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中央図書館からのおすすめ本(65)

広島市産業振興センターNEWS
中央図書館からのおすすめ本(65)
    『アンデルセン物語-食卓に志を運ぶ「パン屋」の誇り』

 毎月、中央図書館が推薦するビジネス支援情報の図書をご紹介しています。
 なお、これまでに紹介した本については、当財団のホームページに「中央図書館からのおすすめビジネス図書」として公開しておりますので、いつでも見ることができます。


アンデルセン物語-食卓に志を運ぶ「パン屋」の誇り
『アンデルセン物語-
  食卓に志を運ぶ「パン屋」の誇り』

    一志 治夫/著

    (新潮社 2013年7月発行)


 アンデルセンはあまりにも有名で、広島で創業した会社であるということを知らない方もおられるのではないかと思います。 高木俊介・彬子夫妻が戦後間もない1948年8月1日、「タカキのパン」を広島市内比治山橋のたもとで従業員2人と夫妻の4人でスタートを切り、今やアンデルセングループとして8千人の従業員を抱える会社となっています。

 食事としてのパンの文化を広めようと志を高く持って、アンデルセンは常に新しい手法に取り組んできました。私自身も、アンデルセンのデンマークロールパンがとてもおいしかったこと、デニッシュパンはすごく魅力的であったこと、そしてセルフサービスでパンを選んで購入するというスタイルに驚き、とても楽しい気持ちになったことを鮮明に覚えています。 実は、パンをセルフサービスで購入するというのは、アンデルセンが日本で初めて取り入れた方式であり、今ではいろいろなパン屋さんがこの方式で販売しています。

 また広島の歴史的に貴重な被爆建物を買い取って店舗とし、これまでに見たこともないような内装にこだわり、「パンがおいしいだけでなく、一緒に食するすべてをおいしく満足してほしい」というポリシーを、私たち消費者はメッセージとしてしっかり受け取ってきたのではないかと思います。 高木夫妻のパンという商品そのものだけではなく、パン食生活文化の普及と変革にずっとこだわり続けていることが、この著書を通してとひしひしと伝わってきます。

 そしてもうひとつ一貫しているのは、「会社が人を育てる」ということです。社員を海外に派遣して技術を習得させたり、広島県北広島町に「100年農場」に作り、職人の技術だけでなく、「パンを大切にする心を育てる」ということを大事に考えていることも、その現れだと思います。

 どうしてアンデルセンが「デンマーク」にこだわっているのかということも、この著書を読むとわかります。何よりもひとつひとつにしっかりとしたポリシーを持ち、信念を持っていることが、アンデルセンという一大ブランドとなった理由であると感じました。 アンデルセンというパン屋さんは、私たちの中においしいおしゃれな高級なパン屋さんというイメージをしっかり根付かせているのではないでしょうか。

 ぜひ今から起業しようとされている方にも読んでいただき、この広島で起業し今に続く先人の手法と志を知っていただけたらと思います。
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