業家養成講座((財)広島市産業振興センター、東広島市)や人材育成セミナー(広島県内の各都市)など地域に密着した講座として 開講しています。平成20年度は、さらに公開講座「イノベーティブ企業(家)」の開講を4回シリーズで予定しています。第1回は4月21日18:00~で す。是非ご参加頂きたくお知らせします。詳しくは、こちらをご覧下さい。 【広島大学の積極的な活用を!】 最後になりますが,多くの皆様が気軽に広島大学を訪問や相談を頂き、様々な情報交換や技術討議をするなかで、一層の産学交流を促進したいと考えております。皆様の一声をお待ちしております。貴方の悩みの解決に広島大学をご活用頂ければ幸いです。 【問い合わせ先】 広島大学・産学連携センター 新産業創出・教育部門 TEL 082-424-7880 |
||||||||||||
|
||||||||||||
●建築・原油高関連中小企業への支援を実施します!
建築基準法改正に伴う建築着工の大幅減や原油価格高騰に伴い、資金繰りに支障が生じている中小企業の方に対して、広島市では、次のような支援を行っています。ご利用ください。
1 相談窓口の設置 中小企業支援センター及び市役所経済振興課内に、建築・原油高関連中小企業金融相談窓口を設置しています。(平日8:30~17:15)詳しくは、下記の問い合わせ先まで。 2 広島市中小企業融資制度 建築・原油高関連事業など、国の指定業種を営んでいる中小企業者として「セーフティネット保証制度」の認定を受けた方を対象に、特別融資としてセーフティネット資金を設けています。ご利用ください。 国の指定業種はこちらを参照
広島市中小企業融資制度についての詳細は、下記ホームページをご覧ください。 広島市中小企業融資制度について ■問い合わせ先 中小企業支援センター 支援係 TEL 082-278-8032 広島市経済局経済振興課 金融係 TEL 082-504-2237 経営革新計画の作成、工場の改善活動、接客・店舗演出の改善などの経営革新(改善)に本格的に 取り組もうとお考えの中小企業者の皆様を対象に、中小企業診断士などの経営コンサルタント、税理士、社会保険労務士などの経験豊かな専門家が計画から実施 までをパッケージとして、複数回にわたって体系的に支援します。 ■派遣回数 3~6回程度 ■料金 初回無料・2回目以降有料 ※詳しくは、こちらをご覧ください。 ■問い合わせ先 中小企業支援センター 支援係 TEL 082-278-8032
4月の窓口相談のご案内【無料】
広島市内の中小企業や起業家の方が抱える経営上の課題や法律問題の解決を支援するため、経営コンサルタントや弁護士、当センターのマネージャーや職員が相談に応じ、助言を行います。【秘密厳守】 ●経営相談 原則毎週火・金曜日の10:00~16:00に、経営の専門家が相談に応じます。(1回50分) ※混雑している場合お待ちいただくことがありますので、なるべく事前に連絡してください。 ●法律相談 原則第2木曜日の13:00~17:00に弁護士が経営に関する法律相談に応じます。(1回50分) ※法律相談は事前の予約が必要となります。予約は相談日の1週間前までにお願いします。 ●創業資金相談 原則第4木曜日の13:00~17:00国民生活金融公庫職員が創業、第二創業を中心とした資金相談に応じます。(1回50分) ※創業資金相談は事前の予約が必要となります。予約は相談日の1週間前までにお願いします。 ※予定表など、詳しくはこちらをご覧ください。 ■問い合わせ先 中小企業支援センター 支援係 TEL 082-278-8032
●毎月第2土曜日 ビジネス相談会の開催
広島市立中央図書館・中小企業診断協会と共催で、事業を始めて間もない方を対象に、中小企業診断士がアドバイスを行う相談会を開催しています。事業の立ち上げや、事業を軌道に乗せるために是非お役立てください。
■実施日時 毎月第2土曜日 12:00~17:00 次回 4月12日(土) (申込期限 4月2日(水)) ■会 場 広島市立中央図書館 3階セミナー室 ■定 員 先着5名(お一人1時間以内、予約制) ■相 談 料 無料 ※詳しくは、こちらをご覧ください。 ■申込・問い合わせ先 広島市立中央図書館 事業課 TEL 082-222-5542
■あなたの会社がお持ちの技術をホームページでPRします!【無料】
■経営支援アドバイザーを派遣します。【1回派遣・無料】 ■起業支援アドバイザーを派遣します。【1回派遣・無料】 ■工業技術支援アドバイザーを派遣します。【1回派遣・無料】 ■活躍中のあの女性起業家に相談をしてみませんか?【無料】 |
||||||||||||
|
||||||||||||
●知的財産権入門講座を開催します!
