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中央図書館からのおすすめ本(46)

広島市産業振興センターNEWS
中央図書館からのおすすめ本(46)
『お客様を呼び戻せ!-東日本大震災サービス復興の証言』
 毎月、中央図書館が推薦するビジネス支援情報の図書をご紹介しています。
 なお、これまでに紹介した本については、当財団のホームページに「中央図書館からのおすすめビジネス図書」として公開しておりますので、いつでも見ることができます。

『お客様を呼び戻せ!-東日本大震災サービス復興の証言』

『お客様を呼び戻せ!
-東日本大震災サービス復興の証言』

 内藤 耕/著


(日経BP社 2011年12月5日発行)


 来月3月11日、あの未曾有の大震災東日本大震災から一年が経過します。

 先日、BCP(事業継続)についての講習の中で、立石裕明氏は、阪神大震災で被災された後、スポーツホテルを開設し、そのホテルが2002FIFAワールドカップでイングランド代表チームのキャンプとして注目を集め、壊滅的な被害にあったホテル事業を再生した話をされました。立石裕明氏は会社が生き抜く方法として、BCP(事業継続)の重要性を何度も何度も訴えられていました。

 この本は、その事業継続を考えるために、今回の東日本大震災のとき、どのように社員を守り、顧客を守り、会社を守ったのか、13社の経営者や責任者の証言を収録しています。また著者内藤耕氏はサービス工学研究の第一人者であり、被災地域のみならず、北海道から九州に至る広範囲にわたって、数多くのサービス業者の現場を訪ね歩いて聞き取り、生の声を記録しています。この証言でいちばん印象に残るのは、危機的状況の中で、従業員の雇用確保の重要性を認識し、従業員の生活を守ることを宣言することで、信頼関係を築くことができ、事業を再生していく大きな力となったことです。それは「再開した当日指示したわけでもないのに、若い従業員が『営業中』という看板を自ら準備して、ホテルの外の道路に立って呼び込みをやってくれました。そうしたら、それを見た多くの人が来店してくれました。このように前向きな若者の姿は、多くの人の心を打ちます。」という証言から伝わってきます。これらの証言は、震災で守り抜いたことと、震災で気づいたこととに分けて書かれています。

 この東日本大震災を「1000年に一度起こる例外的な災害」と考えてはいけない、平時からの備えが有事に生き、戦略と仕組みづくりができているかどうかということを唱えています。危機管理は特別にするのではなく、普段の生活が危機を乗り越える道具や訓練になるように意識をもつことなのです。

 大震災から一年経過する今このときに、この一冊をご紹介して、幅広いビジネスパーソンの方々に、あらためて事業継続について考えていただければ幸いです。

■問い合わせ先 広島市立中央図書館 事業課 TEL 082-222-5542
これまでに紹介した本 「中央図書館からのおすすめビジネス図書」



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