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中央図書館からのおすすめ本(115)
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毎月、中央図書館が推薦するビジネス支援情報の図書をご紹介しています。
なお、これまでに紹介した本については、当財団のホームページに「中央図書館からのおすすめビジネス図書」として公開しておりますので、いつでも見ることができます。
『魔法をかける編集』
藤本 智士/著
(インプレイス 2017年7月21日発行)
現在、職場にマイボトル(水筒)を持って行くことが特別ではなくなってきました。この「マイボトル」の仕掛人が著者の藤本智士さんです。兵庫県在住で秋田県発行のフリーマガジン「のんびり」、webマガジン「なんも大学」の編集長をされ、地方からその魅力を発信しています。
この本は、「ローカルメディアとは、あなたです」という項目から始まります。「編集」「メディア」共に狭義な意味ではなく、広義に捉えています。著者は「編集力とは「メディアを活用して状況を変化させるチカラ」つまり編集というのは手段であって目的ではない」とし、また、様々なプロジェクトは「手前の目標ではなく、理想とする未来の強いビジョン」が必要と述べています。それを作ることよりも、作った後に世界がどう変化するかの方が大切ということです。
秋田に関わるのは「秋田県が少子高齢化・人口減少日本一」だからと言い、少子高齢化が社会問題となる中、「その先頭を走る秋田は、まごうことなき日本の未来のトップランナーです」と発想を転換して、雑誌等様々な手段で地方の魅力を発信する著者の編集術も紹介しています。後半には編集術を使い実現した秋田県出身の木版画家の美術館の例も書かれています。
編集とは活字の世界だけではなく、未来のビジョンの実現に向けた手段であり、その力を活用し情報を発信している著者の魔法の編集術や視点は、広島で暮らす私たち自身にも活かせるのではないでしょうか。