初心者や新入社員の方々、また知的財産部門に配属された方々を対象に、豊かな実務経験をもつ講師が知的財産権の重要性や基礎的な知識をわかりやすくご説明いたします。ぜひ、ご活用ください。
■開催日 平成20年4月25日(金)13:00~16:30 ■会 場 広島発明会館 4F研修室(広島市中区千田町3-13-11) ■講 師 社団法人発明協会広島県支部 参与 坂本重道 ■内 容 企業活動と知的財産、ユニークなアイデアとは?、特許を得るための基本知識 特許に守られた商品の例 ■受講料 会員4,000円 非会員8,000円(テキスト代・消費税込) ※会員受講料には特典があります。
●特許基礎講座を開催します!
■開催日 平成20年5月22日(木)・5月23日(金) 両日とも10:00~16:00 ■会 場 広島発明会館 4F研修室(広島市中区千田町3-13-11) ■講 師 社団法人発明協会広島県支部 参与 坂本重道 ■受講料 会員15,000円 非会員30,000円(テキスト代・消費税込) ※詳しくは、こちらをご覧ください。 ■問い合わせ先 社団法人発明協会広島県支部 TEL 082-241-3940 |
||||||||||||
|
||||||||||||
(財)広島市産業振興センター 広島市中小企業支援センター (中小企業、商店街、創業予定者への経営や起業の支援) 広島市工業技術センター(広島市産業振興センター技術振興部) (企業への技術的な支援) 広島市先端科学技術研究所 (バイオテクノロジー・未来エネルギー関連技術の研究開発や企業支援) 産業デザインインフォメーション (広島市の産業デザイン振興事業や、産業デザイン情報等の紹介) ひろしまビジネスサポート事例 (広島市産業振興センターが経営や技術的な支援を行った事例の紹介) 広報誌「ひろしま中小企業支援情報GET」 (中小企業、商店街、創業予定者向けのお役立ち情報紙) 広島市産業振興センターNEWS (本メールマガジンの配信登録等のご案内、バックナンバー掲載) 広島市ホームページ 広島市の産業 (広島の企業が持つ技術の紹介や、企業や創業予定者に対する支援施策などの紹介) |
||||||||||||
|
||||||||||||
■次号は通常号にもどり、4月15日(火)に発行する予定です。 新年度の事業をお知らせいたします。ご期待ください ■ 読者の声を募集しています。こちらから、お気軽にご意見等をお寄せください。 Eメールはこちらまで→ shinko@ipc.city.hiroshima.jp |
||||||||||||
広島市産業振興センターNEWS<第26号>臨時増刊号 平成20年(2008年)3月31日発行 発行:(財)広島市産業振興センター 産業振興部 広島市西区草津新町一丁目21番35号 広島ミクシス・ビル2階 TEL 082-278-8032 FAX 082-278-8570 Eメール shinko@ipc.city.hiroshima.jp 技術振興部 広島市中区千田町三丁目8番24号 TEL 082-242-4170 FAX 082-245-7199 Eメール kougi@itc.city.hiroshima.jp 先端科学技術研究所 広島市中区千田町三丁目8番24号 TEL 082-247-0263 FAX 082-247-9753 Eメール sentan-info@sentan.city.hiroshima.jp |
||||||||||||
※当メールマガジンに掲載している情報やリンク先は、発行時点のものであり最新情報と異なる場合がありますので、ご了承願います。
■配信先のメールアドレスの変更
配信先(メールアドレス)を変更される方は、お手数をおかけしますが、こちらから、登録済みアドレスを解除後に、新しいアドレスで再度配信登録してください。
■画像が表示されない場合
画像は当財団の Web サーバに置いており、オフライン状態(インターネットに接続していない状態)では画像が表示できません。インターネットに接続した状態でご覧ください。
■バックナンバーについて
このメールマガジンのバックナンバーは、こちらからご覧いただけます。
■配信希望および配信停止について
このメールマガジンは、こちらから配信登録ができますので、ぜひ、お知り合いの方にご紹介いただきますよう、よろしくお願いいたします。
配信停止をご希望の方は、お手数をおかけしますが、こちらから登録解除をお願いします。
【個人情報の取り扱いについて】
※ご記入いただいた個人情報は、メールマガジンの配信以外の目的には利用しません。また、第三者への開示は法令に基づく開示など特別な場合を除き開示しません。 |