組織を元気にするものは、現場で働く人達が自らの仕事にプライドを持ち、仕事に意欲的に取り組む姿勢ではないでしょうか。 現場が活性化すると、会社という組織も輝きだします。
今回紹介する本は、「世界一の現場力」を持つと海外のメディアでも紹介された、新幹線清掃会社の鉄道整備株式会社が舞台です。 この会社はJR東日本のグループ会社で、東北・上越などの新幹線の車両清掃、東京駅・上野駅の新幹線駅構内の清掃を主に行っています。折り返しの際に与えられた清掃時間の7分間に、快適な車内を作るために車両清掃、トイレ掃除、座席カバーの交換、忘れ物のチェックを行います。これらをスピーディーに行えるのは、現場一人ひとりの責任感とともに、1チーム22人で構成されるチームワークの成せる技です。そして、彼らは清掃の始まりと終わりに乗客に向け、一礼を欠かしません。また、日々の業務で関わる乗客の声に耳を傾け、より良い環境にしようと様々な場面で努力しています。
しかし、この会社は当初からこのような素晴らしい現場力を持っていたわけではありません。きっかけは、現場でコツコツと頑張る人に光を当て、現場から出たアイデアを実現させる機会をつくるなどの経営陣側の取り組みであったと言えるでしょう。
この本には元気な組織、輝く現場を生み出す要素やアイデアがたくさん詰まっています。 そして、経営という観点だけでなく、よい会社にするためにはどうしたらよいか真摯に取り組む現場の人達の姿に心打たれ、感動する本でもあります。 経営者やビジネスマンだけでなく、子どもから大人までそれぞれの人に何か気づきを与えてくれる1冊です。 |
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