技術情報の提供(システム技術室)
「CADモデルのリバースエンジニアリング」
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図1 送風機の羽根
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- ものづくりを行う際は、最初にCADモデルを作成し、それを基にして金型の製作や製品性能のシミュレーションを行ないます。
しかし、それとは逆に現物からCADモデルを作成しなければならない場合があります。その理由としては、以下のような例があります。
- (1)金型が摩耗したため、新しいものを製作したい。しかし、基になる設計データがない。
- (2)感性を考慮して作成したクレイモデルからCADモデルをつくりたい。
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- 図2非接触式三次元測定機で測定した製品の形状データ(点群データ)
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- 現物からCADモデルを作成する際、製品形状によって、その作成方法は大きく以下の2つに分類できます。
- (1)直方体、円柱、円錐、球等で構成される単純な形状である場合は、直径、高さ、角度といった要素寸法を接触式三次元測定機等で測定し、その測定結果を使用してCADソフトで作成します。
- (2)送風機の羽根(図1)のように、その形状が複雑な曲面である場合は、以下の手順で作成します。
- ①非接触式三次元測定機で製品形状を測定し、点群データまたはSTLデータを取得します。(図2)
- ②面貼り機能を有するCADソフト等により、測定した
形状データからCADモデルを作成します。(図3)
- ③作成したCADモデルは、多数の面の集合体となっているため、本来単一の面である箇所は単純化します。その際は、まずCADモデルから主要な断面形状を抽出し、その形状を修正します。なお、製品に傷があったり、射出成形時のひけやそりによって断面形状が本来あるべき形状から変形している場合は、製品を設計した技術者の意図を反映し、形状変更を行ないます。その後、修正した断面形状を使用してCADモデルを完成させます。(図4)
システム技術室では、CADモデルのリバースエンジニ アリング及び構造解析、流体解析、3Dプリンタによる造形など、デジタルエンジニアリングについて支援を行っていますので、お気軽にご相談ください。
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- 図3面貼り機能を有するCADソフト等で作成したCADモデル
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図4 完成したCADモデル
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問い合わせ先
技術振興部 システム技術室(広島市工業技術センター内)
TEL 082-242-4170(代表) E-mail kougi@itc.city.hiroshima.jp