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技術情報の提供

広島市産業振興センターNEWS
技術情報の提供 (技術振興部 技術振興室)
    「評価項目が多数の場合の総合評価について」

 機械部品を製作する場合、寸法測定は重要な作業の一つです。例えば、直径10mmの機械部品を製作する場合だと、製作部品の寸法が10mmからどれだけずれたら部品として機能しなくなるかを求めておいて、それから外れているかどうかを確かめるため寸法測定を行います。

 この計測の場合は、一つの寸法で機能特性を代替評価しているのですが、この数値だけで評価を代替できないものも多くあります。人間の健康状態の評価もその一つです。しかし、健康状態の評価はとても複雑なので、一例として肥満について考えてみたいと思います。私は、自分の肥満状態を知るため、毎日体重を測っていますが、ご承知のとおり体重だけで一般的な肥満を決めることはできません。一つには身長との相関関係がとても強いからです。

 例えば、平均的な身長と体重の関係を図1のように仮定します。そうすると、平均的な集団は破線で囲んだ部分になり、図中①の人の場合は、平均から外れていることがわかります。外れていることは一目でわかるのですが、これを図ではなく数値で表現したいときの計算方法の一つにMTシステム(参考文献1)があります。
 MTシステムは平均的な集団からの距離を計算できる方法です。具体的な計算方法は複雑になるため記述しませんが、文献等(参考文献2)を参考にしてください。こうして集団からの距離Dを計算すると、①の人が5.98で②の人が0.59となり、集団から離れるとMTシステムでの距離Dも大きくなることがわかります。

 このような解析方法を用いれば、評価を一つの数値で代替できない場合でも、評価することができるようになります。ここでは図に描いて分かりやすくするために、体重と身長の2項目で表しましたが、肥満状態を知るためには、体脂肪率などのようにもっと良い測定方法があり、そうした評価方法を模索することも重要です。また、MTシステムでは更に多くの項目数を評価に入れることが可能で、こうした評価方法は人間の感性に対しても応用されています。(参考文献3)
図1 平均的な身長と体重の関係を仮定

参考文献1:おはなしMT,鴨下隆志ほか著,日本規格協会,p152
参考文献2:品質工学計算法入門,矢野宏著,日本規格協会,p271
参考文献3:MTシステムにおける技術開発,田口玄一委員長,日本規格協会,p376

■問い合わせ先
  技術振興部 技術振興室 (広島市工業技術センター内) 
  TEL 082-242-4170(代表)
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