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広島市中小企業支援センター

ひろしまの企業支援情報

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  1. 広島市中小企業支援センター


川上 正人さん
「効率的・効果的販路開拓の進め方(第2回)」

川上 正人(かわかみ まさと)
株式会社流通プランニング研究所 代表取締役 所長
特定非営利活動法人中小企業販路開拓支援協議会 代表理事
中小企業診断士
広島市中小企業支援センター登録専門家



 「販路開拓は難しい」・・・・と多くのひとが考えがちです。
 でも、そうしたひとを尻目に、関東、関西など、これまで取引の無かった地域での販売を、着々と伸ばしておられる企業が多いのも事実です。
 その違いは、一体どこにあるのでしょうか?それを探求することで、いろいろなことがみえてきます。

第2回:販売対象の明確化

(1)必要性
 あなたが既婚者であれば考えてみてください。もしお相手が、男(女)なら誰でもよかった、たまたま結婚した相手があなただった、と いわれたら、どのように感じるでしょうか。
 この反対に、あなただから伴侶に選んだ。あなたのこういうところが好き、私はあなたにこう役立てる、だから幸せな家庭を築きましょう、といわれたら、いかがですか。
 もうおわかりですね。ひととの交渉は、相手を知り、相手に、どう自分が役立つかを説明しきれなければ、納得や合意は得られません。商談も同じことがいえます。

(2) 設定方法
 この言葉を覚えて下さい。「どんな考えをもった、どんなひと」。自分の対応すべき相手を自問自答し、その相手が、最もふさわしいと確信できた時、設定は完了です。
 どんな考えをもったということを考える場合は、「そのひとの求めていること、困っていること」を思い浮かべてみて下さい。実は、求めていること、困っていることは、ほぼ同じです。
 私は「5つの不」で、このことを考えるようにしています。「不安」「不便」「不満」「不快」「不信」です。ひとが物やサービスを購入する際には、ほぼ困っていることを解決するための手段を探しており、同時に求めるものであるともいえるのです。
 そのひとが求めていることや困っていることは、外見からはわからないときがありますが、置かれている状況や行動パターンでわかる場合があり、どんなひととは、見た目でわかる場合があります。
 性別や年代、職業、立場など、客観的にわかる違いを見出すことで、どんなひとかを決め、その中で、特に、どんな考えを有しているかについて、規定すればよいのです。

(3)事例紹介
 私のアドバイス先に、やぎのミルクの販売を行おうとされている方がおられます。牛乳と相違して、利用するひとが、ごく限られており、どうしたものか思案していました。初期段階では、ミルクになじみのある牛乳販売店を経由する第三者と考えました。しかし利幅が少なく、飲まれるひとが少ないことから、販売に苦戦が予想され、この設定は断念しました。
 やぎのミルクの特徴をおいしいとか、健康によいなどと考えていましたが、少し視点を変えてみました。それは、年配者がなつかしいと感じることです。「やぎミルクになつかしさと郷愁を感じる年配者」と設定したところ、新たな販売先として、動物園が浮上しました。
 動物園の中でふれあいといって、やぎやひつじとふれあうコーナーを設けて人気を博しているところがあります。孫を連れて動物園に来られる年配者が、飲まれることが想像できました。
 たまたま、この相談者は地元の動物園とつながりがあったことから、牛乳販売店への販売でなく、動物園にて販売することを前提に、交渉を始められました。(熊本県K社)

 いかがですか。ありきたりのものでなく、珍しいものが欲しい不満というところに着目した結果、新たなお客様や、取り扱いをお願いする第三者の候補が見出せました。まだ販売されている訳ではありませんが、目の前が、ぱっと開けたそうです。


                        販路開拓に取り組む方々


■筆者紹介
 株式会社流通プランニング研究所 代表取締役 所長 川上 正人

 昭和38年大阪府生まれ
 広島市内の大学を卒業後、広島県中小企業団体中央会、青山監査法人勤務を経て、平成5年、経営コンサルタントとしての活動を開始する。
 以後、中小企業の取り組む経営革新支援に携わり、計画立案の支援のみでは、得られる成果に限界があることを感じ、販路開拓支援のための調査、研究に取り組んだ。北海道から九州までの中小企業診断士等専門家11名と連携し、平成20年、NPO法人を設立。現在、商談ツールの開発をサポートし、商談機会提供による販路開拓支援に取り組んでいる。

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