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(122)飲食店がアフターコロナにV字回復するためにやるべき事(第1回)

広島市産業振興センターNEWS

経営者のお役立ち情報「コラム」(122)

飲食店がアフターコロナにV字回復するためにやるべき事(第1回)


 中小企業の経営者が抱える経営課題について、専門家の方にわかりやすく解説していただいています。

 なお、この「コラム」は、バックナンバーで閲覧できます。

株式会社スリーウェルマネジメント 代表取締役 三ツ井 創太郎

飲食店はアフターコロナに向けて"あり方"を見直す事が重要

 

 

株式会社スリーウェルマネジメント

代表取締役

三ツ井 創太郎(みつい そうたろう)

 

    まん延防止等重点措置が解除され、ようやくアフターコロナのV字回復に向けて第一歩を踏み出された飲食店経営者様も多いかと思います。こうした中で当社の無料経営相談窓口には下記のような質問を数多く頂くようになりました。

     

    「アフターコロナにはどんな業態が流行りますか?」

    「これからの販売促進はSNS等に力を入れた方が良いでしょうか?」

     

    確かにアフターコロナにおいてV字回復を実現するためには、こうした新たな「やり方」を考える事も必要ですが、私は「やり方」よりも「あり方」を見直していく事の方が重要だと考えています。経営理念の見直しもその一つです。

     

    ■今までの経営理念に違和感を感じています

    先日当社のご支援先で居酒屋を3店舗展開するA社長様より「アフターコロナに向けて経営理念を見直したい」というご相談を頂きました。A社長の会社は今まで「地域一番外食企業を目指す」という経営理念を掲げられておられました。しかし、この2年間度重なる店舗休業を余儀なくされる中で、自社の経営理念について少し違和感を感じるようになったとの事です。

     

    こうした中、3月下旬にまん延防止等重点措置が解除され、常連のお客様が少しずつご来店されるようになりました。来店した常連のお客様からは「A社長、久しぶりにお店に来られて嬉しいよ!!やっぱり仲間と居酒屋でワイワイやるのは楽しいね!」など、営業再開を喜ぶ本当にたくさんのお声をお客様から頂いたそうです。

     

    「三ツ井さん、今まで私は"地域一番の事業規模の外食企業になりたい!"という強い想いがありましたが、コロナ禍が長引く中でこの経営理念に少し違和感を感じていました。今回多くのお客様から声をかけて頂く中で、自分達のお店の存在意義がはっきりと分かった気がします。地域で一番事業規模が大きい会社になるよりも、1店舗1店舗がしっかりと地域のファンの方々に愛されるお店になる事の方がよっぽど大切だと気づきました。これからは"地域の方々の幸せを創造する企業になる"を会社の経営理念に掲げていきます!」

     

    ■アフターコロナに向けた経営方針をしっかりとスタッフに伝える

    私はこのお話を聞いてA社長に1つの提案をさせて頂きました。それは経営理念(自社のあり方)と経営ビジョン(自社の目標)を改めて書面化し、社長自らスタッフに説明を行う「アフターコロナV字回復にむけた経営方針発表ミーティング」の開催です。アフターコロナのV字回復に向けた経営方針発表の重要性を私は「船の航海」に例えてご説明しています。

     

    会社経営を「船の航海」に例えると経営者は船長であり、スタッフは船員です。船長は「経営理念=羅針盤」を頼りに、「経営ビジョン=目的地」に向かって航海を進めていきます。コロナ禍のような大荒れの波の中を「経営理念=羅針盤」や「経営ビジョン=目的地」もなく航海をしたら船はあっと言う間に転覆して沈んでしまいます。そして何よりスタッフ=船員は目的地の分からない船には乗りたがりません。実際に長引くコロナ禍で「会社の未来に不安を感じたスタッフが退職してしまった」というご相談も多数あります。

     

    ぜひ皆さんの会社でも、まずはこうした経営理念や経営ビジョンといった自社の「あり方」を見直し、スタッフ一人一人にしっかりと伝える事に重点を置いてみて下さい。 

    本記事が少しでも皆さんのご参考になれば幸いです。

     


    ■<講師プロフィール>

     

    株式会社スリーウェルマネジメント

    代表取締役

    三ツ井 創太郎(みつい そうたろう)

    一般社団法人日本フードビジネス経営協会 理事長
    調理師名簿登録番号 第342944号

     

    2003年全国で60店舗以上展開している企業に入社。料理長、店長を歴任後、業態開発、FC本部構築などを経験。その後、東証一部上場のコンサルティング会社であった株式会社船井総合研究所に入社。
    中小企業から大手外食チェーンまで幅広いクライアントに経営支援を行う。
    2016年飲食店に特化したコンサルティングを行う株式会社スリーウェルマネジメントを設立。
    代表コンサルタントとして飲食企業の経営支援を行う傍ら、日本フードビジネス経営協会の理事長として店長、幹部育成を実施。
    2022年3月発売の著書「V字回復を実現する! あたらしい飲食店経営35の繁盛法則」はアマゾン外食本ランキング1位のベストセラーとなる。

     

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