赤は情熱的でエネルギーに満ち、ピンクは温かみや優しさを、紫は高貴な身分を表し上品さが感じられます。このように、色にはそれぞれのイメージがあり、私たちはその色から暖かさや冷たさ、硬さや柔らかさ、情熱や冷静さなどを感じることができます。
しかしながら、私たちは色からイメージを感じるだけでなく、日常生活の中で、身につける洋服や部屋の内装や照明など目的に応じて色を選んだり、また、色で気分を高揚させたり落ち着かせたりと、様々な場面で色を意識して使ってもいます。
色には「チカラ」があるようで、この本の冒頭に、製品が売れない、企画が通らない、客が来ない、これらの原因は、「色のチカラをうまく活用できていないだけかもしれない。」そして「色のチカラを理解して適材適所に用いれば、買い手に製品の魅力を効果的に訴求できる。プレゼンの説得力が高まる。客を店に引き込める。」と書いてあります。「適材適所」は具体的に何なのか?まずは「色がもつ不思議なチカラ」を押さえ、売れる商品の色づかい、人が集まる場所やオフィスで使う色、ビジネスシーン別勝負カラー、ターゲット別好かれる色と、わかりやすく説明されています。
例えば、色違いの家具の中に、消費者からはあまり選ばれないが人目を引くオレンジやピンクの「見せ色」の家具を入れると、結局はアイボリーや紺などの定番色が選ばれます。最初から「見せ色」の家具を売るつもりはなく、売りたい定番色の家具を選ばせ、消費者には、定番色を自分が選んで納得して買ったという満足感も与えるのだそうです。
また、エステや美容室などは、赤やオレンジなどの暖色系の内装で長時間くつろいでもらってリピーターの獲得に結びつかせ、反対に、繁盛店のレジなどでは、待ち時間を短く感じさせ、順番待ちの不快感を和らげる寒色系の内装がいいということになります。
オフィスでは、まぶしい光で仕事モードを高め、黄色の小物で集中力をアップさせ、企画書を通すには3色でまとめるといいのだとか。
身近なところでは、コーヒーや滋養強壮剤、飲料のパッケージの色になるほどねえと納得し、同じ大きさ重さの白と黒を比べると、黒は白より小さく感じ、白は黒より軽く感じるようで、何だか私たちは、「適材適所」の色の「チカラ」に、もしかしたらまんまと騙されているような気もしてきます。
いやいや、これを読んだからには「色がもつ不思議なチカラ」を活用しない手はないようで、これからは身の回りにある色をじっくり観察しつつ、いろいろ試してみるのもいいかもしれません。
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