公益財団法人広島市産業振興センター広島市中小企業支援センター

閲覧補助
文字サイズ
標準
拡大
検索
お問い合わせ

お電話でお問い合わせ

082-278-8032

メールでお問い合わせ

お問い合わせ

お問い合わせ

お電話でお問い合わせ

082-278-8032

メールでお問い合わせ

お問い合わせ

事業報告(材料技術室)

広島市産業振興センターNEWS

 事業報告(材料技術室)

 「広島高分子材料研修会」


 工業技術センターでは、様々な講習会、研究会等を開催しています。今回は、今年度開催した「広島高分子材料研修会」について紹介します。

 ゴム及びプラスチックなどの高分子材料は、機械部品、容器、医療用品など様々な分野で使用されており、その需要はますます高まっています。また、高分子材料の高機能化、高性能化は日々進んでおり、中小企業においても、これらの技術の進歩に対応していく必要があります。

 そこで、広島県と広島市は、高分子材料に関する最新技術の情報提供を行うため、「広島高分子材料研修会」を開催しています。

 

 令和3年度は次のような研修会を開催しました。

  • (1)第1回研修会(令和3年7月9日)
  • ・講演 :ゴムの劣化とトラブル事例と対策
  • ・講師 :長岡技術科学大学技学研究院 特任教授
    九州大学工学部 未来科学創造センター 客員教授
    九州大学工学部 水素材料先端科学研究センター 客員教授  大武 義人 氏
  • ・概要 : ゴムは他の素材と比べて容易に劣化してしまうため、トラブルの発生が多く、扱いが難しいと言われています。しかし一方で、ゴムは粘弾性※1という他の素材にはない優れた性質を持っていて、ゴムでしか作れない製品も数多く存在します。この講演では、ゴム製品の品質向上に役立てるため、ゴムの劣化を抑え、トラブルを未然に防ぐ手段を解説していただきました。
  • ※1 粘弾性=液体のように変形する粘性と、固体のように変形する弾性の両方を合わせた性質。
  •  
  • (2)第2回研修会(令和3年9月10日)
  • ・講演1:SDGsの実現に貢献する繊維の技術
  • ・講師 :新井技術士事務所 所長  新井 直樹 氏
  • ・概要 : 繊維は衣料をはじめ、生活資材、産業資材など日常生活に関わりの深い素材で、様々な分野に使用されています。また、SDGsとは国際社会においてより良い世界を目指すための行動目標のことですが、このSDGsの17の行動目標の殆どに繊維が関係していると言っても過言ではありません。この講演では、SDGsの実現に貢献する繊維技術や製品について紹介していただきました。
  •  
  • ・講演2:熱分解型化学発泡剤の特性と使いこなし
  • ・講師 :永和化成工業株式会社 研究開発部 開発グループ  春日 充 氏
  • ・概要 : ゴムスポンジはゴムを原料としたスポンジで、その製造には一般的に熱分解型化学発泡剤が用いられます。通常は加硫※2という工程で、ゴムに混ぜた熱分解型化学発泡剤を反応させることでゴムスポンジを得ることができます。この講演では、熱分解型化学発泡剤の基礎からその応用について紹介していただきました。
  • ※2 加硫=ゴム系の原材料を加工する際、弾性を高めるために硫黄などを加える工程。
  •  
  • (3)第3回研修会(令和3年10月15日)
  • ・講演1:カーボンブラック分散性評価試験機『エリカルメーター®』の紹介
  • ・講師 :JSRトレーディング株式会社 機器部  渡邊 剛志 氏
  • ・概要 : ゴム製品の製造工程には、ゴムに様々な薬品を混入して全体に分散させる混練りと呼ばれる工程があります。この工程ではカーボンブラックという薬品がどれだけ均一に混ざっているかが重要で、分散性という指標で評価されます。この講演では、導電法を用いて、混練りゴムに含まれるカーボンブラックの分散性を簡単に評価できる試験機の紹介と、この試験機を実際に使用して行った共同研究について講演していただきました。
  •  
  • ・講演2:広島大学における材料モデルベースリサーチについて
  • ・講師 :広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授  大下 浄治 氏
  • ・概要 : 広島大学デジタルものづくり教育研究センターでは、「ひろしまものづくりデジタルイノベーション創出プログラム 」の中で、材料モデルをベースにした研究開発を産学官の緊密な連携のもとに推進しています。この講演では、そのプロジェクトの概要や各研究テーマの詳細について紹介していただきました。

 

 今年度の「広島高分子材料研修会」は新型コロナウィルス感染症の影響を受け、第1回は人数制限を設けたうえでの対面方式、第2回及び第3回はオンライン方式のみでの開催となりましたが、ゴム製品をはじめ、繊維や熱分解型化学発泡剤など、様々な高分子材料について大変有意義な研修会を実施することができました。講師の方々やご参加いただいた皆様に感謝申し上げます。

 工業技術センターでは、来年度も本研修会の開催を予定していますので、ご関心のある方は、ぜひご参加ください。

 

■問合せ先

 工業技術センター 材料技術室

 TEL 082-242-4170(代表)

 E-mail:kougi@itc.city.hiroshima.jp

 


 

HOME

このページのトップへ