広島市産業振興センターNEWS 第155号(2015.1.15)
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経営者のお役立ち情報「メルマガ誌上セミナー」(56) ブランディングについて考える(第1回)
~新市場開拓のために~
ブルー・オーシャン戦略のためのブランディング戦略
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中小企業の経営者が抱える経営課題について、専門家の方にわかりやすく解説していただいています。なお、このセミナーのバックナンバーは「Webセミナー」で公開しています。 |
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藤田 悠久雄さん
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~新市場開拓のために~
ブルー・オーシャン戦略のためのブランディング戦略
藤田 悠久雄(ふじた ゆくお)
有限会社ウェーブ 経営コンサルタント
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~新市場開拓のために~
ブルー・オーシャン戦略のためのブランディング戦略
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《求められるブルー・オーシャン戦略》 成熟した経済環境下においては商品面での差別化が難しいことから、価格の安い商品を購入する傾向が強くなり、価格競争が一段と激しさを増しています。こうした既存の市場で品質や価格等での戦略による企業活動をレッド・オーシャン戦略と呼びます。 企業が適正な利益を確保するためには、新たな価値の創造のための企業活動を通して、競争のない新市場の開拓が必要です。こうした戦略をブルー・オーシャン戦略と呼びます。
《ブルー・オーシャン戦略とバリュー・イノベーション》 新たな市場=ブルー・オーシャンを創造するためには、いまだかってない価値を提供しつつ、利益の上がるビジネスモデルの構築が必要です。つまり、ブルー・オーシャン戦略は低コスト化と顧客価値の向上を同時に実現するバリュー・イノベーションが前提となります。そのためには、低コスト化のために「取り除く」「減らす」、顧客価値の向上のために「増やす」「付け加える」の4つのアクションが考えられます。
《レッド・オーシャンの延長線上にあるブルー・オーシャン》 QBハウスは、感性志向から徹底した機能志向への転換によるブルー・オーシャン戦略によって、ヘアーカットの時間を1時間から10分に短縮し、ヘアーカット代を1,000円に設定しながら、人件費と店舗スペースを抑えた効果で、各店舗の売上高を増やしました。このように、ブルー・オーシャンの大多数はレッド・オーシャンの延長として生み出されています。
《ブルー・オーシャン戦略のためのブランディング戦略》 マーケティング戦略におけるブランドの機能は、信頼の印としての「保証機能」、識別のための印としての「差別化機能」、特定のブランドを想起する「ブランド再生」と社会的に共有された意味を表わす「ブランド連想」の「想起機能」があります。ブランド・ネーム、ロゴ、キャラクター、パッケージ、ジングルやキャッチコピー等のブランディング戦略による「認知」・「想起」が顧客の購入を促進します。 ブルー・オーシャンの創造を通してその市場で一番になることによって、顧客の認知、ブランドの連想、顧客ロイヤルティの向上や知覚品質の向上につながり、ブランド・エクイティ(ブランドの資産価値)が向上します。高いブランド・エクイティを持つ企業は、市場での優位性を確保でき、収益性の改善が期待できます。このように、ブルー・オーシャン戦略とブランディング戦略は強い相関関係にあります。
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■<講師プロフィール> |
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藤田 悠久雄(ふじた ゆくお) |
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中小企業大学校や商工会の講師として、広島から全国的に創業・経営革新、経営管理者養成、繁盛店づくりを指導する他、経営コンサルタントとして主に小売業やサービス業の販売促進や従業員教育等の指導している。
また現在、広島市中小企業支援センター登録専門家として、自身の事業経験を活かした小売・サービス業の経営支援・販売促進、創業支援について指導を行っている。
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