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広島市中小企業支援センター

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  1. 広島市中小企業支援センター



元気な商店街を目指して(第1回)

-近隣型商店街の現状及び課題について-

森信 秀樹さん

森信 秀樹(もりのぶ ひでき)

中小企業支援センター登録専門家
中小企業診断士、一級建築士


1 近隣型商店街が急速に衰退しています
 かつて「近隣型商店街」は、「家の近くの横のデパート」と評され、何でもそろう豊富な品揃えと気さくな会話が飛び交う大切な地域コミュニティーの場でありました。しかしながら大型店の進出とその激烈な競争の狭間で取残され、消費者からも次第に支持を失い「消店街」となりつつあります。
 商業統計に基づく「広島県の商店街」をみると、その実態がよく表れています。
 広島市内の商業集積地区を抽出して、小売商店数を1997年から2007年の10年間で比較すると、西区を除く全ての区で減少しており、市全体では642店の減少となっています。

※近隣型商店街...地元住民が、食料品や日常生活必需品などの「最寄品」を、徒歩又は自転車などにより買物を行う商店街。

2007-1997 商店数の増減比較(単位:店数)

 また、経済産業省の全国商店街実態調査(平成18年)では、商店街は超広域型から近隣型へとその対象商圏が狭くなるほど景況感は厳しいと回答しています。
商店街の最近の景況と商店街タイプ
出典:全国商店街実態調査(平成18年)

2 近隣型商店街の課題
 
商店街の各路面店はその店舗力(商品、品揃え、価格、付帯サービス、店構え、接客等)が相対的に弱体化し来客が少ないことを口実に、店の掃除を怠ったり照明を減らしたり、あげくは早仕舞いや休日休業などいわば「自堕落」になってきているといっても過言ではありません。一方、高齢化と後継者不足などで閉店するも、店と住まいが分離されていないので、第三者に貸出す事もできずシャッターが下りたままになっている例が多くみられます。同時に商店街活動では役員などのなり手が無くなり、共同事業や催事なども活動費の減少などあいまって前年踏襲でマンネリ化し賦課金の滞納や会員の退会なども進んでいます。筆者がアドバイザーとして関わっている商店街の中には事務局員をパート制に変えて固定費の削減を進めたり、かつての共同事業推進時の軋轢から生じた複雑な人間関係を抱えたままかろうじてイベントなど事業を行っているところもあります。
 このように商店街を構成する個店の問題性と組織としての商店街そのものの課題が輻輳し、一層商店街を魅力の無いものとしています。しかしながら車中心社会の一方で都市居住者の高齢化はいわゆる「買物難民」を新たに産み出しています。住まいからの徒歩圏域で最低限の日常生活維持のための買物ができ、お互いの安否確認ができる「近隣型商店街」の役割は今後はむしろ一層高まっていくと思われます。

商店街が抱える問題
出典:全国商店街実態調査(平成18年)

 次回は近隣型商店街を活性化するための取組み事例を紹介します。

■筆者紹介

森信秀樹
アーバンリファイン株式会社 代表取締役
中小企業支援センター登録専門家
中小企業診断士、一級建築士
中小企業基盤整備機構 商業活性化アドバイザー

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