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(108)企業内の課題を解決するためのアプローチの仕方(第2回)

広島市産業振興センターNEWS

経営者のお役立ち情報「メルマガ誌上セミナー」(108

企業内の課題を解決するためのアプローチの仕方(第2回)


 中小企業の経営者が抱える経営課題について、専門家の方にわかりやすく解説していただいています。

 なお、このセミナーのバックナンバーは「Webセミナー」で公開しています。

有限会社ユニペック 代表者 前田 秀雄

仕組み作りと適切なマネジメント

 

 

有限会社ユニペック 代表取締役

前田 秀雄(まえだ ひでお)

 

適切なマネジメントを行うためには、実態に即した「仕組み」を作っておくことが重要です。

 

■仕組み作り
「仕組み」を語る時に、よくある例えとして「カリスマシェフのいるレストラン」があります。これは、カリスマシェフがいる間は、質の高い料理を提供することができるのですが、カリスマシェフが休んだり退職したりすると、途端にその味を提供できなくなります。いわゆる「属人化」といわれる状況です。
 

一般企業や組織でも同じで、特定の担当者がいないと「仕事ができない」「仕事が回らない」という状況があります。そこで登場するのが「仕組み」です。
 

業務の仕組みを作ると、特定の担当者がいなくても仕組みが仕事をしてくれるので、誰かに依存することなく成果を上げることができます。

 

【仕組み作りに必要なプロセス】

タスクの細分化
  • どんな業務やタスクがいくつあるのか、全体の業務プロセスを分解してみる
全体のプロセス設計
  • どの順番でそのタスクを行うのが良いのか全体のプロセスイメージを作る
担当者・担当部署
  • 各タスクを誰が・どの部署が行えばいいのか、適材適所を検討する
マニュアル化
  • 業務手順やノウハウをマニュアル化し、誰でもできるようにする
チェックシート
  • モレを防ぐために重要箇所をチェックし、誰でもチェックできるためのシートを作る

 

この手順で仕組み作りを検討していけば、マニュアル化できないノウハウもありますが、様々な部署(製造現場、管理系、営業)で、一定の仕組みを作ることができます。ただ、もう一つ必要なものとして、「せっかく作ったこの仕組みが、そもそも上手くいっているのかどうか」を判断する指針が必要です。

 

そのために、「気付きリスト」と「KPI・KGIの設定」が必要です。

 
せっかく作った仕組みも「その仕組みで目標達成できているのか?」を判断できないと、上手くいかない場合、何を修正すればいいのかわかりません。

 
そのために、

 
気付きリストは、日々の業務の中で、疑問に思ったことや、何か違うと思ったことなど、ちょっとした気付きを共有することで、仕組みの歪を修正します。

 
KPI・KGIの設定は、業務の目標を設定して、その目標を達成できているのかどうなのかを、数値的に判断する基準を予め設定しておくことで、この仕組みでいいのかどうなのかを判断します。

 

【仕組みを数値的に判断する基準

KPI(Key Performance Indicators)
  • 重要業績評価指標(簡単に云うと「中間目標」)
KGI(Key Goal Indicator)
  • 重要目標達成指標(簡単に云うと「最終目標」)

 

適切なマネジメント
チームが気持ち良く効率的に仕事を進める場合、適切なマネジメントが必要です。
マネジメントには色々な解釈がありますが、ここでは、マネジメントの定義を、このようにしておきましょう!
「他者と一緒に計画をうまく運び、目標を達成するためのプロセス」

 

では、計画をうまく運び、目標を達成するためのマネジメントとは、どんなことをするのでしょう?

 

マネジメントに必要なプロセス】

職場や現場の環境分析
  • プロジェクトを実施するための現場環境や人材は担保できているのか?
チームの目的・ビジョン・ミッション・ゴールの確認
  • ・チームメンバーが、何のために何をしようとしているのか共有する
  • ・完成形としてのゴールをメンバーが理解できているのか共有する
問題と課題の整理
  • ・プロジェクトを実施するためのボトルネックは、どこなのか共有する
  • ・ボトルネックをどうやって解消するのか?
目標設定
  • ゴールに向かって迷わないためにKPI(中間目標)とKGI(最終目標)を共有する
実施手順の見える化
  • どうやって、このプロジェクトを進めるのか?そのやり方をメンバーで共有する
適切な役割分担
  • 各メンバーが、何をすればいいのかしっかり理解できるようにする

 

マネジメントとは、「部下を管理する事」と定義する方もいらっしゃるようですが、ここでは、「他者と一緒に計画をうまく運び、目標を達成するためのプロセス」と定義しています。

 
そのために、上表のプロセスが必要です。

 
適切にチームをマネジメントしようとすると、上表のように、環境分析から始まって、目的等の共有、ボトルネックの確認、目標の設定、手順の見える化、誰が何をすればいいのか明確な役割分担、これらを共有しておかないとメンバーは、このプロジェクトの中で自分が何をすればいいのか、どうなれば目標達成と言えるのかわからず、仕事にのめり込めない状態になります。これらを回避するためにもマネジメントでは、様々な情報共有が必要です。

 

仕組みをチームで動かすためのマネジメントの基礎は、これで出来上がります。

 

しかし、継続的に目標達成に向かう場合、仕組みを持続的かつ効率的に動かすためのリーダーを含めて人材教育が必要です。
  

■<講師プロフィール>

 

有限会社ユニペック 代表者

前田 秀雄(まえだ ひでお)

 

 大学卒業後、電子部品卸会社・印刷会社・電力系設備会社を経て2000年に独立。独立当初は、省エネ設備販売を行っていたが、2005年から「社内の省エネの仕組みづくり支援事業」を開始し、社内活動の仕組みづくり支援事業が中心となる。その後、省エネに留まらず、「経費削減活動」「オフィス環境改善活動」「ムリ・ムダ・ムラ撲滅運動」「社員と取り組む経営計画」「新事業創出プロジェクト」その他、地域振興事業として「地域の魅力創出プロジェクト」など、"ひとり一人のチカラ"を発揮できるよう「みんなを巻き込むプロジェクトの進め方」をテーマに支援を行い、中小企業・行政などで、様々なプロジェクトの実施や人材育成研修を行っている。

 

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