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(15)効率的・効果的販路開拓の進め方(第4回)



川上 正人さん
「効率的・効果的販路開拓の進め方(第4回)」

川上 正人(かわかみ まさと)
株式会社流通プランニング研究所 代表取締役 所長
特定非営利活動法人中小企業販路開拓支援協議会 代表理事
中小企業診断士
広島市中小企業支援センター登録専門家



 商品を販売するために、「どうすればいいの」・・・・と、よく相談を受けます。
 商談には、きっかけが大切です。今や広島市などの公的機関や金融機関などの商談会が花盛りです。こうした制度を活用して、商談機会を得ることは、それほど難しいことではありません。肝心なのは、商談の進め方です。

第4回:商談方法の明確化

(1) 必要性
 商談は、取引実現のための真剣勝負の場ともいえます。よい取引ができるのもできないのも、わずかな商談時間で決してしまいます。次々と商談をまとめるところと、何度商談の場を得ても、取引がまとまらないところの違いを比較してみました。答えは一目瞭然、準備の差です。
 商売されている方は、みな多忙です。短時間で、必要な情報を得て、取り扱いの是非を判断されます。その判断材料を提供するための準備が必要となります。
 通常プレゼンは、目で見せて、話をするという方法で行われます。その用意をしなければならないはずですが、あまり話す段取りを考えることなく、実物の見本を見せ、消費者に向けた説明に終始し、質問があれば答えるというスタイルが多く、見受けられます。

(2) 取り組み方法
 目で見せるためには、説明用の資料が必要となります。前回説明した、企業価値、商品価値に基づいて、話を聞かなくても、あらましがわかる資料が歓迎されます。実際には、要領よくまとめてあれば、実物を見なくても注文が入るケースが多いのです。

①商談ツール
 企業価値、商品価値を的確に伝えるための資料です。色々なものがあるため、私はツール(道具)と表現しています。私が主にお勧めしているものは、企業価値を示す「企業概要書」、商品の価値を示す「商品規格書」で、いずれもA4、1枚でコンパクトにまとめています。
 売り手は伝えたいことを、できるだけたくさん示そうとしてしまいがちですが、多忙な方には、むしろ迷惑となります。特に初対面の際には、簡素なものが喜ばれます。

②商談モデル
 商売人は、みな多忙です。ですので、短時間で自分の伝えたいことを伝え、自分が把握すべきことを教えてもらわなければなりません。業種にもよりますが、高額なものでも、長くて1時間が目安であり、スーパーの商談などでは、15分程度とされているようです。
 短時間の商談で、うまく伝え、うまく聞き出すだめの会話の手順を想定することを、商談のモデル(標準)と称し、準備して頂くことを勧めています。

(3) 事例紹介
 私は、NPO活動にて様々な会員企業に情報提供しています。紹介は、ほぼすべて、企業概要、商品規格書を送付するという手段で行っています。一番高額なもので、百万円近い商談が2件成立しています。なぜ、そうなるのでしょうか。答えは、その商品を求めている企業があるからです。極端にいえば、必要とされる企業にとって、急ぐ場合、どこでもよいのです。なので、簡単なA4、1枚の資料で購入是非を判断される場合もあり、ツールは重要といえます。
 この資料をまとめる研修を各地で行っておりますが、こんな感想を多く頂きます。

(福岡県:男性)
 会社の概要、商品を分かりやすく明確に文章にすることの難しさと大切さを改めて痛感致しました。また、そういうことを文章にすることにより色々な相手に説明しやすくインパクトを与えることも分かりました。確かに売る方の立場である私たちが質問されてしどろもどろしているようではお客様には伝わらないと思いました。

 つたないまとめではございましたが、効率的・効果的販路開拓の進め方に、最後までお付き合い頂きまして誠にありがとうございました。私の研究も道半ばであり、まだまだわからないことがたくさんあります。
 でも、たったひとつ確信を持てたことは、新しい取引先が得られると、弾みがつくということです。人は、元気がでれば、どんどん道が開け、よき人との出会いが得られます。
 私は販路開拓支援を通じて、経営者の自信を取り戻すためのお手伝いをしたいと考えています。
 最後となりましたが、みなさまの販路開拓の成功を祈念致しまして終了とさせて頂きます。ありがとうございました。




■筆者紹介
 株式会社流通プランニング研究所 代表取締役 所長 川上 正人

 昭和38年大阪府生まれ
 広島市内の大学を卒業後、広島県中小企業団体中央会、青山監査法人勤務を経て、平成5年、経営コンサルタントとしての活動を開始する。
 以後、中小企業の取り組む経営革新支援に携わり、計画立案の支援のみでは、得られる成果に限界があることを感じ、販路開拓支援のための調査、研究に取り組んだ。北海道から九州までの中小企業診断士等専門家11名と連携し、平成20年、NPO法人を設立。現在、商談ツールの開発をサポートし、商談機会提供による販路開拓支援に取り組んでいる。

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