「社員の成長が会社の発展につながる」
~人財育成がファンづくりの基本~(第1回)
中小企業の経営者が抱える経営課題について、専門家の方にわかりやすく解説していただいています。
なお、このセミナーの内容は、当財団のホームページに「Webセミナー」として公開していますので、いつでも見ることができます。
会社方針を社員と共有できていますか?
西藤 諭美子 (さいとう ゆみこ)
有限会社パシオン 代表取締役
- 皆さま、初めまして有限会社パシオンの西藤と申します。今回、三回シリーズで社内育成の確立の重要性について、現場主義にて書かせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
中小企業コンサルティングで現場に入るときに、問題が多いのは下記の4点です。
- (1)社長の言うことがころころ変わる
- (2)会社がどこへ向いていくのかわからない
- (3)会社の将来がわからないので不安である
- (4)社員が入社しても辞めてしまう
- ※この4つの問題点は、経営者が変われば解決します。
- 経営者には、会社の存在意義を考え、夢と目標を明確にし実行していくための経営理念・経営指針が必要不可欠です。
- ※なぜ、会社の方向性が明確になると人は育つのでしょうか?
- 自分は何をすればよいか理解でき、自分目標が立てられるからです。
また、経営理念や経営指針書を作成しただけでは、「絵に描いた餅」で終わります。
- ※どのように実践していくかが重要です。
- 最初は経営者の頭の中を整理し作成します。
何度か整理を繰り返した後に社員を巻き込んで作成し、共に会社のビジョンを共有することがポイントです。
- ※実例としてこのような会社がありました。
- 製造会社の幹部研修に入ったとき、「先生は社長を変えてくれるのか」といきなり言われたことがありました。
今まで、いろいろなコンサルタントによって様々な取組みをしてきたが、一向に先が見えないので、社員の方々のいらだちを感じました。
私は「社長も変わらないといけないところもありますが、皆さんも変わっていかないといけません。」と伝えました。
今後の方向性を伝えるために、まず経営者の想いを整理して、経営理念・経営指針書を作成し「第一回 経営指針書発表会」をしました。
その時の決め事として、全員身だしなみを整えて参加するということにしました。
なぜならば、いつも作業着で仕事をしているので、でる場所によって意識を変えることの大切さを知って頂くためです。
「第一回 経営指針書発表」で各部門の役割を伝え、その後、毎月会議を積み重ねた結果、社員から「先生、仕事の効率化として機械を遊ばせるわけにはいかないので、多能工を育てないといけませんね」と意見がでるようになり、意識改革につながっていきました。
それからどんどん会社が活気づきました。
中小企業は経営者が決断することで、スピートのある改革ができます。
この様に経営指針書の浸透が社員の成長と社風づくりにつながります。
- ※経営指針書の浸透の流れ図
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・将来ビジョンの明確化 ・自社の存在意義 ・各部門目標の明確化 |
・目標に対しての進捗と改善 |
・社員一人ひとりの成長と
部門目標達成
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■<講師プロフィール>
西藤 諭美子 (さいとう ゆみこ)
銀行勤務ののち、地場企業にて現場主義の事務の合理化、業務のマニュアル化の開発、企業の社風づくりを通じて職場の活性化を図る。
「明るく元気に思いやりをもって」を信条とし、経営理念、経営指針の浸透コンサルティング、組織づくり、仕組みづくり、OJT(On the Job Training)育成コンサルティング等、各種人財育成セミナー及び現場指導など、20年間のキャリアと多数の実績を持つ。