有料会員制でビジネス向けの図書館があるのをご存じでしょうか? この本の著者は2003年「私立有料会員制図書館」として、東京港区六本木ヒルズにアカデミーヒルズ六本木ライブラリーを創設しました。このアカデミーヒルズ六本木ライブラリーはビジネスに特化して本を収集し、新しい学びや協働を育む「場」を提供することを目的としています。本書はこうしたビジネスに特化した専門図書館の取り組みや、どういった本を提供しているのかを紹介しています。
副題のとおり「ライブラリーに集まる人は何を読んで学んでいるのでしょうか?」 選んでいる本の基準は次の3点になります。「個人として自分の枠を広げていくための本」「センスの良さと知性を兼ね備えている本」「新しくて、難しすぎずやわらかすぎず、おもしろい本」です。著者はマッキンゼーや日本の伝統的企業で働いていた経験を活かしてビジネスとしての視点を重視して選書しているということです。ビジネスパーソンが身につけてほしい事柄を8つのジャンルに分けて、読んでおくべき基本書として提案しています。そのジャンルとはジャンル1は「ロジカルなものの考え方」やジャンル5の「自分のお金」など幅広く設定してあり、たとえ会社を解雇されても生きていける「場」を創ってあげたいという思いもつまっています。
その選ばれている本のなかで大変おもしろく共感したのは、ビジネススキルのジャンルの『第12次業種別審査事典』です。この本は当館で開催しているビジネス相談会でも中小企業診断士の基本書となっている本で、窓口でのレファレンスサービスでも業界情報の問い合わせをされた利用者の方にご紹介しています。
あの東京の六本木ヒルズのライブラリーにどのような方が会員となって、これらの本をどんな風に仕事に活かし、著者の意図であるイノベーションを起こすきっかけとしているのか、ぜひ紹介されている、気になった本を手に取ってみていただければと思います。そういった本から、広島にもあたらしい風が吹いてくれればいいなと期待しています。 |
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