広島市産業振興センターがこれまでに関わってきたデザイン領域(分野)は工業デザインが中心でした。工業デザインはインダストリアルデザインともいわれ、製造図面をもとに工業的に量産が可能な製品のデザインといえます。したがって焼物のような一品物の工芸品は含まれません。しかしデザインの領域は工業デザインだけではなく、図に示す通り、大きく分けて3つの領域が存在します。
工業デザイン、情報デザイン、空間デザインともに完全に独立した領域ではなく、その中間領域が存在しています。主にグラフィック(絵や図、写真、文字等の組合せ)を表現手法とする情報デザインと工業デザインの間にはパッケージデザインやファッションデザインといった、工業製品のデザインだけれども、外に向かってビジュアル(視覚)情報を発信・伝達する役目を持ったものがあります。また、環境や建築のデザインに代表される空間デザインと工業デザインの間には、インテリアデザインや、装置(ユニットバスやシステムキッチンなど)のデザインが存在します。情報デザインと空間デザインの間には空間に在って情報を示すサインデザインなどが存在します。このように一口にデザインといっても様々な領域が隙間なく重なって存在しています。さらに近年、Gマークで有名なGOOD DESIGN AWARDをみてもわかるように、デザインは「モノ」だけではなく「コト」の世界にも適用されるようになってきています。その好例として2010年には優れたビジネスモデルの一つとしてAKB48がグッドデザイン金賞を受賞しました。一口にデザインと言ってもその領域はますます拡大し、私たちの生活と切り離せなくなってきているのです。
■問い合わせ先 技術振興部・デザイン開発室(広島市工業技術センター内) TEL 082-242-4170(代表) |