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省エネと環境経営について(第1回)
誰でもできる売上確保の方法 ~ 省エネは経費削減
中小企業の経営者が抱える経営課題について、専門家の方にわかりやすく解説していただいています。 なお、このセミナーの内容は、当財団のホームページに「Webセミナー」として公開していますので、いつでも見ることができます。
誰でもできる売上確保の方法 ~ 省エネは経費削減 鷹村 憲司(たかむら けんじ) 東和環境科学株式会社 理事 技術士(環境部門、建設部門、総合技術監理部門) 環境カウンセラー(事業者部門、市民部門) 「省エネなんて関係ない」 「『省エネ』だの、『地球温暖化対策』だの、『CO2削減』だの最近よく耳にするが、この不景気の中、会社をどうやって維持するかで精一杯なのに、そんなものに興味もないし、そんなことやっている余裕はない」「わが社のような中小企業がちまちま省エネをしたところで、社会への影響は微々たるもんだろう」・・・昨年度、広島市の委託を受け、市内の店舗を対象に無料の省エネ診断をしてみませんかと提案したところ、多くの事業主さんから返ってきた言葉です。 416店舗に打診を行ないましたが、省エネ診断は無料であるにもかかわらず、そのうちの74%にあたる308店舗が診断を断ってこられました。断りの理由として多かったのは、「必要ない・必要性を感じない」、「担当者不在」(居留守?)、「省エネに無関心」、「今忙しい・担当者が忙しい」というものでした。 では、こういうのはどうでしょうか。「ちょっとしたことで、売上と利益が確保されます」これなら「おっ、何だ、ちょっと聞かせてくれ」となるのではないでしょうか。じゃあ、何をしたら売上と利益が確保されるのか・・・実は、省エネなのです。 ![]() ちょっとした取り組みで1,200万円の売上が! ここで、ちょっとした算数にお付き合いいただきたいと思います。あなたの会社は月いくら電気料金を払っておられるでしょうか。「そんなもん知らん」という方も多いと思いますが、そんな方こそ売上と利益の伸び代があるのです。総務に言って、すぐさま電気料金の領収書を見てください。 仮に、あなたの会社が月100万円の電気料金を支払っているとしましょう。電気料金を5%削減したら、年間の電気料金の削減金額は、100万円×12ヶ月×0.05=60万円です。「なんだ、一年でたったの60万円か」と思われた方が多いと思います。ところがこの60万円、純利益なのです。経費が全くかからない純利益なのです。 あなたの会社の利益率はどのぐらいでしょうか。これは業種によってかなり差があると思いますが、仮に5%としましょう。先の60万円の利益をあげるために必要な売上は、60万円÷0.05=1,200万円です。すなわち、電気料金の5%削減というちょっとした取り組みだけで、年間1,200万円の売り上げが転がり込んでくるのです!しかも、何の経費もかけずに。 ![]() 省エネによる経費削減で利益確保 売上による利益も、経費削減による利益も同じ利益です。売上を上げるためには様々な経費を伴いますが、経費削減には経費はかかりません。しかし、経費削減は切羽詰ってくると、会社の貴重な財産である人材の人件費など、事業の根幹である本来削ってはいけない経費まで削ってしまうようになってきます。省エネによる経費削減は、削りやすく、かつ削ってもよい経費の筆頭なのです。 今年の夏は中国地方も国から5%の節電要請がありました。5%の電気料金の削減は、ちょっと工夫すればどんな会社でも実行可能です。もう少し頑張れば、10%削減も難しいことではありません。省エネによる経費削減を試してみるチャンスです。貴社も省エネに是非取り組んでみてはいかがでしょうか。経費削減のために。利益確保のために。 ![]() ■<講師プロフィール> 鷹村 憲司(たかむら けんじ) 昭和32年生れ。環境コンサルタントとして環境に関する様々な業務に従事するほか、広島県環境政策課に事務局を置く「ひろしま地球環境フォーラム」や「企業とコラボで環境学習事業」(広島市)の講師として小中学校への出前授業や、自治体や市民団体が主催する講演会・ワークショップの講師、eco検定の講習会の講師など多くの環境活動で活躍中。 |