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工業技術支援アドバイザーのご紹介

広島市産業振興センターNEWS
工業技術支援アドバイザーのご紹介
「使用済み油を捨てないで(含油排水処理技術の開発)」
(広島市立大学大学院情報科学研究科  教授 矢野 卓雄 さん)
 技術振興部 技術振興室(広島市工業技術センター)では、地元中小企業に対する支援施策として、企業からの相談内容に応じ、企業や大学などで実績豊富なアドバイザーを製造現場へ派遣し、指導・助言を行っています。自社製品の品質向上・保有技術の新分野展開等にぜひご活用ください。
 このコーナーでは、現在アドバイザーとして登録いただいている大学の先生方に、大学での研究内容についてご紹介していただきます。

  広島市立大学大学院情報科学研究科創造科学専攻
  バイオシステム工学研究室  教授 矢野 卓雄 さん

 日本食品工学会、近赤外フォーラム、計測・自動制御学会、廃棄物資源循環学会、日本化学工学会、日本食品科学工学会、日本生物工学会、日本食品機械研究会、日本バイオインダストリー協会などでご活躍されています。


矢野 卓雄 さん
【アドバイザーから一言】

 世界人口の爆発的増加や新興国の生活水準の向上などにより、食糧・飼料不足、水不足、エネルギー不足、水環境・大気環境の悪化などの地球規模の問題が待った無しの対応を迫っています。このような問題に対応するため、国際的に、国家的に、業界的に、地方地域的に、企業的に、家庭的に、個人的に、取り組めることは多々あります。
 当研究室でも、バイオマスエネルギーの効率的生産、食品・農産廃棄物の再資源化、耕作不適地でも作物が栽培できる植物工場、油を含んだ排水の微生物学的浄化、研究室の省エネ化など、生物の持つ機能の有効活用に取り組んでいます。環境に優しい製品でなければ消費者は購入しない傾向が、今後益々強まることは否めません。より環境に優しい企業へ成長するために、資源循環や再資源化、安全で安価な廃棄物処理などのお手伝いができるものと思います。
 また、製品品質の全数検査など、当研究室が開発した近赤外光を用いた多成分同時非破壊計測システムは多方面で実用化されています。食の安全を確保するため、トレーサビリティの信頼性向上に役立ていただけると存じます。
 当研究室のホームページ(http://www.bio.info.hiroshima-cu.ac.jp/)もご覧下さい。

【研究内容のご紹介】

 使用済みの油はどのように廃棄していますか?地球は油が嫌いです。環境中へ排出された油は、自然界の微生物が二酸化炭素(CO2)と水に分解してくれますが、微生物は油が好きではありません。タンパク質や炭水化物などを好み、先にこれらを食べます。何も食べるものが無くなると、油を食べ始めます。したがって、油を下水道などに流すのは絶対にやめて欲しいのです。レストランや食品工場、家庭から出る廃食用油を集めて、ディーゼル燃料(バイオディーゼル燃料、BDF)にする運動が盛んです。バスやトラック、漁船、トラクターなどのディーゼルエンジンで燃焼されて排出される二酸化炭素は、植物によってふたたび取り込まれるので、カーボンニュートラルな燃料、地球に優しい燃料として世界中で注目されています。環境に優しいこの取り組みも、残念ながら広島市ではほとんど進んでいません。
 レストランや食品工場からの排水は動物性や植物性の油脂を含んでいます。法的には30ppm以下まで油脂を除去しないと排出できないことになっており、油水分離装置(グリーストラップ)の設置が義務付けられています。しかし、性能の良い油水分離装置が無く、また、回収できた油脂は産業廃棄物として有償で処理しています。さらに、回収できなかった油脂は、腐敗臭の発生や排水路の詰りを引き起こし、なかなか取り扱いが難しいのが現状です。
 当研究室では、油水分離装置へ油を食べる微生物を添加して、効率的に油脂を炭酸ガスと水に分解する方法を開発しました。この方法ですと、現有の油水分離装置に若干の設備を増設するのみで、運転費のあまりかからない含油排水の処理ができます。また、バイオディーゼル燃料製造工場からの含油排水の処理や、水系のみならず油を含んだ固形廃棄物のコンポスト処理にもこの技術は応用できます。
 お困りのことがございましたら、何なりとご相談ください。



■問い合わせ先 技術振興部技術振興室  TEL 082-242-4170(代表)


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