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広島市中小企業支援センター

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人の心を導くための導線計画(第1回)


 中小企業の経営者が抱える経営課題について、専門家の方にわかりやすく解説していただいています。
 なお、このセミナーの内容は、当財団のホームページに「Webセミナー」として公開していますので、いつでも見ることができます。

山本 胖さん

動線と導線の違い




山本 胖 (やまもと ゆたか)

カーサ商業建築研究所 主宰

一級建築士


 店舗を設計する時、動線と導線は何が違うのですかという問い掛けが良くあります。

人の行動は単に動くだけでなく意図や意味があります。

最近の買い物客は自らの生活を自分らしく豊かに過ごすための意識や満足感を求めて店内をくまなく見て回ります。


人の心を導くためにはお客様がどの様に流れて動くかお客様の意識や精神心理を知りながら空間や陳列方法などを考慮します。店内を回遊してもらい商品との接触機会を増やし、売上増に結び付けることが必要です。業種業態によって違いますが、機能的に目的商品に辿り着くお客様の流れづくりと、買い物客が快適に買い物を楽しんでもらうには、売り場の演出や物語性のある道筋づくりが必要とされます。その道筋は日本人が本来持ち合わせている感受性や美意識、価値観なども生かされた、人の心を導く導線づくりが必要な時代へとなっています。

動線は・・・

買い物客が目的商品に向かって歩きやすく選びやすい道筋で、お客様が通常どの様に店内を流れて行くかの動線です。機能的で合理的にお客様と従業員のサービスがぶつかることなくスムーズに流れて行くための動く道筋です。
コンビニエンスストア・小型スーパー・大量販売の業態店などです。


導線は・・・

買い物客の心を導くために生活者の意識や精神心理をとらえ、店づくりや商品で感動を与えながらお客様が自分らしく生活の質を深化させていく道筋です。
その導線では人と人、人とモノが絡み合うことで新たな感動が生まれます。
専門店・生活提案業態店・大型複合店などです。


 店づくりには動線も導線も大切な要素ですが、店が成り立つためにはどの様な動線や導線を描くか、店づくりの発想からまとめなければなりません。経営者と店舗を計画する時、施設の社会的役割や方向性、立地条件、店舗面積、事業投資を検討しながら販売方法、商品、構成、対象客層、接客サービスなどの店づくりのポリシーを明確にします。それに応じて売場のゾーニングを行い、お客様にどの様に店内を回遊してほしいかお客様を導くためのイメージをフリーハンドで描きます。そして、従業員などの動線も描き、構想図面を経営者と煮詰めながらどの様な店づくりにするか発想をまとめていきます。

導線を生かした計画例として・・
 古いまち並みの再生と都心の郊外に計画された複合施設です。計画にあたって人の心を導く導線の役割が明確化されているイメージ図です。

(※画像をクリックすると拡大図が表示します。
街づくりの導線

 まちづくりの導線
 歴史的なまち並みに伝統的な建物を生かしながら新たな商業施設と地域文化、産業の拠点づくりのイメージ図です。人の心を導く導線は、散策道として季節の息吹も加わり、心の安らぐ情緒的な雰囲気を醸し出しながら地域の住民や観光客にとって生活の質を高める発見回遊路となります。その空間から新たな文化や産業が誘発され、新たな交流も導きだし暮らしを楽しむ新たなまちの拠点となります。

(※画像をクリックすると拡大図が表示します。

導線がつなぐ中規模の複合施設 

導線がつなぐ中規模の複合施設

 商業施設、オフィス、マンション、駐車場などが連携された複合施設のイメージ図です。
地域の景観と社会的役割を考慮されながら商業施設と駐車場、仕事場と住まいなどがオープンモールを囲うようにゾーニングされ、それをつなぐ導線が回遊性を促しながら複合された建物の役割を生かします。この複合施設は都心に近い郊外に計画され、都市機能を高め日常生活の質を充実させる役割を担います。

まちづくり計画への参加、複合施設のテナントへの出店、賃貸物件、ビジネスフェアの展示ブース等、規模を問わず店舗を設計する際には、人の心を導く導線について考慮してみてはいかがでしょうか。




■<講師プロフィール>

山本 胖 (やまもと ゆたか)

一級建築事務所としてインテリアデザインから、まちづくり全般(住宅、商業建築、福祉施設等)まで、企画設計から工事監理まで建築総合設計コンサルタント業務を行っている。

実績

・中の棚商店街のコンサルタント及び設計と街路整備
・内装設計した3店舗が「いい店ひろしま」を受賞
・広島工業大学 元非常勤講師 商業施設実習
・広島市中小企業支援センター登録専門家

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