書名の「バナナ」と「算数ドリル」がビジネスとどういう関係があるのかと、思われるかもしれません。
この著書は、スポーツビジネスを本場アメリカで学んだ著者が、神奈川県川崎市をホームタウンに活動する川崎フロンターレを、地域のプロサッカークラブチームとなるために、どのようにプロモーションをして築きあげてきたか、その手法について紹介しています。サッカーチームでありながら、スタジアムで「バナナ」を売ったり、小学校に配布する「算数ドリル」を作ったりが、その企画のひとつひとつです。
川崎フロンターレは、前身は富士通川崎フットボールクラブであり、それが川崎市民のクラブチームになるための経営は、農業と同じであるといっています。クラブ経営は土壌づくりからであり、まず川崎市を知り、クラブの方向性が決まったら、土を耕し、種を蒔くことだとしています。そしてプロモーションもイベントでも川崎の町の色を前面に押し出すことも重要だとしています。
また集客だけでなく、市民クラブであるからには地域貢献も必要であり、チームの主力である中村憲剛選手が本の読み聞かせをしたり、選手がサポーターと一緒に入浴したり等、サッカーという枠を超え地域に密着して、ホームタウンに住む人の生活を豊かにするということを、徹底しています。
こうしたぶれないチームの方向性と企画力は、スポーツだけでなく、ビジネスの場面でも大いに活用できるのではないかと思います。ぜひ「バナナ」と「算数ドリル」がどのようにチームの力となったかを、ご一読いただければと思います。
また広島市立中央図書館では、7月22日(日)まで、企画展「広島・川崎観光交流展 図書館でキックオフ!サッカーからはじまるわが町対決!」を開催し、川崎フロンターレや、その川崎の町を紹介しています。ぜひご来館をお待ちしております。 |
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