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新設機器の紹介「表面性試験評価システム」
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公益財団法人広島市産業振興センターでは、広島市の中小企業が抱えている技術的な課題に対応するため、試験・検査用機器の整備を進めています。
令和4年度に、公益財団法人JKAの補助を受けて広島市が下記の機器を整備しました。この機器については、依頼試験及び設備利用が可能ですので、製品開発、品質管理等に、是非御活用ください。
[機器概要・用途]
今回、各種材料やコーティング被膜の性質、密着性等を評価するスクラッチ試験機とそれらの耐摩耗性を評価する往復しゅう動式(ヘイドン)摩擦摩耗試験機及びテーバー摩耗試験機を、新規に導入しました。
スクラッチ試験機は、金属、樹脂及びメッキ等の各種コーティング被膜の表面を、ダイヤモンド製の針でスクラッチ(引っ掻く)することで、表面の性質(延性又は脆性)、密着性(剝がれやすさ)、摩擦係数等を一度に評価することができる試験機です。例えば、硬いコーティング被膜をスクラッチした場合、針を押さえつける荷重が小さければ、徐々に傷がつきますが、荷重を大きくしていくと小さな割れが生じていき、最終的に大きな割れになり剥がれてしまいます。この割れや剥がれの発生する荷重や針を押し込む量を測定し、これらの数値の大小を評価することで、密着性や強さなどが分かります。
ヘイドン摩擦摩耗試験機は、主に軽い負荷での往復しゅう動による耐摩耗特性を評価する試験機になります。例えば、浴槽の表面をスポンジで繰り返し擦るようなしゅう動形態を再現します。
テーバー摩耗試験機は、砥粒によるアブレシブ摩耗を評価する試験機になります。アブレシブ摩耗とは、紙やすりで表面を削った場合のようなしゅう動形態になります。
上記機器を組み合わせて利用することで、幅広い範囲と条件における材料の特性と耐久性(耐摩耗性)を評価することができます。
[型式]
ナノビア社 CB-500型(スクラッチ試験機)
新東科学株式会社 トライボギアTYPE:14FW型(ヘイドン摩擦摩耗試験機)
株式会社安田精機製作所 101-H-1型(テーバー摩耗試験機)
[主な仕様]
〇スクラッチ試験機
・試験荷重範囲:1~200N
・対物レンズ:5倍、20倍、50倍の3種類
・Pre-SCAN及びPost-SCANが可能
・AEセンサーによる微視的破壊挙動検知が可能
〇ヘイドン摩擦摩耗試験機
・試験荷重範囲:0~9.8N
・移動距離:1~100mm
・移動速度:5~6000mm/min
・テーブル寸法:240mm×120mm
〇テーバー摩耗試験機
・回転円盤:φ150mm
・円盤回転速度:60、70rpm(2段切切換式)
・試験荷重:2.45N、4.9N、9.8N
・摩耗輪:CS10、CS17等各種使用可能
■問合せ先
工業技術センター 材料技術室
TEL 082-242-4170(代表)
E-mail:kougi@itc.city.hiroshima.jp