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中央図書館からのおすすめ本(102)
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毎月、中央図書館が推薦するビジネス支援情報の図書をご紹介しています。
なお、これまでに紹介した本については、当財団のホームページに「中央図書館からのおすすめビジネス図書」として公開しておりますので、いつでも見ることができます。
『人が集まる建築』
仙田 満/著
(講談社 2016年4月20日発行)
広島東洋カープが25年ぶりのリーグ優勝を果たしましたね。
この本の著者は、新広島市民球場を設計した環境建築家の仙田満氏です。
新広島市民球場はご存じのとおり、野球を知らない人でも楽しめる「ボールパーク」として、多くの入場者を呼び込んでいます。
著者は、新球場をデザインするとき、人を集め、楽しませるために「遊環構造」という氏が生み出した設計手法を用いました。「遊環構造」とは、こどもが元気で健全に育つためには、楽しく生きるための時間を有意義にすごす空間が大切であるという理念に基づいたものであり、この空間は、こどもはもちろんのこと、あそびのタイミングにはこども心を取り戻す大人にも必要な要素であるということです。
この本では、「ゆうゆうのもり幼保園」や「国際教養大学中嶋記念図書館」、「西武春日井ショッピングセンター」の事例等、自身のこれまでの仕事を振り返りながら、都市、地域、土木的構築物からインテリア、展示、遊具、家具等の環境を設計、デザインする「環境建築」という考え方や、「遊環構造」という手法に行き着いた経緯を解説するとともに、未来を創るための環境建築のあり方を示しています。
著者は、「すべてのこどもに幸せなこども時代を過ごすことができる環境をつくることに、これからも最大の努力をしていきたいと考えている。多くの人が集まり、こどもも大人も町も元気な環境をつくっていきたい。」と述べます。
こどもも大人も集まり、広島の町を大いに盛り上げた広島東洋カープの優勝。新球場に込められた願いがその大きな役割を果たした瞬間だったのだとこの本を読んで感じました。