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(140)「あなたの社内にいる凄い!と感じさせる憧れとなる人材紹介」による採用促進(第1回)

募集時の3つの切り口と企業の重要資産である「人」に焦点を当てた採用作戦!

吉原 伸二(よしはら しんじ)先生

知的資産経営報告書作成・活用専門家
中小企業診断士
システムアナリスト(高度情報処理技術者)

吉原 伸二(よしはら しんじ)


はじめに
 人材採用は現在、国内企業共通の経営課題といっても過言ではないでしょうか。特にコロナ明けで売上回復の中、人材不足がより顕著な中小企業は多く「大企業は待遇改善で応募はあるが、中小企業は電話一本ない」と言う声を多く聞きます。
 今回は、そんな中小企業の悩み解決の一助となる話をご紹介したいと思います。

募集時の大切な視点
 皆様は人材募集の際に、どのような視点で募集をかけるでしょうか。当たり前のように「仕事内容・勤務場所・待遇」とお答えになるかも知れません。確かに、この3つの情報は基本的要件で重要な事項です。ただ、応募者の目線でアピールする内容を見直せば、更に多くの方の目に留まるのではないでしょうか。それが、今回ご紹介する「あなたの社内にいる凄い!と感じさせる憧れとなる人材紹介」による採用促進です。

 詳しく述べます。応募者は、自分がこの会社に入ったら自身が成長出来るか、職場の雰囲気は、技術力を磨く会社の制度はあるか、また会社自体は伸びる会社か?等の視点で判断する事が多いのです。もちろん、仕事がほどほど楽で、待遇もまあまあで、勤務場所も近い、という条件を優先する方もいます。

 しかし皆様が欲しい人材は、そのような人材ですか?願わくは、成長志向で頑張ってくれそうな人材を求めるのではないでしょうか。

成長志向の高い人材に向けた3つの切り口
 その成長志向で頑張ってくれそうな人材が応募してくれるために、私は3つの切り口をご提案します。
 以下の表は、その切り口とアピールしたい自社の魅力を例としてまとめたものです。

 

表.成長志向人材に向けた3つの切り口

切り口 応募者の目線 アピールしたい自社の魅力
① 人の強み 自身が成長出来るか? 凄い!と感じさせる憧れとなる人材の存在
②会社の強み

技術等を磨く会社の制度はあるか?

職場の雰囲気は?

社内固有の人材育成プログラムが用意されている事

失敗を恐れないチャレンジする風土がある職場

③ネットワークの強さ 会社自体は伸びる会社か? 社外連携ネットワークの構築による新事業開発

アピールしたい自社の魅力は、一つの例として記入しています

 

 「応募者の目線」は、これ以外にあると思いますし、「アピールしたい自社の魅力」もあくまでも一例に過ぎません。
 しかしながら、自社の強みをしっかりとらまえ、応募者の目線でアピールする事で「どんな人材でもいいから採用したい!」から「成長志向の高い人材を採用したい!」に変える事が可能なのです。そのために、採用したい人材イメージを「アピールしたい自社の魅力」に盛り込むのです。

 これが、私がお伝えしたい「一つ目のメッセージ」です。

切り口の詳しい説明
 いま挙げた3つの切り口をもう少し補足します。

① 人の強み 
 成長志向の高い求職者の多くは「自分が将来こうなりたい」というイメージを持っています。そのイメージに応えるのが「人(現行社員)の強み」であり「自身が成長出来るか?」という疑問への答えなのです。先輩社員などの紹介欄を設けている企業がありますが、これでいいのです。ただ、「凄い!と感じさせる憧れとなる人材」を感じて貰える事が出来れば更によくなります。私は、「ベテラン社員や次世代人材が奏でる詩(うた)」を提唱していますが、この「人の強み」が3つの切り口の中でも一番重要なので、次回で事例を交えて詳しくご紹介したいと思います。

② 会社の強み
 憧れとなる人材がいるからには、何らかの育成制度があるはずです。応募者の「技術等を磨く会社の制度はあるか?」という疑問に答えます。「アピールしたい自社の魅力」に例として書いているように、ここでは「社内固有の人材育成プログラムが用意されている事」をまずは回答して、具体的にその後に記載しています。

③ ネットワークの強さ
 中小企業が新事業開発を推進していくには、単独で進めるよりは、強みと強みでシナジー効果を出せる「社外連携ネットワークの構築による新事業開発」を「アピールしたい自社の魅力」に記載します。社外連携も一例ですが、応募者の持つ「会社自体は伸びる会社なのか?」という疑問に答えます。ただ、この疑問は、全応募者が持つ共通の疑問ではありません。中には、①人の強みと②会社の強みで及第点に達している応募者もいるかも知れません。しかし、この「ネットワークの強さ」を自ら提示する事で「面接をしてみたい会社」から「是非働いてみたい会社」に心の変化を誘うのです。

次回に向けて
 今回は、3つの切り口の説明と成長志向の高い人材採用の可能性のお話をしました。次回は、一番重要な「人の強み」について事例を交えて、詳しくご紹介したいと思います。皆様に本記事がお役に立てれば、心から嬉しく思います。


■<執筆者プロフィール>

知的資産経営報告書作成・活用専門家
中小企業診断士
システムアナリスト(高度情報処理技術者)

吉原 伸二(よしはら しんじ)

広島県中小企業診断協会 正会員
公益財団法人広島市産業振興センター 広島市産業振興センター 登録専門家・窓口相談員
広島県商工会連合会 登録専門家
広島商工会議所 経営発達支援事業専門家

福山市出身。中央大学理工学部卒業後、現・NECソリューションイノベータ株式会社入社。
製造業・プロセス業のシステムエンジニアを経て、ソリューション営業を長年経験、営業部長として中国5県を統括。会社合併に伴い大阪及び東京本社で勤務。技術統括のゼネラルマネージャーとして、全国数百人の組織を統括、技術分野の人材育成に携わる。早期退職後、独立コンサルタントして、広島で人材採用や資金調達を目的とした知的資産経営報告書作成・活用、DXセミナー講師や導入支援他、数多くの経営相談に従事。
本記事は、知的資産を独自の視点で紐解いた経験を活かし、採用の観点で執筆した記事となる。

 

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