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中央図書館からのおすすめ本(148)『古くてあたらしい仕事』 |
毎月、中央図書館が推薦するビジネス支援情報の図書をご紹介しています。
なお、これまでに紹介した本については、当財団のホームページに「中央図書館からのおすすめビジネス図書」として公開しておりますので、いつでも見ることができます。
島田 潤一郎/著
新潮社(2019年11月発行)
この本は、「夏葉社(なつはしゃ)」という出版社を10年にわたり一人で経営する著者、島田潤一郎さんの誠実な仕事が書かれています。
著者が転職活動をしている最中に仲がよかった従兄が亡くなりました。それまでの生活が激変してしまった叔父と叔母に、自分が好きな一編の詩を本にして届けたいと思い知り合いに本の出版依頼をしますが、なかなか進展しません。そこで、一人で出版社をやってみようと考え、夏葉社を立ち上げました。
本の出版までに長い期間がかかりましたが無事に出版され、叔父と叔母を含め、多くの人に読まれているそうです。
著者は、会社を経営する上で人生の中で教わった言葉を支えに、お世話になった人たちに恩返しをしたいという気持ちで仕事に臨み、相手を信頼するという信念を持って接することを大切にしています。また、会社を続けていくコツは、できるだけ他社がやらない仕事をすることであり、小さな会社であれば何事にも手間暇をかけ小さな声に寄り添うための、より勇敢な選択をすることだと言います。
本の出版に関わる全ての人たちと真摯に向き合う著者が、彼らとともに「良い本を届けたい」という目標に向かって進んでいるからこそ、読者の心に届く本を生み出し続けているのではないでしょうか。今後のものづくりの可能性も感じられる一冊になっています。