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191 『未来職安』 柞刈 湯葉/著

中央図書館からのおすすめ本(191)

 

  『未来職安』

 

公開日:2024年3月15日


科学技術の発展により、今ある仕事の多くがなくなるといわれています。AI(人工知能)に奪われる仕事は何か、どう対策したらよいかという話題をよく耳にしますが、仕事がAIに代替されることで働く必要がなくなるとしたら、私たちはどうするでしょうか。

本書は、車が自動運転になり、インターネットで注文した商品はドローンが配達してくれる、そんな少し先の未来を書いたSF小説です。小説の中では、多くの仕事が科学技術の発展によって機械化され、日本の国民は、生活基本金をもらって生活する99%の消費者と働いて所得税を納める1%の生産者で構成されています。
主人公の目黒奈津と機械が苦手な副所長の大塚さん、所長の猫の2人と1匹が働く職安(職業安定所)には、様々な理由で仕事を求める人がやってきます。この職安で紹介される仕事は、ロボットが作った日本食の演出のために店に立つ仕事、あえて防犯カメラに映り込んでAIの解析を妨害する仕事など、奇妙だけれど人間にしかできないものばかりです。

ほのぼのとした日常を軽やかな文体で書いた小説ですが、AIと仕事以外にも、近年注目されているベーシックインカム(※)もテーマになっており、私たちが直面する未来について考えさせられる内容になっています。
多くの仕事がAIに代替され、生活していくためのお金が国から支給されるとしたら、自分は生産者と消費者のどちらを選ぶのか。それはなぜなのか。本書を読むことで、自分にとって仕事とは、働くとはなにかを考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

※政府が性別や年齢、所得や資産を問わず、すべての国民に無条件で一定の金額を支給し、必要最低限の生活を保証する制度(『日経キーワード 2024-2025』より) 

 

未来職安  柞刈 湯葉/著  双葉社

未来職安

柞刈 湯葉/著

双葉社

 



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