公益財団法人広島市産業振興センター広島市中小企業支援センター

閲覧補助
文字サイズ
標準
拡大
検索
お問い合わせ

お電話でお問い合わせ

082-278-8032

メールでお問い合わせ

お問い合わせ

お問い合わせ

お電話でお問い合わせ

082-278-8032

メールでお問い合わせ

お問い合わせ

今広島で注目の企業

広島市産業振興センターNEWS
今広島で注目の企業
「高齢者向け(介助型)車いす(アイ・ムーヴァ)の開発に取組む(有)技研ほか」


井島 昭さん
 通常の介助型車いすでは走行が難しい、砂利道・砂浜・雪道なども楽に走行できる介助型高齢者向け車いす(アイ・ムーヴァ)の開発グループの「有限会社技研」代表取締役井島 昭さんに、お話をうかがいました。

(1) 開発の目的は何ですか。

 従来の介助型車いすは、路面の凹凸をタイヤが拾うため、使用者・介助者ともに小刻みな振動を常に受けており快適とはいい難く、市街地での段差走行において介助者が前輪を持ち上げるなど負担が大きいこと、鉄道線路の横断の際に前輪がひっかかる等の危険があることなどの課題があります。
 そこで、こうした課題に対応するとともに、ゆったりとした乗り心地で、また、エレベーターなどにもそのまま乗り込むことができるサイズの車いすの開発に取組ました。

(2) 開発する上で苦慮した点や問題点は何ですか。

 物を作るとなると、図面を引き、強度計算して、部品を検討するという積み上げでできる訳ですが、後藤鉄工さん、畑林工業さん、であい工房さん、アイディー田中さん等との協力により1台の「アイ・ムーヴァ」が生まれた訳です。このように様々な工程を経るとものすごく時間がかかりますし、車いすに使われている低圧タイヤなどの部材の開発業者が日本にはいないため、製作コストがかかり、全体として1台を製作するのにも大変な価格となってしまうことが問題点です。

(3) 事業の成果についてお聞かせください。

 平成20年度に(財)広島市産業振興センター技術振興部に事務局がある福祉用具開発研究会で開発したⅠ型の「アイ・ムーヴァ」(プロトタイプ)が完成し、レンタル用として貸し出ししております。
 現在は、Ⅰ型の部材の重量を軽減するなどコストダウンを図った改良型のⅡ型が中心となっておりますが、1台の製作にかかるコストが高いため、現在も更なる改善を図っており、近日中に、Ⅲ型の「アイ・ムーヴァ」を製作することとしております。
 また、これ以外にも、福祉用具開発研究会から創生した「協同組合福祉・環境ラボ」が、 aiパーク(身体障害者用駐車装置)を製作・販売しています。

(4) 今後の事業展開についてお聞かせください。

 今後は、Ⅲ型を中心として事業展開をしていくことにしておりますが、これも、日本で大量生産するとなると、やはり1台あたりの材料コストが普通の介助型車いすより高くつきますので、材料コストの安い海外をターゲットにして現地生産するなどの事業展開をしていかないといけないと思います。
 手始めに、中国での展示会に参加していきたいと考えております。
 また、(財)広島市産業振興センターの協力のもとで、県内に限らず県外で幅広くPR活動し、普及啓発に努めていき、併せて、この技術を活かした新製品の開発にも取組んでいきたいと思っております。


高齢者向け(介助型)車いす(アイ・ムーヴァ)

【高齢者向け(介助型)車いす(アイ・ムーヴァ)の開発の概要】

【事業内容】
(財)広島市産業振興センターの「福祉用具開発研究会」において開発支援している事業で、平成21年度、(有)技研を中心に後藤鉄工(株)、畑林工業(株)、(有)であい工房、(有)アイディー田中の5社が技術力を相互に提供し、異業種連携より完成させた。

【各企業の概要】

(有)技研
福祉用具開発研究会から創生した「協同組合福祉・環境ラボ」の組合理事。福祉用具、アイ・ムーヴァ、aiパーク(身体障害者用駐車装置)の販売等をしている。

後藤鉄工(株)
機械金属製品製造業であり、設計技術を保有している。
金型製造、プレス加工を中心とし、福祉用具の部品製造も手がけている。

畑林工業(株)
鉄工業で、自動車、スポーツ用ボールのライン設備の製作を中心としており、自動制御装置の製作にも取り組んでいる。

(有)であい工房
立体スリング(シート)及び座位保持装置等福祉機器の企画・製作・販売を中心としている。現在、立体スリング-モジュール型座位保持装置(meet&cot)を全国発売している。
(ホームページ)http://www7b.biglobe.ne.jp/~deai-kobo/

(有)アイディー田中
商品(製品)開発ディレクション&デザインを中心としている。
(ホームページ)http://www.id-tanaka.jp/



HOME

このページのトップへ